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表題作壮太と私

隈野大誠、壮太と同じ会社の後輩、25歳
榛原壮太、ディベロッパー、27歳

同時収録作品《番外編》ハッピーハッピーバースデー

隈野大誠
榛原壮太

あらすじ

猫のあずきは十七年前、小学生だった壮太に公園で拾われ、以来ずっと一緒に暮らしている。そんな壮太ももう二十七歳の会社員。あずきだけが唯一心を許せる『女』…と言って憚らない。でも、あずきがちょっと心配なのは、ゲイである壮太が頻繁に男を部屋に連れ込んでは関係を持っていること。そして壮太がそんなふうになった原因が、高校時代、幼馴染みであった同級生、剛と激しい恋に落ちて失恋した過去にあること。十年以上経った今でも壮太がこの恋を引きずっているのを、間近で見てきたあずきは知っていて常に心を痛めていた。ある晩、壮太はひどく酔っぱらって会社の後輩、大誠に家まで送ってもらう。驚いたことに大誠は猫と会話ができる男だった。笑顔が温かく頼りがいのあるクマさんみたいな大誠――理由をつけては足しげく壮太の部屋を訪れる彼は、密かに壮太に思いを寄せていて…。

作品情報

作品名
壮太と私
著者
谷崎トルク 
イラスト
hato 
媒体
小説
出版社
シーラボ
レーベル
ラルーナ文庫オリジナル
電子発売日
3.4

(7)

(0)

萌々

(5)

(0)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
22
評価数
7
平均
3.4 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

猫〜!

hatoさんが表紙イラストだったので購入してみました。谷崎トルクさんは初めて拝読。

本作は猫視点で語られます。語り手が攻めや受けになるタイプのファンタジーではありません。動物の目を通して描写される体裁なので、雰囲気的には優しいテイストで和みます。

あらすじに細かく流れが記載されているので触れませんが、語り手・あずき姐さんの、主人公への愛が大きくて深くて…、時々泣きながら読みました。

強烈な初恋の幻影に惑わされて時間をやり過ごし、初めて恋した相手の面影ばかりを追っていた壮太。全く違うタイプからのアプローチには目もくれなかったのですが——

ノンケだけれど一途なクマ系男は不思議な能力を持つ大の猫好き。壮太'sヒストリーを熟知しているあずき姐さんを味方に、ひたすら思いを伝えていきます。頑張れ、クマ!

壮太は心は一途、体は割り切り発散タイプ。あずき姐さんによると雌猫ちゃんらしい笑。でも雌猫ちゃん、エチの時にほとんど喘がなかったな…。読み返すと喘いでいないわけでもないんですけど、、なぜだか妙に引っかかる印象的な濡れ場でした笑

個人的にはスマートで悪そうな豹の存在も気になっています。彼はどうしているのかな?

134ページと少な目ですが、読み応えがあると思いました。最後に収録されている番外編SS内容が本編の続きなので、兼ね合いがいいのかも。

SS「ハッピーハッピーバースデー」では幸せ感を共有できて、読後の余韻がとってもよかったです。あずき姐さんの身に何かあったら…とビクビクしつつ、微笑ましくて平和なエンディングだったのでホッとしました。

3

 世話好き姐猫視点のBL物語

意外と面白かった
最初から終わりまで、ずっと「吾輩は猫である」風の猫視点。
猫視点BL?
・・つまらなそうだ、と思ったけど、BLでは珍しいスタイル。
興味が沸いて、試し読みを読んだら、案外面白かったので、電子版を講読。
著者の深い猫愛を感じる作品。

17年前公園で拾われたあずきは、ひたすら壮太を愛する主人思いのメス猫。

幼馴染の剛に酷い扱いを受けてから、ろくでもない男ばかり連れ込む壮太。
「さっきの男は やめなさい」
壮太に呼びかけても、壮太には通じない猫語。

或る日、壮太を送ってきた会社の後輩、大誠は、猫と会話できる男。
熊のような見てくれの大誠は、心優しい漢。

・・・てっきり、幼馴染の剛と復縁するのかと思ったら、そうじゃなかった。
猫視点で認めた「良い漢」をアズキが壮太に取り持つ。

猫語に飽きた頃に、事件を盛り込んで中ダレを締め直すあたり、谷崎先生は上手い。

番外編で、もう一匹仔猫が増える、アズキと豆大福
・・十七年前拾われたアズキは長寿で利口。


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