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小説
これは良かった
本当に良かった。
でもラノベではないんだよおおぉぉぉぉ‼︎
純文よりのエンタメ小説だよね!?
しんどくて辛くてでも淡々としてて。
芸術としての美しさを感じる一冊なので、ラノベ枠で出すとラノベを求めてる人が読むと、なんか違う。ってなりそうなんですよ‼︎
本をたくさん読んでる人の文章だなって思いました。
過酷な設定なのに、話は淡々と進んで、でも感情が生々しい。
そしてそう思っちゃうのがすごくよく分かるんですよ。
あぁ、この先生はよく知ってるんだな。って感じるんです。
多くの人間が知らずに生きていける深淵みたいなものを、この先生はよく知ってる。
それを知った上で淡々と話が進んでいくのが、とても美しいんですよ!
梅雨の時期に観たくなる、そんな映像化を激しく希望します
とても良かった。
全てをかけて好きな人を幸せにしようと行動を起こす西川と、愛とは何か、その答えを模索し続ける坂田。あらすじ通りの不思議な始まり方をした二人の、それぞれの事情が全て明かされたときにはすでに……というお話。
BL要素はあるが、二人の結末そのものはBLレーベルだと地雷扱い?のようなあれなので(タイトルで察せるかも)、ダメな人は注意が必要かな。
西川の提案はぶっ飛んでいたものの、その後は淡々とした日常描写。といっても、坂田の生活は一変している。貧乏暮らしでバイト三昧だった日々から、毎日高校に通学することに。
坂田の周りの現実は厳しいけれど、そんなもんだよな、とも思う。問題を起こすなと圧をかける教師や、金の無心で連絡を寄越す父親、家庭内暴力から逃げる友人の兄妹。あと少しで大人になれると自身を鼓舞する高校生の無力さがもどかしい。
西川は坂田とは対極的で、金持ちの家に生まれて穏やかな両親に育てられ、一見何不自由なく生きているように見える。坂田を買うお金も簡単に出してくる。
なぜ坂田だったのか?なぜ買うことにしたのか?という西川の意図はなかなか明かされない。西川からは、どこか遠慮しているような、何かを隠している気配が漂う。それでも必死さは伝わるところもあって切ない。
そして二人の物語は悲しい結末へ。で、心理描写はここからが本番な感じ。愛とはなにか、坂田が西川にもらったものの正体は。そうしたものを一つずつ受け入れて、坂田なりの答えを見つけていく。西川の想いの重さには涙が出た。
たくさんの問題が散りばめられた作品で、どこが刺さるかは読み手の経験によって変わりそう。個人的には豊田の前向きなセリフが心に残っている。
二人の愛が決して一方通行なだけでなかったと思える終わり方も好き。