そばにいてほしい。だから、弾かなきゃ──

愛を乞い、恋を奏でる

ai wo koi koi wo kanaderu

愛を乞い、恋を奏でる
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神7
  • 萌×210
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
9
得点
88
評価数
25
平均
3.7 / 5
神率
28%
著者
葵居ゆゆ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
ミドリノエバ 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
価格
¥650(税抜)  
ISBN
9784829626665

あらすじ

妹を亡くし、失意のまま引きこもっていたピアニストの紬季。
ピアノを弾くことも、自分自身のことさえもなげやりになっていたが、押しかけハウスキーパーの真紘は「今日からきみの恋人になります」と世話をする。

自分を罰するために痛みを求めるも優しく抱かれ、そして半ば無理やりに鍵盤に向かわされた。
追い詰められ叩きのめされて、ようやく前を向こうとした。

これからは、真紘のためだけにピアノを弾こうと思った。
けれど彼の思惑は別にあり──。

表題作愛を乞い、恋を奏でる

銀城真絋、押しかけハウスキーパー
満和紬季、妹を亡くし投げやりなピアニスト

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数9

シリアスと濃厚エロ、感動の嵐!神作品!!

葵居ゆゆ先生作品は全作品読みましたが、本作品は既刊の中でも最高に素晴らしい一作だと感じました。神作品。

感動あり、濃厚ドスケベあり、萌えあり…あらゆる素敵要素が詰まった宝石箱のような作品です。
間違いなく、2019年上半期のベストBL小説です。

本作品で先生が伝えたいことは、
「誰かの役に立てていなければ生きている意味がない、なんてそんなことあるはずない(ありのままで、ただ生きているだけで人は価値がある)」
だと感じました。

音楽描写の繊細で美しい表現にうっとりするし、濃厚エロにはついてないちんちんがおっきしそうになるくらい萌えましたが、それだけではなかったです。

人がどうやって生きるのか、どうやって愛されるのか、人の生き方に正解はないけれど、どんな風に生きたいかを考えさせられる、深い深い愛の物語でした。

読まなければ人生の損…と言い切りたい。
全人類に読んでほしい作品です。本当に素晴らしかった。読後ずっと、涙が止まらなかった作品はこれが初めてです。

6

人間臭さと耽美さに惚れ惚れしました

とてもよかった。

文章表現がすごく綺麗でした。音楽や攻め受けの心の動きの比喩が、まるで質量を持って読者に向かってくるような…。繊細できらきら光るような、美しい表現に圧倒されました。
甘く切なく、あたたかく切なく、優しく…じんわり心にしみいる文章がとても良かったです。

受けの自己犠牲的な愛の表現が、切なくも愛おしくて、すっかりはまってしまいました。
攻めは受けを溺愛しているのですが、受けのためにと斜め上の努力をしてしまうところも、どこか若さゆえな青臭さや人間味を感じて、いわゆるスパダリすぎないところが可愛らしくて大好きです。

割れ鍋に綴じ蓋というか、どこか危うい共依存愛のような雰囲気もありますが、それもまた耽美さを感じられて良かったです。

読んでよかったなあと思ったステキな作品でした。感想を書きながら、また読み返したくなりました。

0

上手く言えないのですが、とにかくすごい作品でした

こちら、スレ違いがめちゃくちゃ痛い、どシリアスで重いお話になります。
これでもかと主人公が追い詰められてて、もう読んでて辛くて仕方ないんですよね。
狂気一歩手前のような、自身の全てで愛を乞う主人公の姿が、悲しくて仕方ないと言うか。
こう、明らかに読者を選ぶ作品と言うか。

でも、とても深い愛の物語だと思うのです。
これもまた、本人達にとっては幸せな愛の形なんだろうと。
上手く言えないんですけど、読み終えた今は胸がいっぱいです。


内容ですが、調律師・真絋×天才ピアニスト・紬季による、どシリアスで痛い主人公再生ものです。

何より大切にしていた妹が自分を庇って亡くなり、生きる気力を無くして山奥の別荘に一人引きこもっていた紬季。
そんな彼の前に現れたのが、調律師である真絋になるんですね。
無理矢理ハウスキーパーとして押しかけ、更に「きみの恋人になります」と強引に恋人になり、紬季の世話を焼くー。
彼から容赦無く本心を引き出され、感情をさらけ出した事で、生きる事に前向きになる紬季。
これからは彼の為だけにピアノを弾こうと、幸せを感じますがー・・・と言うものです。

紬季ですが、実は養子です。
亡くなった妹・沙凪江は目に持病があり、彼女を支えられる兄弟として引き取られたんですね。
実の親からさえ捨てられ、誰からも必要とされなかった自分を、心から愛して必要としてくれた沙凪江。
彼女を笑顔にするためだけにピアノを弾いてきた紬季は、生きる気力さえ無くしてしまった。
こう、最愛の人を亡くしてしまったと言う喪失感と共に、守るべき存在である彼女を逆に自分のせいで殺してしまったと言う罪悪感が、紬季を押し潰そうとしてるんですよね。

で、そんな彼の前に突然現れた押しかけハウスキーパー・真絋。
いや、彼は丁寧で優しい態度ながら、やってる事はめちゃくちゃ強引なんですよ。
自分で自分がいらないのだから、僕が紬季を貰うみたいな。

こう、恋人として抱き、食事からお風呂から、身の回りの事を全て世話を焼く。
最初こそ投げやり状態で真絋の好きにさせていた紬季。
それが、優しく抱き締め、ハッキリと「沙凪江が死んだのは紬季のせいだ」と言ってくれる真絋に、心を開いて行くー。
何だろう・・・。
周囲は誰も、沙凪江の事で紬季を責めなかったんですよ。
そして、紬季はあまりに強い罪悪感から、自分は泣く権利さえないと思っていた。
そんな中で無遠慮に踏み込み、きちんと責めて泣かせてくれた真絋の存在によって、やっと悲しむ事が出来たんですよね。

と、そんな真絋に心を開き、彼の喜ぶ顔を見る為だけにピアノを弾くようになる紬季。
しかし、彼の意外な正体が分かり・・・と続きます。

これ、ここまでの主人公がもがき苦しんでるパートも辛いんですけど、ここから更に辛いんですよ。
何だろう・・・。
紬季にとってピアノを弾くと言うのは、自分の為では無いのです。
これまでは沙凪江の為、そして今は真絋の為ー。
真絋が望むならと、復帰してコンサートを開き、CDも出す。
それなのに、何故か二人で別荘で過ごした時のような「音」が出せず、真絋の期待に応えられない・・・。

もうこの時の紬季の追い詰められようが、半端じゃ無いんですよ。
こう、ピアノに向かう姿勢が鬼気せまってるんですよ。
真絋の望むピアノが弾けなければ、捨てられてしまう的に。

またこれ辛いのが、読者側には真絋の気持ちと言うのも理解出来る所なんですよね。
完全なスレ違い状態で、真絋は真絋でなんとかこの状況から脱しようともがいてる事が分かっちゃうと言うか。
いや、紬季がかなり思い込みが激しいタイプと言うか、面倒臭い受けなんだなー!!

これ、人によっては愛では無く依存だと思うかも知れないんですけど。
また、人の為にしかピアノを弾けない主人公と、好みが分かれるかもしれないんですけど。

ただ、紬季の愛し方って自分の全てでと重いんですけど、負けず劣らず真絋の愛が深いんですよね。
真絋の愛もまた、苛烈なんですよね。
いやもう、クライマックスでの二人に、なんか胸がいっぱいになっちゃって。
あと、紬季は最後まで、自分の為にはピアノを弾かないんですよ。
でも、それはそれでいいと思うんですよね。
自分の為にピアノを弾くことが幸せな人もいれば、自分のピアノで喜ぶ人の為に弾く人がいたっていい。
だって、結局は、どちらも弾く事が好きなのは一緒なんじゃないかなぁと。

これ、ラストはラストで「二人だけの世界で幸せ」って感じで、好き嫌いが分かれそうな気がするんですけど。
でも、個人的には、これも二人の幸せな愛の形だと思います。
ここで十分羽を休めたら、再び飛び立てるんだろうなぁと思わせてくれる、とても優しいものなんですよ。

いや、上手く言えないんですけど、すごい作品でした。
「神」にしようか迷いましたが、あまりに痛すぎるので「萌2」にしときます。

8

自分の音を再び奏でる

ピアノものらしいとワクワクして読みましたら、予想通りのきゅうきゅう大好き路線で、やりました~!と嬉しかったです。めっちゃ好きだったんですけど、途中攻めのなさりようにムカっとしたので萌2にしました。本編240P弱+あとがき。最後の挿絵が猛烈に好きだった・・・

バス停から20分ほど歩いた山の中にある別荘で、食事もろくにせず一人引きこもるピアニストの紬季(つむぎ)。大雨のある日そんな彼の元に食材を山のように抱えたイケメンが訪れ「今日からきみの恋人になります」と言い、あれやこれや世話をひたすらやき・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
音楽レーベル経営者、紬季の義父、沙凪江(さなえ、受けの血のつながらない妹、故人)ぐらいかな。
登場人物少なく、閉鎖的な空間での部分が多めな印象です。

**大好きだったところ等

音楽もので最も好きな「自分の音を取り戻す」系のお話!!!!しかも大好きなピアノ!!!最高でした・・出てくる曲を聴きたい~と思うより、今回はその取り戻していく過程の表現が最高!
弾くというより、自分の中から沸き上がる音を広げていくというか、そんな感じが書かれていて、それはもううっとり・・・いやあいい演奏を聞いた心地です!文章読んで陶酔するってのは、なかなか無いですね。今回、妙に波長があったのかな、むちゃくちゃ良かったです。

受けさんは育ちのせいで自分を大切にできない人で、大切な妹がいなくなった為にピアノが弾けなくなってしまって、もう呼吸すら止めてしまいそうな方。
攻めさんは、紳士な様子のスパダリ超溺愛げろ甘ねっとり系。そのため色っぽいシーンはキレイかつ、ひたすらねったり・・・(笑)。多いなとちょっと思ったけど、それで傷ついた受けが息を吹き返し、あら良かったわ!と思ったのに!なんだか急に世間にぽいっと放り出されたような感じのところがあり、そこがムカっとしたです。「だめじゃん、こんな繊細な子をすぐ放り出しちゃ!対応間違えてる!!」と怒ってしまいました。そのため神にしなかったです。最後はちゃんと溺愛毛布でくるんで、二人で幸せそうなので、読後感ははぴはぴです!

音楽ものがお好きな方、ジェントル風なねったり攻めがお好きな方でしたら、おススメしたいわ!と強く思った一冊でした!音楽もの、大好き!!

3

無償の愛の塩梅具合

2019年刊。
妹を亡くした喪失感で生きる気力が失せていた紬季(つむぎ)の元に、ハウスキーパー兼調律師として押し掛けてきて強引に恋人宣言した男・真紘。
紬季は最初は反発したし、妹を亡くした事実を抉られながらも、彼が再びピアノを弾けるまで根気強く待つ真紘に心惹かれていく。
もう一度誰かの為に(この場合は真紘)ピアノを弾けるようになった喜びも束の間で、真紘が近づいてきた真意を知り、再び心をどん底に落とされる紬季だったが…

以外にもこの話、フタを開ければ相当な溺愛系だった。
甘々なのに表紙の色味からして寒色系のイメージなのは、シリアスで明るい話ではないからだが…
重さはあるがそれほど息苦しくはなく、個人的には許容範囲内だった。
これで重い、救いを感じないとなれば閉塞感で読み辛いだろうが、絶妙な塩梅具合だったのだろうね。

塩梅が絶妙なのは、真紘の紬季への無償の愛情もそのような感じだと思う。
本来、無償の愛ってのは無制限なものの筈だし、真紘も紬季へ全てを捧げるだろう事を厭わないだろうが、共存症の末に共倒れになっては意味がない。
これは、紬季が誰からも愛される存在であると気付かせるためのものだし、真紘を愛する末に依存心ばかりが強くなると何かあった時にたちまち脆くなってしまう。
現に再び落ち込んだ紬季は自ら自虐的な方向に追い込んでしまっていたからね。
そう考えての末だろうな…と感じるとなかなか奥深い愛情だと思う。

他にも奥深いと言えば、才能も魅力の一つなのに自分自身を愛してほしいと願う紬季のジレンマ、ピアノの音色を様々な表現方法での称賛、産まれてきて喜ばれる真意など、いくつかの要素も掘り下げて考えると深さがある。

2

常に音楽が流れているような話


自分を無価値だと思っていたピアニストが救われる話


トラウマにより自分は無価値だと思い込んでいる天才ピアニスト満和紬季(受け)。
こんな自分を愛してくれた義妹の沙凪江に人生を捧げていたのに、彼女は自分を庇って事故で死んでしまった。
ピアノを弾いているのだって沙凪江が喜ぶからというだけだったのに・・・
「自分なんていらない」と心を病んでしまった紬季は別荘に引きこもってしまうのですが、ある日世話係として紬季のピアノに救われたという男・銀城真紘(攻め)が訪ねてきます。
「あなたが好きです。あなたの恋人になります。どうせ死ぬなら、君のことは僕がもらいます。」と真紘は初めは強引にそして優しく紬季を癒してくれるのです。
真紘に癒されて真紘のためにピアノを弾こうと決めた紬季ですが、真紘は紬季のピアノをたくさんの人に聴かせたいと言ってくるのです。


幼少期のネグレクトに加え母親に捨てられたことで、自分はごみのような存在で生きる価値がないと思い込んでいるのが可哀そうでなりません。
養護施設で沙凪江が紬季を選び養子に迎えられますが、何故自分が良くしてもらえるのかわからず、沙凪江が目の病でそれを支えてほしいと言われて初めて自分の価値を見出し納得するのも辛いです。

自分は無価値だという想いはどれだけ真紘が言葉や態度で示しても、根底では受け入れられなくて、真紘がたくさんの人に聴いてもらいたいといったら、自分のピアノだけが好きなのだと誤解してしまうのです。
真紘が好きになっていた紬季は失恋したと思い込み、捨てられないようピアノを頑張らないとと自分を追い込みます。
養父が沙凪江を支えてほしいといったことを謝り、紬季のための人生を生きてほしいと諭しに来ても、結果はもっと真紘のために頑張らないとという違う方向への行動でした。
皆に愛されていることが全く受け入れられない紬季も聞いてもらえない周りの人も読んでいて辛かった。
せっかく、別荘で真紘と一緒にいて癒された心がまた病んでいくのも、行き場のない焦りに心が悲鳴を上げているのを読んでいるのが辛かったです。

辛い辛いと書いてしまいましたが、全体的には紬季がたっぷり愛され甘やかされています。
ただ、真紘をはじめ皆が紬季を愛しているのに、過去のトラウマのせいで自分に価値があると言われても他人が信じられないのです。
どんどん自分を追い詰めていく紬季がどうなるのか心配でしたが、真紘が自分の行動の間違いというか勘違いされていることに気が付いて、かなりの荒療治だったけど紬季が我に返って本当に良かった。

再び一年の休暇を取ることにした二人。
できれば、たっぷり休息してたっぷり愛されて自分の価値をちゃんと見つけた真紘の凱旋公演まで読みたかったなと思いました。

1

生きる価値、生きる意味、生きる喜び

今回は受様が引き籠る別荘にやってきた恋人志望の押掛ハウスキーパーと
義妹のためにピアノを弾き続けてきたピアニストのお話です。

失意の受様が攻様との出会いで恋を知り、自分で未来を選び取るまで。

受様は母の育児放棄により養護施設に入ります。今までぞんざいに扱われて
きた受様は施設でも誰にも心を開く事なく過ごしていました。

そんな中、受様は施設を訪れていた少女に気に入られ、彼女の一家に引取
られます。目に進行性の障害がある彼女を支える兄弟を探していたのです。
そして誰にも望まれなかった受様にとって義妹は生きる意義となります。

受様は義妹とともに始めたピアノで才能を発揮します。受様自身は大きな賞
にも名声にも興味はありませんでしたが、義妹を喜ばせるべく練習に励み、
海外の音楽院に留学、今までなく充実した日々を送っていました。

ところが、受様が帰国してコンサートを終え、久しぶりの長いオフの始まり
に悲劇が襲いました。義妹と出かけた街中で突っ込んできた車から受様を
かばって義妹が亡くなってしまうのです。

受様は義両親はじめ誰にも責められず、義妹の死も受け止められず、義妹の
ためにと続けていたピアノからも遠ざかり、義妹と過ごした別荘に引きこも
っていました。

そこで不健康な暮らしをしていた受様の元に、所属するレーベル会社社長の
紹介で貴公子然とした品のある男性がハウスキーパーとしてやってきます。
この男性こそ今回の攻様になります♪

攻様はデビュー当時からピアニストとしての受様を見続けてきたファンで
あり、自暴自棄になった受様がまたピアノに向かう日を信じて、受様の元に
やってきたのです。

どうせしぬなら、きみのことは僕がもらいます。
今日から、僕がきみの恋人となります。

受様を恋人にしたいという攻様の真意とは!?
そして受様がピアノと向き合う日は来るのか!?

誰にも必要とされなかった受様が誰のためでもなく生きる道を選択するまで
をシリアスに描いた物語です。

葵居先生はコミカルなものも書かれますが、不憫系で何らかのトラウマ持ち
な受様が沈んだ現状を克服し、未来の光を信じて立ち上がるシリアス系の
お話もお得意な作家さんです。プラチナ文庫のお話はシリアス系ですね。

本作はタイトルもカバーイラストからも不憫系な受様が再生するお話だろう
と楽しみに手にしましたが、期待以上に胸を打つお話でした o(>_<)o"

受様のトラウマが深いです。子供が自分の生きる価値を見出せなければ生きて
いない状況がとても痛いです。

自分の価値を信じられない受様は義妹が喜ぶから、褒めるからという理由から、
ピアニストとなるのですが、義妹が自分を庇って事故死した事から再び自分の
存在意義を見失うのです。

受様にとって誰よりも自分自身よりも大切で、まわりの人々にも愛されていた
義妹を失っただけではなく、守るべき存在を守り切れなかった事から、受様は
義妹との思い出の詰まった別荘へと逃げ込むのです。

受様を惜しむ誰もが現状打破を模索し、受様のピアノで人生を変えられた攻様が
行動を起こします。攻様はかつてピアニストを目指しながらも、受様の演奏で
その道を断念、いつか受様と関わりたいと調律技能士の資格までとる受様フリー
クだったのです。なのでかなりな溺愛攻です♪

受様を(陰ながらも)長く見てきた攻様は、放心した受様を現実に連れ戻すために
強引とも思える手段で受様の恋人となります。そして少しづつ受様の心を開いて
行くのですが、攻様が大手老舗レーベルの関係者だとわかり、受様の復帰作が
話し合われるようになった時から2人の関係がギクシャクしていくのです。

生まれた時から母にも、母のパートナーにもいらない子供として扱われた受様は、
養護施設で義妹の支える兄弟として自分を選んでくれた義妹に必要な人間となる
事で自分の存在に価値を見出します。

受様が義妹の死に向き合い立ち直りますが、自分自身の価値や存在意義を認めた
訳ではありませんでした。それ故に受様は自分の価値基準を攻様に必要とされる
事で測ろうとします。誰かのために生きる事でしたか自分を認められない受様が
とても悲しい。そしてそれは受様を愛する攻様をも苦しめていくのです。

どうやってこのすれ違いに終息が打たれるのか、2人はちゃんと恋人同士にるの
か、受様のピアノにまた豊かな音色が戻るのか、ハラハラ&キュンキュンしつつ
楽しく読ませて頂きました (^-^)

2人で過ごす日々が受様の音色を更に深めてくれるような日々である事を願って
やみません。

今回は薄幸受繋がりで葵居さんの既刊『九天楼の買われた花嫁』をおススメです。
こちらは吸血鬼モノのファンタジーになります。

0

正しいパトロン

何かの作品に触れて激しく感動してしまうと、私はそれを作った人のことも好きになります。崇拝することもあります。
実際は作品のイメージと作者の人となりが違うこともあるのですが、でも、どこか作品に通じる部分がある様な気がします。

紬季にとってピアノを弾く才能は義妹の沙凪江を喜ばせるための単なる手段という認識だったのかもしれません。でも、芸術は人が生み出すものですけれど、生み出された芸術も作者に対して大きな影響を与えるものだと思うのです。
紬季がそれを拒んでも、かれの音楽と彼はやはり一体のものだと思うのです。

作者よりも批評する立場にいる人の方が、良く解っている場合があります。
真絋という人は優秀な批評家でもある人なのでしょう。
彼の音楽を愛することと彼自身を愛することは同じことだと思っている。
真絋にとっては紬季の音楽は『性愛の香り』がするものだったのかもしれません。だから、肉体的にも愛したのだろうと。

途中で2人の間に起きる誤解は、紬季がどれだけ『箱入り』の芸術家だったのかが解るエピソードだと思います。この子ども子どもしさは少し心配。彼が持っているものが、大人になって落ち着いたら消えてしまうタイプの煌めきではありませんように。

ネット社会の広がりによって、芸術で生きていくやり方が変わって来ています。
昔ながらの芸術家とそのパトロン、あるいはつま(妻でも夫でも)の様な関係性に萌えました。

0

うーん…

受けがピアニストの小説ということで、演奏の描写はその穏やかな空気を感じ気持ち良かったです。
生き甲斐であった妹への気持ちにもウルっときました。

だけども、自分の好みにはちっともハマりませんでした。
愛し合った二人に対して深い感情が湧いてこなかった。

受けの紬季の真紘に対する執着ぶりはめんどくささと共に異常とも感じてしまった。
攻めの真紘は真実の愛を抱いていたとしても、恋人スタートは常軌を逸していると思うし素性を明かしてからの余所余所しさは見せ掛けだったとしても酷いものだと思う。

結果的に紬季は救われ相思相愛だったからこそのハピエンだけど、もしも紬季が真紘に恋愛感情を抱かなかったらと思うと…。
二人の行動に違和感を持ってしまったら最後まで盛り上がれませんでした。残念。

3

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