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前略はトジツキハジメ先生の作品で一番好きかも知れない。
BLってファンタジーなんです!
27歳の男が毎日、高校生からラブレターなんてBLだけでしかあり得ない位のファンタジーですよね。
健全なお付き合いって感じで初々しいです。
そして、現れる双子の弟!お兄ちゃん愛されてんなー
ガンバだよ!北沢くん!
そして、生徒と先生のお話。エロ過ぎます!先生、エロいです。
そして、そして、ピアノを弾く兄弟のお話。
お兄ちゃんの乳首が美味しそうです。(笑)
今まで読んだトジツキさんの単行本の中では、表題作のシリーズが一番好きだったりします。
手紙、年下で寡黙で大人びた攻め(しかもカッコイイ)、おぼこな年上の受け、急がずにゆっくりと進む恋愛というのが私のツボにハマりました。
しかもカッコイイ攻めの(多分)一目ぼれっていうのがねぇ~手紙を受け取るのを断られても何度も渡しに行くその心情を思うと、もうキュンキュンしました。
年下なのに、恋愛ではリードしていて、焦らず受けの気持ちが傾くまで待つ、というのにも好感持てます。
表題作以外の2作は更に暗いですが、こういう暗さは私は好きです(自分には起こって欲しくないですけれど、もちろん)。
心理的な怖さがあるのは、ちょっとミステリーを読んでる感じでした。
『前略』
『早々』
『追伸』
表題作。
この作品だけなら中立評価でした。
この冒頭は、イケメンなら一途と言われるけど、不細工ならストーカーだ。
個人的にこれがダメでした。
こういうストカにあった経験があるもんで、萌えるとか萌えないとか以前に、素で怖いし気持ち悪くなっちゃう。
まず仲良くなる努力して、親しくなってから告白でしょ、って思っちゃう。
ぼーっと待たれるの、怖いですよ。
攻めが受けを好きになった理由、作中できっちり描いてほしかったなとも思いました。
『暗夜行』
こちらもストーカーな求愛だったんですが、表題作とは違ってへいきでしたw
理由はダークな作品だったから。受けも攻めもねじれまくってて病んでるのだ。『前略』は甘くて爽やかなストーリーだったから苦手だったんだよね。ここまでドロドロにしてくれたら、好きになった理由を描写してなくても気にならないし、ストカ行為もどーんと来いって思えます。
むしろ背景を描写しないことが効果的。これによっておどろおどろしさが増していると思いました。
『夜の休止符』
謹慎相姦なお話なんですが、この作品が一番好きでした。
苦手な方はとことん苦手だろうなと思います。
最初はイイ子の塊であるかのように見えた弟くん、実は完全に頭がイッちゃってます。
ジワリジワリと明らかになっていく弟くんのイカレっぷりにゾクゾクさせられました。
兄ちゃんがんがれ。
「前略」「草々」「追伸」
便箋に一言、「好きです」。今の時代にメールではなくあえて手紙な事態でキュンとします。
この話はメールと手紙の違いである「時間」がうまく生かしてるなぁと思います。
メールの返事がこない…手紙は届いたかな…。ドキドキしますよね。
ストーリーは大きな展開もなく地味に進んでいきます。
でも、その地味に二人の関係が確実に変化。やりとりが可愛らしい!萌えまくります。
ただ、なんで高校生・北沢君は郵便局員・八角さんが好きなの?理由づけが弱すぎる気がします。
「暗夜行」
暗くてエロい。こういう救いのない話は好きです。
なぜかいつも気づけばそばにいる物理教師の樋口。
廃屋に連れ込んで犯しちゃいます。その後も関係は続いて…。
ただ、これも理由が弱い。そこまでしてくれるなら何かしらあると思うんですけど…。なぜ先生はストーカーに?
「夜の終止符」
兄は、才能ある弟を大切に思いながらも嫉妬。
弟は、兄に対する狂気じみた愛と執着。
実の兄弟もの。結局、弟を拒みきれずに受け入れてしまうお兄ちゃん。
弟のこの盲目的な愛し方が、普段の無邪気さと際立ってアンバランスさを出している。
好きだから、あの人を見ていたい。
好きだから、少しでも一緒にいたい。
きっと、この本の3CPに共通しているのはこの強い気持ち。
そんな当たり前の気持ちも、
時間を経て穏やかな愛に変わっていったり、
どんどんと強まることで歪んでいったり。
単に人によると言っていいものか、
置かれた環境のせいにしていいものか、
分かれ道になるのは一体なんなんだろう…
そんなことを考えながら読んだ1冊でした。
(個人的には、
相手のことを想って、自分の「好きだから…したい」という欲求を、
セーブする努力をするか放棄するか…なのかな?と思いました)
一番印象的だったのは「暗夜行」
(攻めのナニがデカくてとか、受けの格好がエロくてとかだけじゃなくてーw)
一生続いてほしい、ついてきてほしい…
要はきっと絶対的な安心感が欲しいということなのだと思うのだけど、
それを求めたくなるのは、きっと皆同じ。
本質は当たり前のことで普通のこと、表し方が極端だけど、それが若さでもあるのかも。
その若い高校生の攻めの、
欲求が、縋りたい気持ちが、本から迫ってくる感じがとてもいい…
でも、
作者のあとがきを見て…ん~~そうかーー心中かーー
年上で教師でありながら、
まだ高校生の攻め相手に広い世界を提示して導くのではなく、
一緒に死ぬことしかできないなら、そんなのバカだよ!と、個人的には思ってしまった…
「年下攻め」は好きですが、
主導権はなくとも年上には、年下を上手に導いたり包んだりしてあげてほしい…
わたしはそう思っているんだなと、自分の好みを改めて感じつつ、
萌えたりガッカリしたりしながらこの本を読みました…。