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ほのぼのするお話だった。犬と会話するファンタジー。傷付いた主人を想う飼い犬が、主人公に助けを求める救済もの。三匹の犬の可愛さがとても良かった。
ひかるは犬を助けるために事故に遭ったことがきっかけで、犬と話せるようになった動物看護師。二匹の犬を連れて病院に通う小田切に片思い中。クセのない性格で、ふわふわした良い子な印象だった。
小田切は思わせぶりな発言を振りまきながら、肝心なことは言わないちょっとめんどくさそうなキャラ。ひかるが男と会っているところを見ただけで引きこもるメンタルにびっくり。見た目と雰囲気の良さで許される感じなのかな。
元彼に騙されてから無気力に生きる小田切は、それでも犬の世話だけはきっちりやっていた。だからこそ犬たちがご主人様のために、と奮闘する姿が良い。ケンカ中の二人を仲直りさせる策を練る、三匹会議のシーンがとても好き。
ラストは犬の天国からの伝言を伝えて――と、全体的に絵本のような内容で、ほっこりする読後感。
でもなにより犬の名前がベッカムとロナウドなのが最も強く印象に残っている、不思議な作品。
動物看護師の主人公が、犬を助けるために一度死後の世界に行き、そのあと犬と話せる不思議な力を授かって……というファンタジーなお話です。
主人公のひかるくん(受け)は、動物病院の常連の小田切さん(攻め)に片思いをしています。
ひかるくんは小田切さんの犬を助けようとして、一度死にかけて、そのあと犬と話せる力を授かります。
その後、ひかるくんは小田切さんの家で同居を始めます。
重要なキャラは二人がそれぞれ飼っている3匹の犬(ひかるくんには彼らの言葉がわかる)です。
それぞれ個性あふれる性格をしています。
ひかるくんは健気で優しい子です。
対する小田切さんがとにかく面倒な性格をしています。
料理は得意のようですが、生活能力はないし、嫉妬深いし、気難しいし。
過去に辛い経験をしていたからではありますが、あれは元々の性格もありそう。
とりあえず、スパダリとは程遠いなと思いました。
面倒な性格の人はそれなりにいるので、それはいいんですが。
中盤、とある場面で、犬たちがひかるくんに飛びかかります(普通に見たら、犬がじゃれている図)。その時に、彼が怒りに任せて飼い犬に放ったひとことが本当に無理でした。
むやみやたらに犬が人に飛びつくのは良くないので(犬の方は犬の方で、そうするのにはちゃんと理由があったのですが)、それはちゃんと言い聞かせなければいけませんが、犬のために怒っているようには到底見えず、(この人、犬を飼う資格ないわ……)と思ってしまいました。
犬に裏切られたって言っていましたが、大概の犬の問題行動(今回の例では正確には問題行動ではありませんが)は飼い主の責任です。
ちなみに、その時に彼が何故イライラしていたかというと、ひかるくんが他の男(ただの幼馴染)と仲良くしていたというただの嫉妬……。
要するに、両片思いだったわけなんですが。
この段階ではまだ付き合っていないんですが、そんなに好きだったら、さっさと告白してあげなよ!としか思えなかった。
それまではほのぼのな感じで読み進めていたのですが、この人なんかちょっと……って思ってしまい、そのあとテンションが下がってしまいました。
一応面倒な性格という自覚はあるようなので、なんだかんだしっかり者のひかるくん(だいぶ年下だけど)の尻に敷かれるといいよ!そういう意味ではお似合いの二人であるかもしれない。
上記のことがなかったら、もっといい読後感だったのに、本当に残念です……。