イラストあり・電子限定ショートストーリーつき
3650日、10年愛のお話です。主人公達の16歳から26歳、友人から恋人へ変わるまでの日々なんですが…切ない!受けが攻めへの特別な思いに気づいた時、「絶対に気持ちを伝えてはいけない。伝えたら今までの関係が終わってしまうから」と自分に言い聞かせる場面、王道の切なさで久しぶりにBL小説を読んでて胸がギュッとなるあの感覚を味わえました。さすが高遠先生。
その後も攻めに彼女ができてしまったり、受けにとっての辛いイベントが待っています。この攻めも堅くてストイックで剣道の達人で私の好きなタイプでした。素敵な表紙を見て「右の人が受けだったらいいのに!」と思っていましたが逆でした。しかし受けがこんなに不安定で色々守ってあげなきゃいけないタイプだとどうしても攻めになってしまいますね。
このように恋愛面は切なさマックスで楽しめましたが、この作品がすごいのはサスペンス部分も面白いところ。受けが幼少時に受けた犯人からの恐ろしい言葉「種をまいておいたから」というのが不気味で尾を引きました。一冊完結なので最後までに伏線は全て回収しています。
やはり高遠さんの作品は面白い。キャラ文庫の方のミステリーも続きを楽しみにお待ちしております。
一夜人見先生のカバーイラストとあらすじに惹かれて購入しました。同レーベルの「初恋に堕ちる」は合わなかったんですが、こちらの作品は性癖に刺さりまくりでした。
あらすじからは分からないのですが、攻の樫本視点と受の逢沢視点で交互にお話が語られるので、2人が恋人になる迄の10年がとても焦ったくてそして萌えるんです。
逢沢が樫本を好きだと気持ちが溢れそうになって我慢した瞬間だとか、樫本が彼女と付き合い出したのに逢沢を思って気持ちが乱れる瞬間だとか、堪らない瞬間が多くて悶えまくりました。
もう、お互いに相手が大事過ぎて関係を壊したくないが故に全然くっ付きそうに無くて、残りページを心配しながら読みました。
なので2人が結ばれるシーンは最後にちょっとしかありません。
でも抱き締めたりとか、同じベッドで寝たりとかギュンと滾るシーンはあちこちに散りばめられています。
両片思いが好きな方には堪らない作品だと思います。でもそれだけじゃ無くサスペンス要素もあって、ぞっと鳥肌ものの展開もあったりして、終盤はページを捲る手が止まらなくてドキドキしっぱなしでした。
個人的に逢沢の事務所の女社長がカッコよかったです。ヒールで一撃を加えて放った一言に痺れまくりました。
細い細い糸を必死で繋いで。3650日。
声に守られて。
とっても良いお話でした。
積み本は持ってるけど初めて読む作家さんです。
自分をしっかり持っていて、周りに左右されず、こつこつと頑張り屋で武士のような樫本。
両親の不仲や自分の顔が嫌いで自分に自信がなくて、周りから勝手なイメージでもてはやされ、応えることに必死な逢沢。
逢沢の子供の頃の誘拐事件、今でも恐怖の影を落として。
そんな逢沢を守ってくれる樫本。
離れ離れになっても電話して声をきかせてくれて。
芸能界のことや仕事のこととかわからなくても、逢沢の頑張りをたたえてくれて、励ましてくれて。
声で守る。樫本とどんなに会えなくても電話で声を聞くだけで逢沢は頑張れる。
逢沢は樫本を好きで好きでたまらないけど、絶対に気持ちを知られてはいけない。この関係を続けたいから必死で隠して。
逢沢が頑張ってると樫本も頑張れる。
樫本には逢沢が最初から輝いて見えて。いつもスポットライトに照らされてるように逢沢だけが光っていて。
もう樫本、それ逢沢のこと好きだよね?ただ友達で芸能人で男でってことで自覚が遅れちゃって。
もう逢沢の片想いが切なくて泣けて仕方ありませんでした。しかももういつまでもこのままじゃいられないって。
いつのまにか樫本も気持ちを自覚していつか越える一線があったんでしょうね。電話してこい、寂しい、迷惑じゃないって。
そこへストーカーやマネージャーの独占欲がエスカレートして…。
お互い張り裂けそうな切なさ、フワフワ浮き上がるような幸福感、みんな相手が教えてくれて。
良かったよ〜(泣)
エッチシーンは短かったけど、意外と樫本が具体的に考えていたんだなあと、ウフっとなりました。
片想いと、必死で途切れないように繋ぐ糸と、相手を思う気持ちと、3650日と。
何度も切なさに止まりましたが読めて良かったです。
余韻にフワフワしてます。
高校の同級生二人の、10年に渡る交流と恋心を描かれたお話でした。
10年間のお話なので、ゆっくりと進んでいくのですが
二人の気持ちや環境の変化、お互いのことを信頼して大切に思っているという事が、丁寧でわかりやすかったなと思いました。
逢沢(受)は、モデルや俳優をしている芸能人です。
過去のトラウマや自分に自信が持てない性格で、キラキラ系ではなく、腰の低い穏やかなタイプ。
芸能界でのお話がメインではないので、あまり芸能界設定が得意でない方でも抵抗なく読めるのではないかな、と思います。
たまに心の声で、「好き」が出てしまっていて可愛いかったです。
樫本(攻)は、真面目で表情があまり変わらない無口なタイプ。あまり言葉には出さないけど、包容力のある人です。そしてお料理もできます。
個人的にめちゃくちゃ好きなタイプの攻め様で、言動や挿絵にいたるまでずっと萌えて最高でした。
表紙で、買い物袋らしきものを提げてるのも素敵です。
トラウマのこと等シリアスな面もあるんですが、ゆったりと穏やかな二人の関係がとても良かったです。
焦れったい両片想い。
王道のキャラに王道のストーリーでしたが、とても良かった。
視点は攻め受け交互で心情はわかりやすく、でも受けの春翔視点のほうが多めなんですよね。
だから春翔に肩入れして読み進めるのですが、まぁ、武骨な攻め樫本が格好良い。
どんどん惹かれるの、わかりますもん。
10年間、とくに高校生時は毎日の電話だけが二人を繋ぐ細い関係性。
春翔は、自分だけが相手を思っているのではないかという不安を抱きながらも、毎日の樫本の声に励まされて、離れた地で強くなろうとする。
離れても好き。
樫本の存在が自分を支えているんだ、という春翔の切ない恋心。
あーなんかもう、思い出しただけでまた泣きそう。
春翔に思いっきり寄り添っちゃってますからね。
幼少時の卑劣な事件とか、ストーカー野郎とかの不気味な影の部分もあり、二人の恋の進展とともに、気になって気になって、一気に読んでしまいました。
読み終わってみれば、攻めは包容力のあるスパダリで、受けはケナゲな美人さん、という王道カップルでした。
いいよね、王道。満足。
こういうお話、読みたかったんだーが全部詰まっていました。大満足。