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なりゆきで王子様に「なってしまった」(多くの王室は「すでにある」のではなく「作られる」んですね、これはお勉強になる)主人公理央。しかも、姉は「王妃」として大々的に歓待されたのに、自分はオマケ扱い。おまけに教育係のルシエルに美味しく食べられちゃうってどーゆーこと?
というのが前作までのおさらい。
さて続刊のこの作品では、美味しく食べられる状況は変わりませんが(^^;)、少しずつ自分が仕立て上げられる過程を(いやいやながら)受け入れようとしていることが窺えます。もちろん、そのいじらしさが見ている側にはかわいいものとして見えてくるのでしょうが、でもそのかわいい仕草は一体どのようにして見えるのかな?と考えるとおそらく既存のBLの外側に出てしまう作品かもしれません。
ということもあって、王子様というのを「萌え属性」から引きずり落としたのは確かなんだけど、どうもそこで読み手に違和感を与えちゃっているのかな、と推測はします(私はというとこういう切り口は斬新なだけに評価したい)。ですが、その違和感がないと何で理央がもどかしい自分の感情を受けとめようとするのかが全く見えてきませんし、その感情を私たちもまた受け入れてあげないとこの作品は真の意味でハッピーエンドにならないのではないでしょうか?