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表題作ふたり暮らしハピネス

高瀬敦雪,高校1年生,15歳→大学生,20歳
折原安里,高校3年生,17歳→イラストレーター兼漫画家,22歳

その他の収録作品

  • 恋人暮らしダイアリー
  • あとがき

あらすじ

イラストレーターの安里は亡き祖母の遺してくれた大切な家で、かけがえのない友人で頼れる年下の同居人・キヨと三年間いっしょに暮らしていたけれど……? スウィート・トライアル・ラブ

作品情報

作品名
ふたり暮らしハピネス
著者
間之あまの 
イラスト
八千代ハル 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525469
4

(47)

(16)

萌々

(21)

(7)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
187
評価数
47
平均
4 / 5
神率
34%

レビュー投稿数8

悪意があるから人は癒しを求める

 作家買いです。表紙とタイトルだけで甘々だろうと察知。甘々と多幸感を味わいたいなら間之あまの先生がうってつけです。

 実はこのお話を読み終えるのにかなりの時間を要しました。
 安里の無自覚な誘惑発言によってキヨが悶え苦しむ場面が数えきれないほどくり返されるのですが、私もキヨ同様悶え苦しみ、乱れた呼吸を整えてから読むのを再開してはまた悶えてのくり返しだったのです。
 だって、冒頭から付き合ってもいない二人が新婚夫婦以上にラブラブなやり取りを見せつけてくるんですよ。休憩を挟まないと体が持たないです。
 私は電子で購入しているので、職場でも昼休憩に背後を気にしながらBL小説を読んでいますが、あまりの甘さに机をバンバン叩きたい衝動に駆られたのは久々で抑圧するのが大変でした。もちろんマスクの下は思いっきりニヤけ顔です。
 でも不思議と「もうお腹いっぱい!」という気持ちにならないのが間之先生のすごいところです。

 きっと満場一致だと思うけど、この物語のMVPは安里の祖母ですよね。彼女の働きがなければ安里とキヨは恋愛どころか出会うことすらなかったでしょう。
 ゆくゆくは一人遺されてしまう安里の身を案じ、祖母は遺言書などの様々な手続きを生前に全て終わらせ、安里の未成年後見人を敏腕弁護士の冴香(キヨの母)に依頼していました。両親を突然失って悲しむ安里をそばで見てきたのも大きかったのかもしれないけれど、孫を一心に思う祖母の愛を感じてジーンとしました。祖母と孫または祖父と孫の組み合わせに弱いんです。
 八千代ハル先生の口絵を見た時に意外と切ないお話なのかなと思いましたが、回想を読んで、二人にとって重要な場面だったことを知り、とてもいい選択だなと思いました。
 祖母の死のショックで空虚だった安里がキヨの優しさに触れて感情を取り戻すところが本当に良くて、安里とキヨという二人の人物をより好きになった場面でもあるので、個人的に大好きです。
 高瀬親子がいなかったら安里はどうなっていたんだろう……と想像するとゾッとするくらい、祖母のおかげで安里はいい人たちに恵まれました。本当に良かった。

 鈍感な安里と慎重すぎるキヨの両片想いが続くのかと思いきや、同衾事件が起きてからお試しの恋人になったりと展開が早かったのも良かったです。
 安里はもはや天然というより小悪魔を通り越した悪魔ではないかと思うほど、ありとあらゆる言動でキヨを魅惑しているのがおもしろくて、さらに安里は見るからにだったけどキヨも経験がなかったことにすごく萌えました。性への好奇心が旺盛の十代で未経験なのに五年(特に同居からの二年)も安里の天然攻撃を喰らいながら一線を守り続けてきた彼の忍耐強さに拍手を送りたいです。
 お試しの恋人になってからは、むしろ安里の方が夜の面で進展できるように積極的になるのも萌えたし、萌音の存在でお互いに嫉妬というスパイスが加わって、夜の時間が長くなるところにもめちゃくちゃ萌えました。
 萌音の兄による嫌がらせ事件も、安里の天然が炸裂して最終的に友達になってしまうという脱力展開で解決しましたが、八千代先生のあの一コマがもう最高で、萌音兄は妹以上にいいスパイスになりそうだなとワクワクしてしまいました。
 それにしてもキヨは有能ですよね。高校の時から学業を完璧にこなしながら安里の世話を甲斐甲斐しく焼いて、その上オルトのSNS管理やマネージャー業までやってのけるなんて……何度でも拍手を送りたいです。
 無事に安里と大人の階段をのぼり安定の恋人関係(もはやただの夫婦だけど)を築き上げた彼はもう敏腕弁護士になって成功する道しか見えませんよね。スパダリ最終形態までのカウントダウンが聞こえてくるようです。でもオルトの方が高収入かな。とりあえず将来安泰なカップルであることは間違いないですね。

 あとは、オルトが描くニースを想像するだけで癒されたので、実際にニース絵日記やニースのグッズが出たら絶対に買っていたと思います。
 今回のお話と八千代先生の絵の相性がばっちりだったので、挿絵にニースが登場するのを今か今かと楽しみにしていましたが、本編に一度も出てこなくてかなりショックでした。
 が! 雑誌に掲載されていたらしいイラストが後日談後に収録してくれていて、そこにニースがいましたよ!
 すぐさま拡大しましたが、オルト作のニースや幼少期のキヨと本家ニースのツーショット写真まで描かれており、想像以上のかわいさでした。うさぎ好きの私にはたまらなくてとても癒されました。 

 本作は攻めのキヨが弁護士志望なこともあって、終活・誹謗中傷・著作権・LGBTといった現代における社会問題などを多少取り入れられており、今時の作品だなと感じました。 
 といっても、くどい描写ではなかったので、時代の潮流を感じさせられる作品が苦手な方でも、そこまで気にせずに楽しめると思います。       

3

糖度120%の可愛らしいお話。

作家買い。
間之さん作品は甘々で攻めさんの溺愛っぷりが半端ない、というイメージが個人的に強いのですが、今作品もそのイメージを損なうことのない糖度たっぷりのお話。さらにそこに八千代さんの描かれる可愛らしい挿絵がプラスされることで、もうとにかく可愛らしく甘く、そして温かなストーリーに仕上がっています。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





22歳の安里はイラストレーター兼漫画家。
昼夜逆転することも多く、集中して仕事をしていると寝食を忘れてしまう。
そんな安里をサポートしてくれるのが、一緒に暮らしている2歳年下の大学生のキヨ。弁護士の母親を持ち、そして自身も弁護士を目指しているという優秀さに加え、イケメンでしかも家事もパーフェクトにこなすという完璧男子だ。

彼らが一緒に住むことになったのは今から3年前。
5年前に安里の親代わりだった祖母を亡くしたときに、世話になったのがキヨの母親だった。身寄りのない安里を気遣って、キヨたちが手を差し伸べてくれたことがきっかけ。そして今はともに暮らす気心の知れた友人として同居している。

天然でちょっぴりおっちょこちょいの安里を、キヨがサポートしてくれる、そんな日々な彼らにとって幸せな日々だったが―。

序盤こそ祖母を亡くした安里が可哀想でしんみりとした気分で読み進めましたが、ベースとしては甘々です。終始ほのぼのとしています。安里という男の子がとにかく可愛いからでして。素直で、ドジっ子だけれど、そんなところも可愛い。キヨが安里を愛でまくる理由がよくわかる、そんな感じ。

で、ですね。
キヨは安里にベタ惚れなんだなー、というのは、もう初っ端から読者には筒抜けなんですね。なにくれとなく世話をし、食から何からサポートし続けるキヨという男の子の健気さにはきゅきゅーんと萌えが滾りました。

とあることをきっかけに身体の接触を持つに至る二人なのですが、キヨという男の子は弁護士を目指しているからでしょうか。それとも彼自身の気質かな?これ幸いと安里を頂いてしまうということはしません。すべては安里の思いのまま。安里の意向を無視した行為には決して及びません。スパダリでありながらこの健気さ。素晴らしいです。

挿入までは時間がかかりますが、それに至るまでの二人のイチャコラがなんて言うんですかね。エロいのですよ。安里が痛くないように。安里の意に反することはしたくない。そんなキヨの健気さが際立ちつつも、あんなところを舐めてみたり指を入れてみたり。甘々の中にぶっこまれたこのエロさはヤバいくらい可愛いです。

終始甘々で、早々に身体の触りっこに至る二人なのですが、途中安里がピンチに見舞われます。が、スーパーダーリン・キヨがいますから。終始守られている感が半端ないんです。

ということで丸々1冊が糖度120%、ほのぼのほっこり。
途中不穏な空気感が漂いますが、それも丸く収まります。

甘々なのですが、もうお腹いっぱい、という気分にはなりません。

それは、安里、キヨともにナイスガイだから。
二人とも優しいんです。人としての器が大きいっていうのかな。
なので甘々でありながら、終始二人を応援したくなる、そんな感じ。

間之さんらしい、可愛らしくほのぼのなお話で、多くの腐姐さまたちの萌えを呼びそうな、そんな1冊でした。

9

甘々ほぼ二人の世界

表紙からして八千代さんのイラストが超可愛いですね!

フワフワ宇宙人受けの自覚待ち年下スパダリ長期戦攻め、ですかね。受けの安里が可愛い罪ですね!

ほぼ二人の世界で甘々で。人付き合いが苦手な安里と、安里をひたすら甘やかす2歳下のキヨ。 

二人ともとってもいいキャラなんですが、キヨが弁護士志望なところが活かされてましたね。

ほぼ恋人なのに安里の自覚を待つキヨ。大事ですよね。特に安里はキヨに絶大な信頼を置いていて、流されてるのか心配するキヨの男の矜持。あるいは同意を得ない行為は駄目なのか。

キヨの友達が家に来たりしたあたりから、不穏な予感がありましたが…。
そう来て弁護士志望なキヨならではの対処法で。
そこにきての宇宙人安里の反応が!一気に和みますね。

キヨへの気持ちを自覚した安里のどれくらい好きか表す台詞!斜め上なような的確なような(笑)

ここまでよく頑張ったね、キヨ。
5年前に出会い3年同居して。まさか進展のきっかけが寝ぼけて暴走しちゃったら急展開なんだもの。

先に死んでも安里を一人にしないなんて安心ですね。

短編の「恋人暮らしダイアリー」はキヨ視点ですね。
昼間は妖精ベッドでは…な安里のギャップがたまらなさそうで。
寝起きもお出かけも何もかもキヨに心を許して身を任せて安里が可愛くて愛しくてたまらないキヨ。

初デートに楽しみすぎて眠れなかった安里。
でも疲れて観覧車で大事なジンクスを実現できない…?と思ったら!グッジョブですね、キヨ。

その晩は安里が張り切っちゃって。
二人ともお互いが初めてなのに、キヨのイメトレの成果か色々スムーズですよね。
一緒に大人になった感もいいです。

8

同棲未満なほのぼの同居生活

今回は同居中の弁護士を目指す大学生と
イラストレーター兼漫画家のお話です。 

受様が攻様とお試しのお付き合いをへて恋人になるまでと
初デートを描いた続編を収録。

受様は小2の時に両親を事故で亡くし
母方の祖母に引き取られて育ちますが
その祖母も高3で亡くします。

祖母には心臓に持病があったため
自分の亡くなった後の準備も万全で
知合いの弁護士に遺言書を預け、
受様の未成年後見人を依頼していました。

祖母の弁護士はバリバリと働きながら
1人息子を育てるシングルマザーです
彼女の息子が今回の攻様になります♪

受様が攻様と初めて会ったのは葬儀の時でしたが
祖母宅で1人暮らしを始めた受様を心配して
受様は母子家庭育ちで家事スキルの高かった攻様に
助けられながら家事を覚えていきます。

受様はイラストやデザインの仕事に携わりたいと
専門学校への進学を考えていました。

そんな受様のイラストを見た攻様の薦めで
SNSでイラスト投稿をはじめたところ
イラスト依頼の仕事が舞い込みます。

細々と地味に活躍していた受様でしたが
うさぎのニースのイラストシリーズが書籍化され
プロとして活躍の幅を広げていきますが

SNSでのアンチもわき出すと
攻様はSNSの管理を請け負ってくれ
受様のマネージャーメントをサポートしてくれます。

受様は攻様のタダ働きさせていると気にやむと
攻様は「受様宅から大学に通わせて欲しい」と
高校卒業してすぐに同居生活を始めるのです。

出会って5年、同居して3年、
一緒に暮らすリズムもできて、
このままずっと攻様といられたらいいな
と思うくらい受様の毎日は幸せです。

ところがあるきっかけで
攻様に「恋愛的に好きだ」と告白されるのです。

俺のこと嫌じゃないなら
お試しで恋人としてつきあってみない?

雑誌に上下編として掲載されたのタイトル作に
続編を書き下ろしての文庫化で
受様に片想い中の攻様と無自覚天然系受様の
ふんわりラブコメディです♪

連作中から受様の可愛らしさに
攻様同様、ノックアウトされていたので
書き下ろし続編が付く文庫化を楽しみにしていましたが
期待通りのとっても楽しいお話でした。

お話は2人が同居してから3年目の
ある日から始まるのですが
読者にはどう見てもラブラブ同棲カプの
日常にしか見えない日々なのですよ o(>_<)o

2人の出会い、受様が仕事を始めたきっかけ、
攻様の大学生活と過去と今が語られていくのですが

それらの中で受様が徐々に
攻様に対しての想いを自覚していく様子と
受様のイラスト盗作事件の伏線がうまく絡まっていて

事件解決と2人がちゃんと恋人になるまで
ドキドキ&ハラハラ、楽しく読ませて頂きました♪

続編は遊園地デートのお話なのですが
間之先生の既刊「ランチの王子様」の攻様と甥っ子が
客演していて思いがけないコラボにニマッ (^m^)

協力書店ペーパーが続編の後日談になっていて
2カプの絡みとなりますので
今回は特にフェア店での購入をお勧めです!!

7

甘〜いwww

カバーイラストそのままの甘い作品でした。

執着年下攻大好きなので、作中でキヨ(敦雪)が思わず口から出してしまう、本音やうめきに何度もニヤついてしまいました。

しかも安里がド天然な上にエロ可愛いなんて、昼の清純な面と夜の快楽に弱い一面がとても魅力的なんです。

すでに同居(同棲)してる二人の日常が、甘々でほのぼのと進んで行くのに、とても癒される作品でした。

キヨが年下なのと彼の性格から、丁寧な言葉使いにも萌えまくりです。

事件はありましたが悪い人は誰も登場しません。当て馬らしきキヨの後輩女性も恋愛のスパイス程度でした。

攻のキヨが安里に出会った当時から、安里一筋だったのですれ違いも無ければ、キヨの丁寧な説明により誤解も皆無でした。

個人的にはもっと切なさが欲しかったので萌2になります。

書き下ろしのキヨ視点「恋人暮らしダイアリー」では、赤裸々にキヨの心情が語られていて彼がどんなに安里に夢中なのかが分かってホッコリしました。作中に何度も「可愛い」と出て来る度にやはりニヤニヤしてしまいました。
そしてここで大好きな「ランチの王子様」の二人と甥っ子がチラッと登場してて、更にニヤついてしまいました。

5

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