電子限定かきおろし漫画4P付
「なあ、どうしてお前は、もう一度俺の前に現れたんだ――?」
SNSの試し読みから購入したんですが、こんな三角関係初めてみた~!
三角関係も死ネタも苦手な私が見れたし満足できました。
三人それぞれお互いのことを想い気遣いあってるのがわかるので、もうずっと三人でいてほしいな~と感じながら結末を見守りました。
帯やあらすじとかで結末は予想できるというよりもここに向かっていくからなと言われてる感覚というか。ちゃんと心構えができたので、最終話の展開もしっかり受け止めることができました。
なんかコマ割り?というか画面のつくり方が映画みたいで臨場感ある感じ?
キャラの動きや心情も伝わってくるのでいろいろお上手だなと思いました。
このエンディング以外は違うと思うので大変満足です。
仁嶋先生は登場人物の気持ちと丁寧に描いて、無理やりにエッチな段階にならなくても満足できるストーリーテラーだと思います。
今作では軽いキスのみです。
それでも大満足の切なくて優しいお話でした。
自殺未遂をした高校生、司の中に入って助けたことによって、司と話せて、その中に入れるようになった半年前に亡くなった亮輔。
幼馴染で片想いの相手、ハル(春哉)に助けを求めたことがきっかけに3人の奇妙な同居生活が始まりました。
明らかに亮輔とハルが両片想いだとわかります。橋渡しをしているうちにハルに惹かれていく司。そしてハルも亮輔だけじゃなくて司のことも気になっていきます。
司は切った手首をスリっとさする仕草が不安だったり強がったりするポーズのようでしたが、だんだんと成長してハルから貰った腕時計を触りながら勇気を出すきっかけになった時は、嬉しかったです。
ちゃんと逃げない強さを手に入れて、ホントに卒業できたんだなと思いました。
そして、卒業式は亮輔とハルにとってもポイントになる日でした。
亮輔の心残りとは、3人はどう決断するのか…。
司の身体を通しての最初で最後の亮輔とハルのキスは、亮輔が消えた後はハルと司の最初のキスに移っていくシーンが、3人のそれまでの関係を象徴するかのようで、とても素敵なシーンでした。
作品を読む前は、タイトルの「モーメント」を「瞬間」のことだと思っていました。「さよならの瞬間」を描かれている作品だと。
でも、それだけじゃなくて「きっかけ」だったり、物理の公式である「慣性モーメント」のように時計の動きだったり幽霊やいわゆる“物理”のことだったり、読み進めていくと物語を表現している言葉なんだと実感しました。
英語タイトルも「Goodbye」じゃなくて「Farewell」なのもよかったです。
最後に亮輔がハルと司に「しっかり暮らしていくんだよ」というメッセージだと伝わってきました。
表紙と最後の花は「百日草」で、花言葉は「別れた友への想い」。素敵ですね。
ホントに細かいところまで計算尽くされています。
ぜひ、じっくり読んで楽しんでください!
作家様買い。
春哉と、亡くなった春哉の幼馴染みの亮輔と、
亮輔のことが見える司とのお話。
読む前はややこしいのかなー?って思って懸念してたんですけど
すっごくわかりやすく描いてくださっていたので
特に何も考えずに読む進めることが出来ます。
春哉と亮輔は実は両片思いだったことがわかって、そこでまず切なくなりました。
その後も切ないけど温かくて、うまく言えないけど読んでよかったなぁって思いました。
死ネタが絡んでるので悲しい気持ちにもなるんですけど
亮輔が居たことによって、春哉と司が救われたことは確かで
二人が未来を向いていることも確かなんですよ。
ちゃんと春哉も亮輔も最後はお互いに自分の気持ちを伝えられたこと
これが一番の救いなんじゃないかなぁって思いました。
仁嶋先生の作品ってとにかくすごくて、いつも感想書くのが難しいんですけど
いろんなことを考えさせられる作品だなぁって思います。
前作[キミドリ]と[愛追うふたり]がとても良かったので作家買い。
小冊子も欲しかったのでコミコミスタジオさんで購入。
買って正解!とても良いお話でした。
最初唐突に始まるので理解するまで時間掛かって読み返したりしちゃったんですが、わかってからはスルスル読めます。
幼馴染のお互い好き同士ってわかってるけど両片思いのハルと亮輔。25歳の時突然交通事故で亮輔が他界。
ショックで立ち直れないハルの元に亮輔に乗り移られた高校生の司が現れて。。。
ハルと司と幽霊の亮輔の三角関係同居生活のお話です。
もう、三人共が切なくてきゅーーーっとなりながら読みました。
[司]
司の身体を借りればハルと話せる亮輔、亮輔と話せる時の表情が自分に向けられている時と違うと感じてショックを受ける司くん。あと、愛おしそうな顔でハルの姿を見つめている亮輔に2人の絆の深さ感じてしんどく感じちゃってる。(もうハルくんに惹かれてるんだよね)
[ハル]
幽霊の状態の亮輔と楽しげに話している司を見て自分には幽霊の亮輔は見えない事に切なさを感じるハル。
[亮輔]
生きているハルと司の心の距離がだんだん近くなっている事、自分はもう死んでいる事に辛さを感じる亮輔。
一巻完結のお話でよくまとまってるし、3人ともに共感出来るとてもいいお話でした。
みんな読んで欲しい。
エッチなしなので、修正もないです。
それでも大満足です。
死が絡むお話はどうしても悲しさや切なさが勝って苦手に思うことが多いのですが、このお話は大丈夫でした!
むしろ読み終わる頃には、すべてをひっくるめて司と春哉とその関係性を愛おしく思える、そんな前向きな話でした。
あらすじや試し読みで極端に亮輔の死に拒絶反応が出るようでなければ、ぜひおすすめしたい作品です。
過去2作品もそうですが、丁寧に描かれる気持ちの揺れ動きとストーリー運びがとても好きで、もうすっかり仁嶋先生のファンです。