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恐ろしく壮大なストーリーでした。圧巻です!
どんな言葉で形容したら良いのでしょうか。私の語彙力ではうまく説明できるのか分からないけど、完結巻をもってしても安堵出来ない怒涛の展開に、気持ちが追いついていきません。
そして濃厚で重厚。練りに練られた物語のディテールには感嘆のため息しか出ません。
再逢編の終わりは、2人にとって明るい未来を予感させるような希望に満ちたものでした。その続きに期待しての…完結編。どうしたっていい事しか起こらないだろうと予想していたのに、そう簡単にはいかなくて……それはある意味衝撃でした。この物語は完結編であっても、それに甘んじることなく、発展途上であるかのようにこれでもかと見せ場を作ってくる。最後の最後まで落ち着かないです。
昇華編での大きな見せ場は、聖堂院(魔族)との戦い。アルシェラタン国の存亡をかけた総決戦です。
この戦いの顛末がとてつもない。本当にBLか?と疑問を抱くほどの描写です。とにかく設定が細かくて、戦いにどっぷりです。どのシーンも疎かにしておらず、そこもあそこもこんなところも拾い尽くしているので、頭の中に描く画がアニメみたいに頭に浮かび、クリアになっていく感覚です。
とにかく情報量がものすごい。
この作品で思ったのは、ファンタジーなのに、時にファンタジーとしての期待をさせてくれないこと。崩落事件にしても、魔族との戦いにしても、仲間の死や大きな怪我に向き合うシーンがあります。ファンタジーなら、良かった〜無傷だ〜みたいなことだってできるのに、どんな形で死を迎えただとか、敵の襲撃でどんな傷を負ったのかとか、結構リアルに描いています。凄惨な状況に喉の奥がヒュッとなりました。
読むのがツラいです。悲しいです。涙も鼻水も出ました。
でも読むのが嫌だとは思いませんでした。むしろ、場面の説得力が増してグッと引きつけられました。圧倒的な情景描写からは目を背けられなかったです。
シリアスパートのことばかり言及してしまったけど、完結巻であればこそのBLがたくさんあったのは嬉しい見どころですね。やっと2人の甘いシーンを拝めて私も昇天しそうでした。エネルギーを与え合うためのキスシーンが、ご褒美かってくらい多いです。
これまでBL部分は、2人に距離があってすれ違いばかりでした。本当の意味での「運命の片翼」になり得たルルとクラウスの姿を見届けられたことが最大の幸せです。それに至るまでには多くの困難があったからこそ思いもひとしおです。
すんなりと思うように事が運ばないもどかしさは確かにありました。特にルルの心の葛藤や焦り、不安やモヤモヤ感みたいなところは、読んでいてハラハラします。けど、それもリアル描写の1つとして受け入れて読んで欲しいと思います。
3巻に渡っての壮大な物語。ついに終わってしまいました。終わりだけど、2人にとってはこれからが始まり。その先を読んでみたかったなぁ〜と思っていたら、あとがきに雑誌で後日談が掲載されると言うではありませんか。…めっちゃ読みたい。
今まで雑誌を購入したことはないですが、買ってみようかなと思う嬉しいニュースでした♪
再逢編から早かったですね!
さてさて、クラウスによって救われ、それ以上に傷つけられてきたルルがようやく自身の想いに覚悟を決めたかな?と、わりと軽い気持ちで読み出しましたが‥
崩落現場は凄惨なもので、軽い気持ちなど一気に吹き飛び物語に没入していました。
必死で皆を助けようとするルルがまた倒れるのではとハラハラしました。
救えなかった命に、自分の行動にも原因があったと悔やみクラウスに謝罪を繰り返すルル。
そうすることで、クラウスの気持ちがわかるようになり、ようやく二人は結ばれます。
待ちに待った初夜、素敵でした‥
でも、翼神は復活しない。
期待していたものが得られないまま戦がすぐそこまで迫っている緊迫感からの、戦闘。
この辺りはもう百戦錬磨といいますか、六青先生の作品ならではの手に汗握る戦いの描写で、ルルたちの勝利を願いつつも不安は拭えずドキドキしながら読みました。ルルを苦しめた張本人達も出てきます。
そこから、ルルがクラウスを、またクラウスがルルを護るために自身を犠牲にした結果としての浮島での物語で、やっと一息つけました…
そこからは、ほぼ安心して読めます。
少し不穏な感じもありますが、最後のルルの心配といいますか、力を失ってもなおクラウスは自分を求めてくれるだろうか?という不安にも答えがでます。
前作まではクラウスめ〜と思いつつ読んでいました。
が、今作の完結巻が怒涛の展開過ぎて、ひたすらルルとクラウスを応援することに精一杯になってしまっていました…一気に読んでしまう程面白かったです。
やはり六青先生の作品は不憫過ぎる不憫からのこの充足感がクセになります。
最後まで本当に楽しめました。
後日談が気になります!
一巻攻めが余りに余りで血管切れそうな位腹がたちましたが二巻の驚きの展開で三巻もかなりびっくりな展開でした
先生らしく簡単にはいかない感情や事象、不条理がこれでもかと言うくらいしっかり描かれています
障壁を超え成長するキャラクター達を見守るには読者的にもかなりハードでしたが二人のたどり着いた場所まで共に辿り着けて胸いっぱいになりました
今回やっと二人は初夜を迎えますがここですまないのも流石でした
体が結ばれたからと言って心から本当の意味で対等に結ばれる訳ではないとでも言うように二人降りかかる試練がこの世界への試練でもあるなんて…先生のドS心が素晴らしいです
二人が伝説の存在になっても戦いは終わらないというエンディングにも痺れました
共通するのは二人は結ばれて幸せになりましたとさ、なんて御伽噺ではない事でしょう
その点がもやる方もいるかもしれませんが…
彼らが生きる世界のある特別な時代を切り取ったような描き方で
彼らの生をより鮮やかに感じた気がして読み終わってそんな意味でも胸が熱くなりました
六青先生と稲荷家先生のタッグは素敵ですね
圧倒的な美しさの中に寂しさ儚さがあってより物事を盛り上げてくださります
おっきくなった毛玉とクラウスの挿絵が可愛すぎて悶えました
番外編が出るとのこと
楽しみにしています
この巻で、完結でしょうか?
さらに続きを読みたいと思うような、未完の余韻ある終わり。
・・と思ったら、番外編がこの後出るそうです。
落盤した坑道で、怪我をして横たわるクラウス。
クラウスを守ろうとした人達が何人も死亡する。
小鳥になってクラウスを探し出すルル。
読んで、もっと息苦しくなる場面が続いて起きる。
ルルとクラウスは、真の伴侶となったのに、片翼のまま。
どうして完全体になれないのかと、ルルは悶々と悩む。
「ルルをよこせ」と魔同士が伝えに来る。
断った後、絶対にないはずの湖に、影のように突然現れる敵襲。
あっという間に、窮地に陥るクラウスの国。
もうダメなんじゃないかと思うギリギリで、どんでん返しがありました。
心臓に悪い展開だった。
頁数の兼ね合いなのか、駆け足で過ぎてあっという間の〆。
後書にあるように、
クラウスは、悩みを抱えやすい、騙されやすい、万能ではないキャラ設定。
人間臭いクラウスが、このシリーズの面白さを上げていると思う。
番外編の続編が楽しみ。
初めて読んだ六青みつみ先生の作品は「輪廻の花 ~300年の片恋~」で、次に読んだのが「偽りの王子と黒鋼の騎士」だったので間が暫く飛んでました。
そして今回の「鳴けない小鳥と贖いの王」シリーズだったのですが、基本的には先生の作品の奥底に流れるものは一貫してると思います。
なので読んでて苦手な方もいれば凄く嵌る人もいて、私は後者になります。
このシリーズのタイトルの中の「贖いの王」という単語ですが、今作でもってもっとも理解出来ると思います。
「彷徨編」でクラウスを酷い人間だと思い怒りを覚え、クラウス視点で物語を再びなぞった「再逢編」で彼の後悔を知り気の毒に感じた矢先にあの出来事ですよ。
こちらの「昇華編」ではルルの献身的な行為でクラウスを始め多くの人が崩落事故から助かります。
でも、クラウスとルルの中で何かが噛み合って無い不穏な空気のまま物語が進むのです。
ルルが口に出せない不安と分かっていながら救いの手を差し伸べられないクラウスの焦ったさ、何処に突破口があるのかと思ってたところで聖堂院に与する国々から襲撃を受けてまたもや危機に陥ります。
六青むつみ先生は2人にどこまで試練を与えるつもりなのかと、残りのページを気にしながら「コレって完結編だよね?」と何度も疑問が頭をよぎりながら読みました。
大丈夫です。2人はずっと一緒に支え合いながら生きていったようです。王と王侶として魔族を斃していったようです。
ようですとしか書けないのはその後のお話のまとめ方によるものです。あまりのスケールの大きさからこのような結末になったのだと思うのですが、私はこれが最適な形だと思いました。
雑誌に番外編(後日談)が掲載されるそうなので楽しみに待ちたいと思います。
個人的には毒婦ハダルの末路を見届けられたことが良かったです。
それから稲荷家房之介先生のイラストがこちらの世界観に凄く合ってて眼福でした。