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「お願い」言ってごらん
灼先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。
個人的、各項目5段階で
世話焼き 3
三つ巴 2
エロ 2
な感じだと思います。
大学生の浅見くんには、面倒だからと食事を抜いたりする、友人の千晃くんが居た。しかし、そんな千晃くんとは身体の関係があるが、拒まれることもあり、千晃くんの欲の琴線に自分は触れられないのかと、不安に思ってしまう。更には、浅見くんの年下の幼馴染の宝くんに、千晃くんが気にかけ始めているようで…。
今作は三つ巴、三角関係作品なので、最終的に3Pになることはありません。
因みに、身体の関係があるのは千晃くんと浅見くんで、受けの浅見くん視点で物語りが進みます。
何事にも興味が無く、食事すらきちんと食べない千晃くん。そんな千晃くんの為に、世話焼き癖がある浅見くんは放っておけず、食事の用意をしたりします。更には、幼馴染の宝くんのワガママにも文句を言いながらも勉強を見たりご飯を作ってあげます。
読んでいると、浅見くんと宝くんの関係性から、少しだけ牽制しているような千晃くんの言動や千晃くんと浅見くんの関係性をおもしろい思っていない宝くんなんだろうな、とは思うのですが、恋愛模様やキャラクターそれぞれが抱く想いがイマイチ分かりづらくて、結局宝くんは浅見くんのことが好きだったのか?千晃くんはもう少し嫉妬するような言動が見てみたかったなど、物足りなさがあったりして、萌えを見いだせなくて中立評価になりました。
恋愛模様は薄めですが、浅見くんが世話焼きになった理由や、キャラクターそれぞれの心理描写は細かく描かれていると思うので、読んでみては如何ですか。
事前情報無くいきなり読んでの、冒頭の印象は…
恋人がすれ違っている…
「イルカの耳骨」という耳慣れないモノを別の人のために探しているから、少し呆れて。
イルカの耳骨…そんな物が普通に砂浜に打ち上げられるようなものなのか、私は全く知らない。だからそれはまるで呪文か、または火鼠の皮衣くらい幻の宝物のようなイメージで、そんなものを探してこい、と命令するのは暴君かわがまま姫か。
そして、主人公の浅見は恋人の千晃と暴君・宝にひたすら気を使い、先回りして世話を焼き、尽くしている。ように見える。
読み進めると、浅見は小さい時のトラウマから必要にされないと価値がない、という考えに支配されているよう。
また、なんで恋人の千晃の「琴線」を浅見が探すのか。
…と思ってたら、どうやら千晃は「恋人」ではなくてセフレらしい。
ここがもう印象のズレ、です。
最後まで読むと、千晃自身は「恋人」のつもり。つまり浅見ひとりが全てに対して一歩も二歩も引いていて、自分なんか、という卑屈さから逃れられない。
確かにラストは希望のある終わり方だけど、思考回路の偏りはすぐには直らないから、千晃はその都度言葉で浅見の不安と誤解を消してあげなきゃですね。
浅見がなんとも切なくて、楽しい気持ちでは読めなかったかも。「萌」で。
特にファンタジー要素はないものの、灼先生らしい不思議な雰囲気が漂っていました。個人的にはちょっとストーリーに入りにくいな、と。千晃と浅見、浅見と宝の今までの関係性がほとんど掘り下げられないので、それぞれのことをあまり知らないまま、宝という第3者も交えて一気に話が進んでいくんですね。難しい話ではないので理解はできるけれど、読者としてどこにも思い入れがないのでずっと傍観しているような気分で、やっと千晃と浅見が想いを遂げられても喜ぶ気持ちが薄かったです。
耳骨…という聞きなれない単語から始まるストーリーですが、ラストまで重要なポイントになってきます!!
欲がない男千晃と、千晃の琴線に触れるものを探したい浅見、浅見の年下の幼なじみ宝。
三人のそれぞれの思いが微妙~~~なすれ違いを起こしていて、人間って面白いなぁ!(本人達は苦しい)って思いました。
浅見と宝はまるで共依存のような関係。自分の存在意義、自分を必要として欲しいがために『お願いをして欲しい』浅見と、そんな浅見の事を分かりながら自分にとってなんでもお願いを聞いてくれる存在として王様のようにお願いをする宝。一見宝の横暴さにびっくりしますが、浅見も宝も同じ『母親が居ない』という事が二人の関係を離れられないものにしています。
そんな中現れた(浅見にとっては友人兼セフレ)の千晃。彼は欲がないし言葉も少ないしで一見分かりにくいのですが、行動、言動の全てが浅見に自分の『お願い』を言わせるための行為だった事がのちのち判明してきて、愛に溢れていることが伝わって来ました。言葉少ない男って言わないだけで全部愛が伝わるんだよなぁ……でも近過ぎて当の本人には伝わって居ない感じ泣それが切ない。
浅見のお世話したい欲(彼の背景を知ると切ないのですが)を、千晃にも宝にも発動しているシーンが可愛いなぁと思いました。
誤解によるすれ違いがなくなってからの千晃と浅見はとてもピュアで、千晃の発した言葉もプロポーズのようでドキドキしました!
灼先生については全作品を読んだわけではありませんが独特な、まるで音も聞こえてこないような静謐な空気を纏った世界観をいつも感じています。
浅見の人の世話ばかり焼きたがる人の為に役立ちたいという『欲』は幼い頃父親に投げられた母親の「役立たず」という言葉や自分を置いて行った彼女の行動がトラウマになっていて切ないです。
宝の浅見への依存にも思える過剰な甘えたぶり、支配欲もやはり出て行った母親にも原因があるのでしょう。
わたしにも覚えがあるのですが、母親から捨てられたという意識は人によっては自分を愛せなくなったり自分を他者に押し付けたりで、克服するのには長い時間だけでは解決出来ないのではとも思いました。
浅見と宝の関係性から始まる交流では下手すると共依存になっていたのではと、だからこそ千晃の存在こそが浅見には必要だったのではないでしょうか。
利害関係の外側にあるものが愛情なのでしようね、、、
にしても、千晃がラストで浅見に言った
「浅見の耳骨をちょうだい」
これ、なんだかスゴいプロポーズの言葉ですよね。
まあ実際には焼いた後そんな小さなお骨は残らない、竹箸で拾えないでしょうけど。
その後の波打ち際での2人のちゅーは完璧に美しかったです♡
追記
えちシーンは意外?にもエロかったです。
なんなんだ、あの体位?
という感じで構図が全体が分かる引きで好みでした。
