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表題作仮面の男と囚われの候補生

シュアン・真紅,篤志家の官人
トキハ,不吉の象徴と言われる眼をした孤児

その他の収録作品

  • 初めての蜜月
  • あとがき

あらすじ

紫と黒のオッドアイは不吉の象徴──。親にも疎まれ捨てられて、孤児院で育ったトキハ。唯一励ましてくれたのは、定期的に訪れる篤志家のシュアンだ。立派な大人になって、お礼が言いたい──。晴れて大学に合格するけれど、入学直前になぜか突然キャンセル!! 娼館で初物の男娼としてオークションにかけられてしまう!! しかも落札者として現れた男は、再会を夢見ていたシュアンと瓜二つで!?

作品情報

作品名
仮面の男と囚われの候補生
著者
犬飼のの 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199010897
3.4

(35)

(9)

萌々

(12)

(6)

中立

(3)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
8
得点
114
評価数
35
平均
3.4 / 5
神率
25.7%

レビュー投稿数8

続編読んでみたいな

キャラ文庫の「暴君竜を飼いならせ」シリーズ以外の犬飼のの先生の新作と知り、コミコミさんに予約して楽しみにしていました。

既にベテラン作家さまだと思っているのですが、無駄のない筆運びと見事な展開に流石と唸っていました。

さて、内容ですがトキハは気の毒な身の上でとても不憫なのですが、娼館で男娼として初物オークションにかけられて仮面の男がトキハを落札した時に、私は何となくシュアンの正体を悟ってしまいました。

ただ、たまにトキハとの言動がチグハグだったり、かなり厳しいことも言うのでシュアンの真意はどこにあるのだろうと思ったのも事実なんです。

トキハに対する愛情は本物だろうとは思っていました。なので自分の推測した部分はかなりの確率で合っていたのですが、驚くべき秘密がシュアンには隠されていました。

あー!!!そう来たか!ってかなり驚きました。全く想像していませんでした。

犬飼のの先生がかなりエロを頑張ったとツイートされてらしたので、最初はエロが沢山あったらどうしようと読むのを躊躇してたのも確かなんです。でもこのエロを頑張ったというのは、沢山のセックスシーンを長々と書いたから頑張ったという意味ではありませんでした。先生流石です♡

トキハとシュアンとのセックスシーンのひとつひとつに意味があるんです。最後まで読むとその意味を更に痛感する事になります。私は常々言ってますが漫画も小説も、ダラダラしたエロ本みたいなセックスシーンは要らないと思っています。

そんな好みのエロを書くお気に入りの作家さまの1人が犬飼のの先生なのです。

それとトキハと同じ孤児院出身でずっといじめっ子だった桜ですが、「暴君竜は飼いならせ」シリーズのユキナリを彷彿とするキャラで嫌いになれませんでした。あの逞しさ憎めません。www

トキハと桜はとある組織によって大学を勝手に入学辞退にさせられてましたが、本人が望んでいなかったという事で復学していました。
この復学したお話が「初めての蜜月」に入っていました。頑張り屋で優秀なトキハには上を目指して貰って、世の中が当たり前だと思ってる不平等な価値観を覆すようなリーダーになって欲しいと思うのです。

初めて出来た友人やシュアンの助けを借りて駆け上がる姿を見てみたいと思いました。
是非とも続編をお願いします。

そして可能なら「暴君竜を飼いならせ」シリーズの子ども達のお話を新シリーズとして待っています!

9

運命に翻弄されるトキハ 

犬飼先生の挿絵担当は、みずかね先生は初めてじゃないのかな?綺麗でした。

「暴君竜・・」は、暴君竜・可畏が愛を知ることで
度量を拡げ理想のリーダーになっていく、可畏の成長物語だったので、今作も期待。

でも先に読んだあとがきに、「既出の雑誌掲載作品の改変編集版/エロ多め」とあって、
ストーリーより、エロ重点だったのか、・・と購入を後悔。
エロと暴力シーンあり。

オッドアイ+紫眼の為に、捨て子から始まるトキハの運命、酷過ぎる。
トキハが孤児院で、シュアンに寄贈の御礼を伝えた事から運命が変わりだす。
「世の中を正しくする力が欲しい」とシュアンに語るトキハ。

トキハの運命はまっすぐ行かない。
孤児院を出る17才から二転三転する。
桜とトキハが大学合格、寮に行くはずが、何故か男娼館に。
・・伏線回収が意外で展開がスリリング、1巻で完結?

孤児院の院長の挙動
可畏より捻じれているシュアン(ブラッド)と
臆病なトキハの今後に興味が沸く。

過酷すぎるので、萌にしたけど、続編発刊に期待して、神。

6

辛口と甘口が混ざり合ってる

表紙がめっちゃ好き。
ダークスーツに肩に掛かったロングコートに黒革の手袋。
片手には白の仮面って…!!(乙女心大興奮(∩´///`∩))
大人の攻め力溢れるオーラが堪らんです。

こりゃ買うしかないな!犬飼ののさんだし!
ってことで購入しました。

読み終わっての率直な感想は面白かった!なんですが、
タイトルに含まれる意味合いを考えて悶える癖としては
なぜこのタイトルだったんだろう…?と首を傾げたかな。

囚われの候補生…?なんの候補生…?わからん。
仮面にはいろんな意味が含まれていて「おッ!」となりました(﹡´◡`﹡ )


さてさて。

出だしから受けがあまりにも可哀想で
これはすごい切ない不憫受けがキタ…!?と思ったら、
実際はかなり気が強く、目標高く突き進む子でした。

けれど強くなれたのは理由があって。

あらすじにも書かれているように、
篤志家として孤児院に来ていた攻めと出会って
受けは諦めてた人生に力強い言葉をもらうのですね。
心の支えにして努力を重ねて強くなっていくのです。

しかし攻めと再会し、
心の支えにしていた偶像が打ち砕かれてーーー。

幼い頃に出会った慈悲深く優しい男は、
再会した時に嗜虐的な一面を見せる男になっていて。
一体どちらが本当の彼なのか…?と揺れるお話です。


攻めのシュアンさん。
再会した時に受けのトキハは心身共にボロボロなんですが、
思いっきり平手打ちから入ったのでビックリした。
え?ここで叩いちゃうの!?(´⊙ω⊙`)ってなる;;

あとで手酷くした理由が判明するけれど、
私はどうしてもいきなり平手打ちだけは解せないな…。

最初はトキハが自ら男娼に赴いたと勘違いして
トキハの嘘を信じて激高して叩いたと思ったけれど、
トキハが騙されてたのは最初から知ってたみたいだし…。
どうにも咀嚼仕切れないので萌えに欠けてしまいました。

でも手酷いのは男娼館で再会したときだけ。
その後は酷い物言いをしながらも終始甘さが漂ってて、
優しくて頼りがいのある大人な攻め様の包容力が良きです!

トキハもシュアンの中にある甘い優しさを感じ取り、
売春だの身体を差し出すだのという会話が成されながらも
トキハとシュアンの関係は悲壮感が少なめだったのはホッとしました。

(ただ男娼関連は胸クソですが)
(孤児院の学園長含めてクソばっか)

そして冒頭でトキハをいじめていた桜との関係が、
友人ではないけれど決して断絶した関係でもなくなって。
理解し合えず仲良くないけど助け合う妙な関係になって。
この距離感は絶妙だなーと思いました。

(桜のその後はどうなったんだろう…?)
(なんか中途半端に消えていった印象が残って残念)

タイトルの仮面の意味はなるほどそうきたか~!!!
キャラブレのように感じる面もあるシュアンでしたが、
キッチリまとめ上げてきたのが流石ですね~。

トータル的に溺愛系の甘さがあって、
不憫受けが救われるお話だったのは好みで大満足です。
ただ萌えに欠けた部分もあったので評価を迷うところ。

好きなとこも多いので萌え寄りの萌え×2であげますが、
萌えと迷っているので変更するやも…。すみません。

9

アメとムチ

読後すぐの感想は、飴と鞭のパンチ効いてるなって印象でした。

主人公は言わば不憫受け。
孤児院ではオッドアイ(左右の眼色が違う&紫眼)でイジメられ、頑張って官人試験に合格したかと思えば拉致監禁→娼館に売られます。その後オークションにかけられて公開レイプされ、鞭でビシバシ打たれ…という目に遭います。

これ。可哀想なんてレベルじゃなくない!?ってくらい、酷い仕打ちにヒェェ…となるんですが、実はこのダークシリアスな状況の中にも一筋の光があります。
この光がこのストーリーのアメの部分で、痛い・悲しいという感情を忘れさせてしまうくらい甘い溺愛で満たされたアメです。

不憫・痛い ⇔ 溺愛・あまあま・ドキドキ

この作品には、この2つのテイストしか存在しないと言って良いでしょう。つまり飴と鞭が絶妙なバランスでストーリーが展開しています。


物語としては、孤児院育ちのオッドアイ&紫眼を持つトキハと、孤児院に書籍を寄贈する官人・シュアンとのラブストーリーです。
孤児院で初めて自分のことを褒めて優しくしてくれたシュアンに憧れて難関の官人試験に合格したトキハですが、悪の陰謀の手に落ち娼館に売られてしまいます。自分を落札したのは仮面の若い男で……といった何やら謎めいたドキドキハラハラな展開へと進んでいきます。

トキハにとって痛いシーンが結構ありますが、それと同じくらい愛されシーンもあるので、痛さや苦しさの後味はそんなに悪くなかったです。

トキハに降り掛かる嫌なことは、イジメ・人身売買・公開レイプ・拉致監禁誘拐・肉体嗜虐です。記述するとエグいですね。
でもご安心を。
危なーいってときにはシュアンがナイスタイミングで助けに入るので、トキハの身は悪の手には落ちません(^^)


この作品の見どころは、何と言ってもシュアンです。彼の正体と隠された秘密にはかなり驚かされました。大きいネタバレになっちゃうので伏せますけど、マジビックリです!

後半の「初めての蜜月」は、その真実が分かった上でのストーリーになっています。挿絵で見ると何だかシュールで面白かったです。


トキハは嫌な目に遭う事が多いけど、極めて前向きで芯が強い青年。不遇な境遇に置かれても腐らずメソメソせず上昇志向があるので非常に好感が持てました。

そんな彼にはぜひとも幸せな結末を迎えて欲しいと願うばかりでしたので、読後感良しなエンディングにホッと胸を撫で下ろしました(о´∀`о)

7

攻めさんがカッコよすぎて。

犬飼さん×みずかねさんという素晴らしき組み合わせの今作品。ということで、発売日を心待ちにしていました。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。






主人公は孤児院で暮らすトキハ。
親はなく、しかも同じ孤児院の桜からの嫌がらせを受け続けている薄幸少年だ。
孤児院の学園長も桜の味方で、食事を抜かれることもお風呂に入れないことも日常的に行われるという過酷な日々。

それには理由があった。
トキハは、この国で不吉と言われ、忌み嫌われるオッドアイを持ち生まれてきた子どもだった。しかも片方の瞳は、これもまた不吉と言われている紫。己の不運を嘆きつつ、でも粛々と受け入れ日々過ごしている。

そんなトキハの楽しみは、時々篤志家たちから寄付される本を読むこと。
そして、その本を寄付してくれているシュアンと呼ばれる男性とはじめて言葉を交わしたトキハは、シュアンに淡い恋心を抱くようになっていく。シュアンに触発され、勤勉に学び大学に行くことを目標に掲げるが―。

とにかくトキハという男の子が薄幸で泣ける。
どこに行っても彼の拠り所はなく、まだ7歳という年齢で彼は己の不運を受け入れている節がある。そんなトキハは、シュアンに出会い夢を抱くが、それも打ち砕かれ…、と話は続きます。

あまり書いてしまうとネタバレになりすぎてしまうのですが、トキハの味方になり優しい言葉をかけてくれたシュアン。そのシュアンそっくりな男性に、トキハは無理やり抱かれてしまい―。

はたしてシュアンはいい人なのか、それとも…?という謎解きを孕むストーリーです。

とにかくシュアンがカッコいい。
その一言に尽きます。スーパーダーリンなシュアンを、みずかねさんが描いてくださっているという眼福さも相混じり、ヤバいくらいカッコいいです。そんなシュアンは実は悪い人なの?どうなの?とハラハラしつつ読み進めましたが。

あー、なるほど、そうきたか!

という展開でした。
読み進めるごとに少しずつ点が線になっていくストーリー展開はさすが犬飼先生といったところか。

ただ今作品は、少年と言える年齢の子が性的な暴力を受けるという側面を持っているので苦手な方は注意が必要かもしれません。無理やりとか、媚薬とか、卑怯な手が使われているところにもちょっぴり萎え萎え。

とはいえ、シュアンたち(どういう意味かは手に取って確認されてください)のカッコよさに悶絶し、みずかみさんの描かれた美麗イラストに萌え滾り、そしててんこ盛りのシリアスさと甘々な恋の行方の絶妙なバランスに翻弄され続ける、そんな1冊でした。

10

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