電子書籍限定版
とらのとら先生
とあることがきっかけで知った作家様。
そのとき拝読した作品がとても素敵で忘れられない作家様となり
この作品を購入しました。
作品の設定、登場する駅、街、風景、人物、それらは見たことや
行ったことがある場所。登場する大学は多分あの大学。そして地域はあの辺かな?
ともすれば、ひょっこりその人物と遭遇する想像までしてしまいそうなリアルな設定。
こういった子たちが、今まさに電車から降りてくるかもしれない、そのカフェにいるかもしれない…と思えてしまうほどです。
そんな生き生きとした設定を感じられる中で紡がれる物語は優しさと日常がいっぱいで、引き込まれました。
異世界ものに登場すればきっと執着攻めになってしまいそうな千宙。そして天然癒やし系になってしまいそうな受けの菫くん。どちらのキャラも現代社会に溶け込んでいてとても穏やかです。敵を倒すために戦ったり、ふいに攫われたりするようなことのないごく普通の町並みの中で、時間を紡いで行くのです。
大切な家族や友人の人生を覗き見したような気持ちにもなりました。
そして何よりこの作品の良いところは「同性婚が日常になっている世界」ということです。
友達も両親も彼らの関係に反対してくるような人は出てこない…それが自然に感じられる世界観に書かれていることがファンタジーなのか?と思ってしまうほどです。
軽い山や谷はあるものの、ゆっくり関係を築いた二人。
結婚式のようはシーンはありませんでしたが、そうなったのだと推測されるたくさんのシーンによってそれが浮き彫りになります。
こういうところがこの作品の良いところの一つかもしれません。
私は二人が結ばれるクリスマスのシーンがとても好きでした。
何も用意していなかった千宙に対して、ちゃんと準備している菫くん。
このときの二人は告白し合ったた仲ではなかったけれど日常の中で、しっかりと関係を築き、多分そうなのであろうという空気感の中で一緒に暮らしていたのです。
ゆっくり相手のペースで進めようとしていた優しい千宙
もう我慢できなかった(そして一回自分で試してみた)菫くん
ここ、最高に萌えました…可愛すぎる。
一昼夜睦み合うのも若さゆえ。青春の甘さですね。良すぎます!
文学的雰囲気もあり、読んでいて丁寧な表現にうっとりでした。
昭和を感じさせる(もうレトロって領域なのですね)や庶民的な暮らしぶり。
場所設定だけでわかる空気感!
もうずっと語っていたくなるほど良かったのですが、
せめて物語の中だけでも、こんな可愛い二人がずっとずっと幸せでありますよう祈りたくなる素敵な作品でした。
評価「萌2」にしたのは
千宙の同級生カップルのお話と
男性が車で送ってくれるシーン
徳山さんのエピソードなど
あまりにも出来過ぎている部分が何箇所かあったからです。
1つぐらいなら気にならなかったかもしれませんが、この話は二人の話以外のことはあくまでもごく日常のままで良い気がしました。
紙書籍購入読了後、すぐ電子書籍も買って
限定SS「すみれくんのおてがみ」も拝読しました。
このお話も出来過ぎ!でも可愛いいしおまけのSSなのでOK(ご褒美枠)
本当に買って良かったです。また読み返したい作品になりました。
とらのとら先生、これからも応援したいです!
タイプの違う優しい2人のクロニクル
横浜から青山の大学通う千宙(攻め)は大学の入学式で一目惚れした秩父から通う菫(受け)と仲良くなりたくて、距離を詰めすぎず離れすぎずと絶妙な間取りで仲良くなっていきます。
通学が遠い菫が一人暮らしを検討していると知るや菫の気にいる物件を探し、ルームシェアへ持ち込みます。
タイプが違う2人ですがとても馬が合い、お互いを尊重しながら生活していくのです。
菫と千宙の2人それぞれの視点で、大学生活から社会人になってからの2人の生活を覗いてる感じ読んでいきます。
千宙は優秀で、それほど努力しなくても要領良く生きていけるタイプで就活でもたくさんの内定をもらっていました。
菫をとても大切にしているのですが、優しすぎて断れずに菫を泣かせてしまうこともありその度に後悔しています。
菫はほんわかのんびりというタイプですが、直感を大切にし、頑固なところもあります。
この話には悪い人が出てこないので、ストレスフリーで読めます。
同性の結婚が認められた世界線なので、初めから男同士とか考えることなく、普通に好きになって付き合うという感じに話が進むのですが、あらすじには書いてあるけど、本筋に同性の結婚が認められてるって話が出てこないので(最後の方にやっと出てくる)、同性同士ってことに誰も突っ込まないんだなーとちょっと不思議な気持ちで読んでいました。
2人が穏やかに時々困ったこともあったりしながら、これからも歩んでいくんだろうなとほんわかした気持ちで読めるお話でした。
とらのとら先生は「元愛人と年下の犬」で知り、あまりの文章のうまさとシチュ設定の好み一致で即ファンになりました。
情景描写、心理描写どれをとってもうまいんです。
同性婚が認可されてから20年ほど経っている舞台。
同性愛とか異性愛とかの概念がないというか、どっちもあって当然、みたいな空気感が良い。
恋愛の意味での好きという告白も、なんの抵抗もなく受け取ったり。二人のいい感じの空気に、おふざけ無しの「付き合っちゃえば?」というセリフが投げかけられたり、幸せな世界観。
大学の入学式で菫(受)に一目惚れした千宙(攻)。男だからとか男なのにとか一切なしに「かわいい」で頭が埋め尽くされて、一瞬にして脳内で受けをベタ惚れ溺愛してる全肯定botになってて微笑ましい。
エロシーンが濃密濃厚とか激しいとかではないのに、めちゃくちゃエロい。
単調でもなく、在り来りなシチュでもないから、流し見せず読める。
心理描写が本当に本当にうまい。
そしてお互いにベタ惚れの甘々溺愛してるから、隙あらばイチャイチャしてて尊い。
この笑顔守りたい、みたいになる二人です。
夢中で読んでると、いつの間にかニヤけてることに気づく。
ただレナ視点の悠太とレナ(メインカプの友人男女カップル)シーンは要らなかったかな。2ページほどですが。
BLの結婚ものにあまり惹かれないのですが、高評価だったので読んでみました!
先生があとがきでおっしゃられていますが、今回敢えて制度として同性婚が認められた世界という設定にしたと。
私には、それがとても良かったです。
現代ものでふんわり結婚と言われても…と違和感が強いタイプなので、そういう世界だときちんと言ってくれたので、2人がずっと一緒にいたい→結婚と考えたのがスムーズに捉えられました。
ストーリーは、とにかく優しく丁寧で甘くて大好きしか詰まっていない。そんな作品でした。
大学の入学式で攻めが一目ぼれして、仲良くなって、同居することになって…と一目ぼれから段階を踏んでお互い大好きな恋人同士になるまで。そして、社会人になって遠距離恋愛も経験して、お互いに何より大切にしたいものに気がつく。
2人のトキメキや恋心、大学生の青春や戸惑い、色んな感情が色鮮やかで温かい気持ちになりました。
個人的に萌えには刺さらずではありますが、素敵な作品だと思います。
この作品を後で思い出したとき、きっと攻めから受けの矢印がとてつもなくデカいと思い出すだろうな笑
受けも攻めを大好きなんだけど、とにかく攻めの「菫くん可愛い」が印象的です笑
