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遠野春日先生の、どこか静かで美しい文章がとても好きです。
キャラ文庫さんのフェアで購入したこちら。
レビューや評価を拝見し、「神」評価がちょっと少ないな、
どうしようかな…と購入を迷っていたのですが...
自分にはドンピシャ!の物語でした。えいやっ!とお迎えを決意して良かった...
切なさとミステリー、そして個人的最大の萌えツボである
年上スパダリの甘やかしを、存分に味わえます。
27歳にして由緒正しい旧家の当主で、
小説家である楡崎(にれざき・受け)。
そんな彼のもとに、ルーツを辿る”というテレビ番組の
出演依頼が届くも、興味のなかった楡崎はお断りすることに。
ところが、番組プロデューサーの椋梨(むくなし・攻め)から
送られてきた資料を眺め、イギリス人の高祖母の写真を手にした時、
突然19世紀のロンドンへとタイムスリップしてしまいー
と始まる物語です。
やーーーあらすじには”ケネス”と書いてあったため、
てっきりイギリス紳士との恋愛ものかと思っており、
読んでみてビックリ!
楡崎と椋梨を結びつけた、19世紀英国での、叶わなかった一つの恋。
二人の不思議な繋がりが紐解かれてゆく過程が
ミステリー好きの心を刺激し、ワクワクさせてくれました。
終始丁寧な口調だった椋梨が、良い雰囲気になった時に
見せたギャップ。
あの場面で急にためぐちであんなこと言われたら、
恋の沼にズブズブに落ちていくしかない...//
(決して甘い言葉ではないのですが、椋梨の箍(たが)が外れたことが
伝わるシーンでグッときました)
19世紀ロンドンの汽車の車内や街の雰囲気、
屋敷の外観や内部など、遠野先生によって紡がれる描写が
どれも脳内にさあっと景色を広げてくれて、
自分も楡崎と共に旅行し、現地をこの目で見ている気分に。
素敵な読書時間となりました・:*+.
後半の書き下ろし部分は、同窓生の突然の訃報と、
それを探りに再び、今度は30年前の日本へとタイムスリップするお話。
こちらのお話で判明する真実は、救いのない辛いものだったな...
誰が悪いというものでもなく、ただただ
「出会わなければ良かった」のに...と思わざるを得ない悲しい事件の結末に、
胸が痛みました。
もしも楡崎ひとりでタイムスリップしていたら、
とても抱えきれない真実だったのではないかな。
はからずも椋梨も後から追いかける形でトリップする形となり、
共に秘密を抱えることができて良かったんだろうな、、と思います。
目立った大きな盛り上がり、というものは
ちょっと薄いかもしれませんが、静謐な雰囲気に
ミドリノエバ先生のイラストが最高にマッチしていて、
没頭して読むことのできる物語でした。
楡崎の作家としての3作目は、どんな物語になったのかな。
2度のタイムスリップという経験を経て、
感じ方や考え方が変わったー
と自ら語る彼の新作、覗き見してみたいです☺︎
読み終えてみて、やっぱり遠野先生の文章と作品が
大好きだなあ…と思える、素敵な一冊でした。
こういう映画、どこかで観た記憶があるなぁ…なんだったっけ?と読みながら思ってましたが、「ある日どこかで」ですね。
先祖にまつわる「写真」をきっかけにタイムスリップしてしまう。
タイムスリップした先が19世紀末のロンドンで、自分のご先祖様に関わる男女のロマンスを調べるのだけど、昔の映画のような優雅な雰囲気に満ちていて良かったです。
身分違いのせいで恋を成就させられなかったロイドとアンの魂が、末裔である椋梨と晶を過去に導いたんだろうけど、成就しなかったのが「男女カプ」というところが新鮮だった。
BLのタイムスリップ・生まれ変わり(この話は生まれ変わりではありません)系の話で、過去、成就できなかったカプは男男同士ゆえ……みたいなものしか読んでこなかったので。
まぁBLなのでアン(晶の高祖母)が白羽の矢を立てたのは、男の晶なんだけど、楡崎家にはそれまで女性は誕生しなかったのか?なんであえて男を指名する?と思ってしまいました……。
それにしても、簡単にタイムスリップできてしまうもんだなぁ……と思いました。
もし、私がこういう能力持ちだったら、怖くて博物館とか美術館とか史跡とかいけないなぁ…。
タイムスリップして祖先の隠されたロマンスを知り、自分も愛しい人に出会う。夢があってロマンチックでした。夢を見失いかけていた楡崎が、希望を見出して前向きになっていくのも良かったです。
タイムスリップしても落ち着いている楡崎が頼もしく、ケネスとの出会いにドキドキ。アンとロイドの秘めた恋は切なかったけど、真相を知れて良かったです。途中ケネスとの別れは悲しかったけど、まさかの再会にときめきました。アンとロイドがキューピッドになってくれたのかな。
続百五十年ロマンスも真相は悲しかったけど、供養になったかもなぁと。最後にアンティークの時計が椋梨の手に戻った所は、その巡り合わせや楡崎の想いに感動、印象的でした。
椋梨と楡崎のcpが、大人だけど可愛くてお互いにベタ惚れで読んでて幸せでした✧*。
作家とプロデューサーの二人がタイムスリップしながらちょっとした謎を解きながら愛を深める…というようなお話。
が、私には入り込みにくく、なんで二人が結ばれたのかの意味づけがうまく出来ず、ちょっと消化不良。さらに、謎?疑問!を解決するというところもちょっと浅い感じでもの足りませんでした。
タイムスリップ自体、現実味が無いので仕方ないんですが、どう惹かれあったのかが読めなかったのが一番かも。
エロに関しては控えめというのは、ストーリーに合っているので良いんですが、全てがそつなく進んでしまったように思えます。
残念…
