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表題作無罪世界

山村仁史
詐欺まがいの訪問販売員,28歳
榊宏国
ジャングル育ちの従弟,22歳

あらすじ

詐欺まがいの仕事、賭けごとで借金まみれの人生。そんな山村に顔も覚えていない親戚の遺産の話が転がり込んできた。浮かれた山村だったが、その遺産には厳しい条件がついていた。幼い頃さらわれて以来、ジャングルで育った従兄弟・宏国の世話をするというものだ。自分の「むら」しか知らず、日本語も解さない宏国と暮らさざるを得なくなり、いざとなったら放り出す気で引き受けた山村だったが…。
渾身の大長編オール書き下ろし!
(出版社より)

作品情報

作品名
無罪世界
著者
木原音瀬 
イラスト
よしながふみ 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
ISBN
9784862632456
3.5

(54)

(18)

萌々

(8)

(18)

中立

(7)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
17
得点
183
評価数
54
平均
3.5 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数17

No Title

一筋縄ではいかない、宏との同居生活。
どん底の人生を安易に救わないまま物語は進んでいき。
詐欺まがいの商売で、自分たちも騙されてお金を失うという、回り回って…
なんかもうすごかったです。薔薇色の人生のような甘々な部分はほぼなく、宏高の本能の強さに目を奪われました。残りの数ページでまた怒涛の展開で、これはハッピーエンドになるの?と思いながら読み進め。この数ページに、ただひたすら山村の人間としての甘さや狡さと、それが考えることを放棄してきた姿で、心を入れ替えると言われても信じるに値しないと言われ。切ない。
ラスト1ページ、救われました。ほっとした。最後何回も読み返してしまいました。

1

無題

思っていたより萌は少なかった。ワイルドというより動物的。二人のどちらにも感情移入しにくかった。彼はずっと帰りたがっていたけど、帰ったところでどうやって暮らしていくつもりなのだろうか…。やはりある程度知性を感じさせるキャラじゃないと、感情移入しづらいなと思った。だからこそ人間社会で生きていくのは大変だろううし、なんだか可哀想にも思えてきた。彼を取り巻く環境も劣悪で、人々の思惑もあって、果たしてその愛は本物だろうかと思ってしまった。

1

面白かったですよ

木木原音瀬先生って読ませるんですよね。BL要素を含みつつ、タイトルから「どゆこと?何でこんな設定なん?」と読み進めればドップリ⋯
次はどうなってくの〜と読み終えてしまいますw
悲しみや苦しみの中で、本当に自分の欲しいもの、大切な事が何なのか、もがきながら見つけて、受け入れて新たに進んでいく。普通に生きていたらなかなか体験できない事が起こるので、山村は本当にどクズだな、と思いながらも自分に当てはめたら繊細さが共感できる心模様が多々。あっでもどクズですけど。宏国と関わって本当に大切にしたい事と愛を見つける事が出来て良かったねって思いました。

1

巡り会ったことが奇跡的な異色の二人

詐欺まがいの仕事をし賭けごとで借金まみれの人生を歩む男
×
ジャングルで育った従兄弟

設定の時点でインパクトありすぎですよね。
面白い予感しかしませんでしたが、期待を裏切られることはなく楽しめました。

日本での生活に右も左も分からず困惑する受けを遺産目当ての攻めが適当に弄び酷いことするのでは?と勝手に心配したのですが、そんなこたぁなく(笑)
それどころか意思の疎通すら難しく手を焼く攻めに同情すらしました…。

このキャラクターでBLを書くに思い至った木原先生やっぱり凄い…!
BL作品にあふれるありきたりな萌えが一切用意されておらず…だけどそんな萌えなど必要ないと思わせる独自の切り口で物語を完成させるんだ。

後半は想像をこえる危ない展開になり非常にドギマギしました。
自業自得ではあるんですよね。
攻めは悲しい過去をもちつつも、人を騙しその懐をあたためていた…。
人としておいおいという部分も目立つのに、嫌いになれないというか…気付けば肩をもちたくなるような登場人物に仕上げられているんですよね。

ラストに関しては私は逆にヒヤリとしましたけどね…。
後を濁しておけばいいものを、幸せでやってるっぽいじゃんというところに水を差された気がして…そんな衝撃が魅力でもあるんですけど。

1

何気ないものが誰かの犠牲で成り立っている

“捨てるものの為に苦しむ人がいるなら、自分くらいビールを瓶にしてもいいかと思ってね”

最後まで夢中で引き込まれるお話ではなかったのですが、BL小説でここまで愛以外のメッセージ性を持たせた作品に出会った事が(絶対数が少ないのですが)なく、挑戦的な作品だと思いました。

法外な値段で浄水器を売る悪徳業者の主人公(この設定が既に面白いのだけど、詳細は流石にないので面白さが半減して惜しい)が遠い親戚の遺産と共に原始育ちの若い男を任されるというお話。

BLに限らず、台詞が単語のみを使いがちな簡潔な喋り口のキャラクターは多数存在します。「よるとあさの歌」ヨルや昨年のアニメどろろの百鬼丸、木原作品の「箱の中」喜多川など。単純で少し学が足りないから、またはその逆でキレ過ぎる頭で芯を見抜く為に簡潔なのか、独特な魅力で好きな人も多いと思っています。
そういったキャラクターや野生さを求めたのが今回のカップリング、としか思わずに読み進めたのですが、それは浅はかでした。(どうにも宏国の会話の成長が遅くまどろっこしい!というのは置いておきます。)

一番印象的だったのはビール缶を何気なく買って飲んでるけど、そのすぐに捨てられる原料を作るために宏国のような人達が住んでいた場所は奪われたと落合先生が語るエピソード。
いきなり環境問題…とは思ったのですが、ただ木原作品を読みたいという動機だけだった私は、テーマが今までと少し違うなと思いました。
アルミの話以外にも、背景を考えない、要らなくなったものを捨てるという短略行為には必ず失われているものがある。それがこの小説に繰り返し書かれていました。

母子家庭だった山村が高校時代、そっけなくし続けたことで母は彼を置いて出て行く。
老人に無理やり契約をさせ息子に狙われる。
嘘に嘘を重ねた結果有沢に宏国を取られる。

その様にして何度も大きなショックとしっぺ返しを食らい、最終的に独りになった山村が、宏国に愛されて、命を張ってまで守ってくれる人だと気付き、今後を誘うシーンは希望あるラストで良かったなと思いました。
宏国がお面持って出てきたの、どういう意味だったんだろう。

落合先生が登場し宏国が言葉を理解しだすまでと、早々に予測できる同僚の200万の話がダレるので、もっとサクサク進めてほしかった。

ビールを請求するヤブ医者や隣の部屋のババアなど口の悪い詐欺師主人公とどっこいの変なキャラが楽しめました!結局、医者のまとめたノートに何がかかれていたのか、ブラジルには行かないし、ふーんわりな終わり方に消化不良な読者も多数いらっしゃるかと思います。

1

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