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そばにいてほしい。だから、弾かなきゃ──
葵居ゆゆ先生作品は全作品読みましたが、本作品は既刊の中でも最高に素晴らしい一作だと感じました。神作品。
感動あり、濃厚ドスケベあり、萌えあり…あらゆる素敵要素が詰まった宝石箱のような作品です。
間違いなく、2019年上半期のベストBL小説です。
本作品で先生が伝えたいことは、
「誰かの役に立てていなければ生きている意味がない、なんてそんなことあるはずない(ありのままで、ただ生きているだけで人は価値がある)」
だと感じました。
音楽描写の繊細で美しい表現にうっとりするし、濃厚エロにはついてないちんちんがおっきしそうになるくらい萌えましたが、それだけではなかったです。
人がどうやって生きるのか、どうやって愛されるのか、人の生き方に正解はないけれど、どんな風に生きたいかを考えさせられる、深い深い愛の物語でした。
読まなければ人生の損…と言い切りたい。
全人類に読んでほしい作品です。本当に素晴らしかった。読後ずっと、涙が止まらなかった作品はこれが初めてです。
溺愛溺愛執着攻め!!
生きる気力を無くしたピアニスト紬季の世話を焼いて焼いて、
紬季の本心じゃないタメにならないことは
とことん無視して甘く甘く攻めてくの!溜らん!!
ありとあらゆる言葉で紬季を肯定し、
紬季の悲しみを開放するためにも言葉と態度で尽くす尽くす。
本心から出るストレートさ潔さには男気も感じ、愛が深い!
ピアノの音や食事で紬季が再生してさまが伝わってくるのも素敵。
少しづつ真紘に心許してくのは甘くてむずキュン。
ツンツンしてた子が甘えたくなり、
でも素直になれなくて、甘えれるようなってくの、とっても可愛い!!
あー可愛い、甘い甘い~からの、傾倒っぷりが危うくなり…
真紘に応えたいのに空回ってくの苦しくて狂おしくて、
レコーディングのシーンは本当に最高にヤバかった。
大好きな人に応えられない自分(モノ)なんていらいないっての最高に好き!
それを違うんだよーーーって骨の髄から整えてくのも!
お耽美さと甘さと重さの塩梅!
生きる力になるってすごくてすごかった!
山あり谷あり、身も心もほぐされてくストーリー大好きです。
身体もとことん結腸まで解されてく濃厚えっちも最高でした。
衣服の皺まで丁寧に書かれている挿絵。硬い線の絵が、紬希の脆さを表している。
満和紬季:
実母に育児放棄され、7才で満和家に養子になる。
沙凪江が喜ぶのでピアノを演奏、沙凪江の希望で留学。
帰国後、沙凪江が紬季を庇って事故死。紬季は、後追い自殺を図る。
沙凪江を失い、ピアノを弾く意味を失って弾けない。
誰かに必要とされなければ生きていけないトラウマ持ち。
銀城真絋:
ピアノ調律師。川上に依頼されて、紬希の身の回りの世話をしに来る。
自殺未遂をした紬希に「捨てる命なら、自分がもらう。今日から恋人だ」と告げる。
紬希に沙凪江が死を認めさせ、現実に引き戻す。
幼い頃に紬希の演奏を聞いて感動をして以来のファン。
川上と組んで、もう一度紬希にピアノを弾かせようと・・。
満和沙凪江:
紬希が養子に入った家の娘。紬希の名付け主。紬希が弾くピアノの音を愛していた。
進行性の弱視。 紬希を庇い、目の前で死亡。
川上:
紬希の仕事仲間。生存確認の為に真絋を雇い、派遣する。
育児放棄されて、施設に居た紬希は養子。他人=沙凪江の喜びの為にピアノを演奏してきた。
沙凪江を失い、次は恋人の真絋の為に、ピアノを弾こうとする。
紬希が、自分の喜びを見つけるまでの物語。
とても大事な件を扱っているなーと思った。
同人誌に、続編が出ている。 https://bit.ly/3qO6ip7
紬希が恋愛に夢中。 人間らしくなっているんだな、と思った。
とてもよかった。
文章表現がすごく綺麗でした。音楽や攻め受けの心の動きの比喩が、まるで質量を持って読者に向かってくるような…。繊細できらきら光るような、美しい表現に圧倒されました。
甘く切なく、あたたかく切なく、優しく…じんわり心にしみいる文章がとても良かったです。
受けの自己犠牲的な愛の表現が、切なくも愛おしくて、すっかりはまってしまいました。
攻めは受けを溺愛しているのですが、受けのためにと斜め上の努力をしてしまうところも、どこか若さゆえな青臭さや人間味を感じて、いわゆるスパダリすぎないところが可愛らしくて大好きです。
割れ鍋に綴じ蓋というか、どこか危うい共依存愛のような雰囲気もありますが、それもまた耽美さを感じられて良かったです。
読んでよかったなあと思ったステキな作品でした。感想を書きながら、また読み返したくなりました。
こちら、スレ違いがめちゃくちゃ痛い、どシリアスで重いお話になります。
これでもかと主人公が追い詰められてて、もう読んでて辛くて仕方ないんですよね。
狂気一歩手前のような、自身の全てで愛を乞う主人公の姿が、悲しくて仕方ないと言うか。
こう、明らかに読者を選ぶ作品と言うか。
でも、とても深い愛の物語だと思うのです。
これもまた、本人達にとっては幸せな愛の形なんだろうと。
上手く言えないんですけど、読み終えた今は胸がいっぱいです。
内容ですが、調律師・真絋×天才ピアニスト・紬季による、どシリアスで痛い主人公再生ものです。
何より大切にしていた妹が自分を庇って亡くなり、生きる気力を無くして山奥の別荘に一人引きこもっていた紬季。
そんな彼の前に現れたのが、調律師である真絋になるんですね。
無理矢理ハウスキーパーとして押しかけ、更に「きみの恋人になります」と強引に恋人になり、紬季の世話を焼くー。
彼から容赦無く本心を引き出され、感情をさらけ出した事で、生きる事に前向きになる紬季。
これからは彼の為だけにピアノを弾こうと、幸せを感じますがー・・・と言うものです。
紬季ですが、実は養子です。
亡くなった妹・沙凪江は目に持病があり、彼女を支えられる兄弟として引き取られたんですね。
実の親からさえ捨てられ、誰からも必要とされなかった自分を、心から愛して必要としてくれた沙凪江。
彼女を笑顔にするためだけにピアノを弾いてきた紬季は、生きる気力さえ無くしてしまった。
こう、最愛の人を亡くしてしまったと言う喪失感と共に、守るべき存在である彼女を逆に自分のせいで殺してしまったと言う罪悪感が、紬季を押し潰そうとしてるんですよね。
で、そんな彼の前に突然現れた押しかけハウスキーパー・真絋。
いや、彼は丁寧で優しい態度ながら、やってる事はめちゃくちゃ強引なんですよ。
自分で自分がいらないのだから、僕が紬季を貰うみたいな。
こう、恋人として抱き、食事からお風呂から、身の回りの事を全て世話を焼く。
最初こそ投げやり状態で真絋の好きにさせていた紬季。
それが、優しく抱き締め、ハッキリと「沙凪江が死んだのは紬季のせいだ」と言ってくれる真絋に、心を開いて行くー。
何だろう・・・。
周囲は誰も、沙凪江の事で紬季を責めなかったんですよ。
そして、紬季はあまりに強い罪悪感から、自分は泣く権利さえないと思っていた。
そんな中で無遠慮に踏み込み、きちんと責めて泣かせてくれた真絋の存在によって、やっと悲しむ事が出来たんですよね。
と、そんな真絋に心を開き、彼の喜ぶ顔を見る為だけにピアノを弾くようになる紬季。
しかし、彼の意外な正体が分かり・・・と続きます。
これ、ここまでの主人公がもがき苦しんでるパートも辛いんですけど、ここから更に辛いんですよ。
何だろう・・・。
紬季にとってピアノを弾くと言うのは、自分の為では無いのです。
これまでは沙凪江の為、そして今は真絋の為ー。
真絋が望むならと、復帰してコンサートを開き、CDも出す。
それなのに、何故か二人で別荘で過ごした時のような「音」が出せず、真絋の期待に応えられない・・・。
もうこの時の紬季の追い詰められようが、半端じゃ無いんですよ。
こう、ピアノに向かう姿勢が鬼気せまってるんですよ。
真絋の望むピアノが弾けなければ、捨てられてしまう的に。
またこれ辛いのが、読者側には真絋の気持ちと言うのも理解出来る所なんですよね。
完全なスレ違い状態で、真絋は真絋でなんとかこの状況から脱しようともがいてる事が分かっちゃうと言うか。
いや、紬季がかなり思い込みが激しいタイプと言うか、面倒臭い受けなんだなー!!
これ、人によっては愛では無く依存だと思うかも知れないんですけど。
また、人の為にしかピアノを弾けない主人公と、好みが分かれるかもしれないんですけど。
ただ、紬季の愛し方って自分の全てでと重いんですけど、負けず劣らず真絋の愛が深いんですよね。
真絋の愛もまた、苛烈なんですよね。
いやもう、クライマックスでの二人に、なんか胸がいっぱいになっちゃって。
あと、紬季は最後まで、自分の為にはピアノを弾かないんですよ。
でも、それはそれでいいと思うんですよね。
自分の為にピアノを弾くことが幸せな人もいれば、自分のピアノで喜ぶ人の為に弾く人がいたっていい。
だって、結局は、どちらも弾く事が好きなのは一緒なんじゃないかなぁと。
これ、ラストはラストで「二人だけの世界で幸せ」って感じで、好き嫌いが分かれそうな気がするんですけど。
でも、個人的には、これも二人の幸せな愛の形だと思います。
ここで十分羽を休めたら、再び飛び立てるんだろうなぁと思わせてくれる、とても優しいものなんですよ。
いや、上手く言えないんですけど、すごい作品でした。
「神」にしようか迷いましたが、あまりに痛すぎるので「萌2」にしときます。