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表題作光と影の王 上 運命の代償

アーサー・アマディアス・ランドール
ノーザンヒール王国の第一皇子,18歳
リシャール・エルティア・メイレイン
フェルマス国の皇子,18歳

同時収録作品光と影の王 上 運命の代償

オーガスティン・ネルバ
ノーザンヒール国王
リシャール・エルティア・メイレイン
フェルマス国の皇子,18歳

同時収録作品光と影の王 上 運命の代償

カイル・ファンネル
ロードベル国皇子
リシャール・エルティア・メイレイン
フェルマス国の皇子

あらすじ

初めて出逢った幼き日から、互いに誰より心を許してきた親友で幼友達のアーサーとリシャール。二人は互いに、アーサーがノーザンヒールの世継ぎの皇太子、リシャールが人質としてその隣国フェルマスより来ていた王子という立場だった。幼いころは世間や国の事情など関係なく共に過ごしていたが、年を重ね、その立場を実感させられたリシャールは、その責務を果たさねばならなくなっていた。それは人質として、ノーザンヒールの国王陛下に乞われるまま、その身体を捧げること。美しく成長したリシャールと、正義感に溢れ臣下の期待もあついアーサー。二人は互いを想いながらも、すれ違うようになり……? 重厚な書き下ろしファンタジーBL、上下同時発売!

作品情報

作品名
光と影の王 上 運命の代償
著者
水壬楓子 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
電子発売日
ISBN
9784344853348
4.2

(23)

(13)

萌々

(5)

(2)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
94
評価数
23
平均
4.2 / 5
神率
56.5%

レビュー投稿数6

甘さ控えめ重厚ストーリー

上下巻の感想です。
中世ヨーロッパ風ファンタジー世界での王子×王子がメインCP…某M/M小説を思い出したのは私だけではないはずです。
とはいえ、悪い意味じゃないです。
個人的に好きな設定なのかもしれません。
重厚なストーリーに引き込まれて上下巻一気に読みました。

上巻はひたすら痛々しいかな…
国王(攻めの父親)×受け のシーンが何度も出てきて、だいたい人前とか無理矢理とか、国王に遠慮がないうえに描写もぼかしてないので読むのがツラかったです。
メインCP2人だけのベッドシーンは本編後の後日談にしか出てきませんし、全体に甘さは控えめですね。

だけど、受けが攻めのために長い年月着々と行動しているのがわかって胸が熱くなります。
あれもこれも、このためだったのかーって。
そこが一番の見どころでしょうか。

国を巡る騒動は予想外のところに決着しました。
ちょっと無理があるかなとも思いますが、意外性は十分です。
全体として、とても読み応えがあり満足しました。
こんなに充実した読書体験は久しぶりです。

挿絵がないことについてですが、家でも外出先でも誰かに見られる心配をしなくて済むので私は歓迎です。

0

究極すぎる愛の応酬の上巻。

幼い頃から兄弟同然に育ってきた皇子×「留学」という名の人質として攻めの国へやって来た他国の皇子。

上巻だけですでに激動すぎて、このあとどうなっちゃうの?!! と胸の辺りがキュッとなるような攻め受けの切ない別離で終わっていました。


攻めのアーサーがいい子すぎるんだけど、いい子すぎて、受けの国のことまで見えてないのが辛い。

辛いといえば、自分の国のためとは言え、策略として攻めの父である陛下に身体を差し出さなければならなかった受けの苦悩。

もっと辛いのは両片想いなのに、それぞれのバックボーンにある国が2人の絆に亀裂を入れてしまったこと。


けれど幸いなのは上巻の終盤で、受けに裏切られてもなお、攻めが受けを信じて、必ず国ごと受けを取り戻すと決意したこと。


受けちゃんが攻め以外の人にやられるなど、読む人を選ぶ可能性が高い作品かもしれませんが、このハードさが堪らない読者は一定数いるはずです。


お互いラブラブイチャイチャするだけの愛とはまたひと味違う、愛の深淵を読みたいかたにはぜひオススメの1冊だと思います(とりあえず上巻読んだ感想ですが)。


他の方のレビューにもありましたが、本文のイラストがないのは悲しいですね。
リンクスさんは今度からサイズが変更になるらしいので、このまま挿絵がなくなってしまうのは残念なので、今回だけが異例であってほしいです。




1

上巻のみの感想です

水壬楓子先生の作品って最近読んだかしらと調べてみたら、「たとえ業火に灼かれても」を去年読んでました。すっかり忘れてましたね。
今作もベテラン作家さまらしく読ませる作品でした。

もうね、ノーザンヒール国王のオーガスティンのザマァ展開のみを期待して読み進めました。この老いぼれめって!www

まだ上巻しか読んでませんが、この作品は好き嫌いが分かれると思います。十河先生の「毒を喰らわば皿まで」とか好きな方は好みかもしれません。あそこまで狡猾ではありませんが、長い年月を掛けてコツコツと反撃の機会を探るリシャールを応援する自分がいました。

ただリシャールと違ってアーサーの年相応の未熟さが目立ってしまって、出来の悪い子を見守る根気強さが読みてに必要だと思いました。彼が下巻でどう変わって行くのかが楽しみでもあります。

他の方のレビューにもありますがリンクスロマンスさんには珍しく挿絵がありませんでした。web作品を紙書籍にした他レーベルでは良くあることなのですが、北沢きょう先生の挿絵はファンタジーだと最高に美しいのでちょっと残念でした。

物語は間違いなく神評価ですが、リシャールの心情には切なさがあったものの、それが萌かと聞かれたら上巻では足りないと思ったので萌2評価になりました。

2

神表紙

きょう先生の素晴らしい表紙で、即買い。だったのですが……リンクスさん、今回だけですか??と問いたい心地になったのと、攻め受けともそんなに好きというキャラではなかったので、萌にしました。本編250頁弱。イラストレーターさん買いすることが多い私は、これからどうすれば…と戸惑ってます。

幼い頃から人質としてノーザンヒールで暮らしているフェルマスの世継ぎの皇子リシャール。ノーザンヒールの王太子アーサーと仲良く暮らしていましたが、成長するにつれアーサーはリシャールから距離を置かれるようになったと感じていて…と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
攻め父(国王)、他の人質王子たち、レイモン(攻め側近、幼馴染)、ルース(攻め弟)、大佐、ニナ(受けの配下♀)ぐらい?

++攻め受けについて

攻めは、うーん・・・?リシャールと仲良くしていることは嬉しいらしいですが、まだ恋心が燃え上がるってほどではなくて。18歳だから、そういう思いに胸を焦がすってのでもおかしくないと思うんですけど。色っぽい感じは無いでした。まっすぐ王太子、自分が継ぐであろう国のことを考えてはいるようですが・・正統派イケメンだと思いますが、「おお♡」と思うところが見当たらず。

受けは割合しんどいルート通るお利口美人さん。自分の国のため、そして大切な攻めのためにひたすら頑張る方。わあ・・・これお先真っ暗しか無くないか?と思う印象で、「ヤバイ久しぶりにバッドエンドか????」とビビりながら上巻終了、でした。

で冒頭書いた、問い詰めたい事ですが。
大好きなきょう先生の金髪美人さんなんだけどなあ・・なんとなんと、カラー口絵もなければモノクロ挿絵もない!!!!!!!!!!!どゆこと?????幻冬舎さんのHPとか見てみたけど、今後挿絵はありませんなんて文言見つけられなかったよ?この本だけ????????????なんだかショックだったでした・・・

4

人によっては地雷ありかもしれませんが

重厚で濃厚。そんな言葉がぴったりの上巻でした。
大小さまざまな王国で成り立つニアージュ地方。
かつて大きな戦が起こった際に勝利した同盟軍が乱立した王国をまとめ上げ、その中でも一際国力に勝るノーザンヒール王国を舞台に、一筋縄ではいかない苦しい物語が繰り広げられていきます。
いやー、すごかったです。読み応えがあります。
正直、上巻時点では甘みはほぼない…もしくはかなり少ないと思いますし、大きな地雷要素があるなんて方もいらっしゃるのではないかなと。
なんでもいける方や濃厚なお話をお求めの方、頭の切れる精神的男前な受けあたりにピンとくる方はぜひ。
主要国名と人名一覧が巻末に載っているので特に混乱せず読めるかと思います。
なんというのか、とても複雑な感情が入り乱れたお話なんですよね。夢や希望も描かれているのだけれど、愛憎も入り混じる重たい空気が漂います。
序章から一気に引き込まれました。

旧同盟軍に属していた周辺国から「客」としてノーザンヒール国に招かれて「留学」している、各国の皇子たち。
客なんていうのは建前で、要するに他国が楯突く前に牙を抜いてしまおうと囲い込んだ人質でしかないわけです。
今作の攻めでありノーザンヒールの皇子・アーサーと、小国フェルマス国の皇子・リシャール。
立場も知らず無邪気に遊び、兄弟のように共に育った2人の幼少期と、夢を語ったあの日。
彼らが現実を理解していく度に、幼い日々の出来事が眩しく映ります。

なぜこの親の元でこの子が育った?と思ってしまうほど、アーサーという人が実に真っ当な人物像で、彼が王になればきっとこの国は良い方向へいくのだろうなと思えるのです。
自国と周辺国の現実を知ったアーサーが語る夢や理想、その為に努力を惜しまない姿にも好感が持てます。
だからこそリシャールもアーサーの志に惹かれ、大きな信頼を寄せているのですが、そんな姿を見て焦る者もいて…他ならぬ父王がまあなんともどろどろと引っ掻き回してくれるんですねえ。
アーサーの父王は決して褒められた人物ではないのですが、自分よりも優れた若き才能に臆する描写が滑稽で、なんだかリアルで良かったです。

アーサーを想うも、立場上逆らえず王に抱かれるリシャールの痛々しい日々が続くのかと思いきや、逆に利用をして少しずつ地盤を固める姿におっとなるものの、自己犠牲が大きくてあまりにも切ないんですよ…
アーサーはアーサーでリシャールが王に抱かれている事実を目の前で知り、彼への友情を超えた想いを初めて自覚するやるせなさ。
読み手は両視点が読めているものですから、早くリシャールの真意に気付いて…なんて思ってしまうのですが、けれどもそう簡単にはいってくれません。
誤解と思い込みですれ違う姿に切なくなり、そもそもリシャールが抱かれる原因となったのがアーサーであるということも更に切ない。読みながら何度胸が詰まったのか。
たとえ自分の全てを捨ててでも、アーサーを信じて暗闇の中を悪としてつき進むリシャールに惹かれてやみませんでした。
たった1度の思い出を胸に閉じ込めて、泥の中でも美しく、萎れずに凛と咲いている彼のことが好きです。

とても気になるところで終わっていて続きが気になります。
上巻だけでこの読み応えで、下巻を読んだ頃にはどうなってしまうのでしょう…

6

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