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表題作花にして蛇シリーズ2 サイコ

オーガスト・マルヴァニー
量子物理学教授、サイコパス一家の次男、30〜31歳
ルーカス・ブラックウェル
元FBI捜査官、犯罪心理学非常勤講師、33歳

あらすじ

ルーカスにはさわるだけで人の記憶が見えた。
その能力を隠しながらFBIのプロファイラーとして活躍していたが、殺人鬼に追いつめられて退職する。
だが大学講師として新たに迎えた初日、魅力的な同僚とぶつかった瞬間に見えたのは拷問と惨殺の光景だった。
オーガスト・マルヴァニー、輝かしい大富豪一家の天才息子は人殺しの怪物なのか。
しかもオーガストはルーカスに強い興味を見せ、彼の寝室にまで現れる――。
「花にして蛇」シリーズ第2弾。

作品情報

作品名
花にして蛇シリーズ2 サイコ
著者
オンリー・ジェイムス 
イラスト
市ヶ谷モル 
翻訳
冬斗亜紀 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403560613
4.8

(51)

(45)

萌々

(6)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
249
評価数
51
平均
4.8 / 5
神率
88.2%

レビュー投稿数7

最高にクール!

マルヴァニー兄弟の次男、拷問好きのオーガストのターン。
天才サイコパス・オーガストのストーリーも最高にクールでした!

またも法で裁けない悪党どもが登場し、その危険の刃がオーガストが懸想するルーカスに向けられていることから、マルヴァニー一家の出番となります。
泣く子も黙るサイコパス集団なのに、至って兄弟仲は良いし、殺ってることもエグい。このワチャワチャしたやりとりに毒気が抜かれてクスッとなるシーンがいっぱいでした。

そんなこともあってか、ダークでシリアスなストーリーでもそこまで重くならない読み当たりの良さがこの作品の良さだと思います。犯人はまたも最高にクソ野郎で、奴らの拷問ショーと殺人の痕跡にどんどん迫っていく過程にハラハラさせられました。
殺人犯の主犯はルーカスの元FBI時代の同僚。そしてその立場の裏で何人もの女性を殺める残虐な一面を持ち、更に言うとルーカスのストーカーという最悪な部類のサイコパス男です。
いやー…今回の犯人も相当イカれててウゲェ…でした。

ルーカスにストーキングする連続殺人犯に制裁を下したくて堪らないオーガスト……どんな風に"お掃除"してくれるのかゾクゾクしました。ラストにある拷問シーンは目を覆いたくなる描写なので、苦手な方はお気を付けて下さいね。
…とまぁ、事件に関しては少々パンチが効いてますが、恋愛に感してはピュアめなので、オーガストの恋心にぜひとも酔いしれましょう^ ^
ルーカスに恋するオーガスト、めちゃくちゃ面白いし可愛い。天然なのか、素直なのか、ノアに逐一進言を求めるピュアな一面は拷問好きのサイコパスとは思えない。ギャップ最高な熱烈アプローチは甘くて一生懸命でニヤニヤが止まらんでした。

前巻に登場していたノアの存在感も大きく、すっかりマルヴァニー一家の一員になってるポジションも面白かったです。アダムとは相変わらずラブラブで、このカップルの幸せが垣間見えたのも良き読後感に繋がりました!

0

アダルト!

こちらが気になって「アンヒンジ」をまず読んで、あまりハマらず…と思ったものの、最初に気になった直観を信じて読んでみたのですが、結論「こっちのが好き!」でした。面白かったです。

サイコパスとサイコメトラー、ふたりとも大学教授で一人は元FBIっていうIQ高い同士のちょっと変わった恋愛という設定が好みでした。しかも、リバあり!基本は固定のよう(?)ですが、途中そういう流れからの~という、リバファンにはご褒美のような展開がありました。同性だからこその設定、海外ゲイ事情描写は個人的に性癖ポイント高いです。一方は大富豪とはいえ、ふたりの立場、教養、体格wの同等さっていうのもストライクゾーンど真ん中でした。

頭脳明晰な恋愛童貞がどうすれば恋愛できるだろう?って凡人に教えを乞う、好きになってもらえるよう努力するプロセスが可笑し可愛い。そもそも他人の家に無断で侵入するという行為は嫌われるはずなのですが、レベルが高い彼らの場合、恋愛が始まってしまうという妙w。通報必須の不審者でシリアルキラーな同僚を、なんだか好もしいと受け入れる元FBI捜査官の犯罪心理学者もかなりクレイジーっていう、本当に割れ鍋に綴じ蓋カップルっぷりがよいです。それぞれ表面的には大人のテンションで溢れんばかりの下心を包んでいるところなんかは大人可愛いものがあります。包んでいないときのスケベ描写の官能みは翻訳者さんの功なのでしょうが、とても読み応えがありました。(でもちょっと長すぎるかも…と思わなくもなくもない…かな)

ふたりがやっつける”悪”、犯罪組織についての描写に物足りなさを感じてしまうのは前回と同じだったのですが(もう少し背景の説明が欲しいかも…、あまりにあっさりやられてしまうので…)、まぁロマンス部分はどういう着地点で落ち着くの?っていう危うさが感じられて一気読みに近い速度で読まされてwしまいました。きっとシリーズ続刊にも手を出してしまうでしょう。モル先生のイラストが内容を盛り上げていることも間違いないです。

1

サイコとクレイジー

1巻に比べて、アダムは粗野に感じ、アティカスは神経質な兄っぷりが増しているように感じた。アティカスが変な女と付き合ってたってのもまたおもしろポイントで。このままではお笑い兄弟になってしまう。サイコパス殺人一家とは一体…?いや、自分がサイコパスというものに幻想を抱きすぎなのか。

そして一家の凄さもさることながら、本当に凄くてかつ危険にさらされているのはカリオペではという気がしてくる。

サイキックのセックスはいかほどに素晴らしいものか、というところは確かに気になるので、期待に応えてくれる描写だっだ。確かに狂気をはらんでいると言えるほど一途な相手でないと、怖くてセックス中の感情なんて読み取れない。しかしそんな相手であれば、成る程こうなる。サイコとサイキック。

結局、私刑を喜ぶ世の中は、愛されないサイコパスの子がいる世の中と同様に健全とは言い難いんだよな。

1

殺人をプレゼント

アンヒンジがとても好みだったので、購入。
サイコもとても良かったです。家族の賢い担当オーガストのお話。
お話としては、独立しているのでサイコから読んでも問題なさそうですが、家族の説明がアンヒンジの方が丁寧な気がするので、前作を読んでからのほうが楽しめるかも。時系列もアンヒンジ→サイコです。

リバ、ナイフ使ったプレイ、流血注意。
前作同様2人の目線を入れ替えながら章は進みます。悪人の手により、女性たちがひどい目にあいます。ぼかされてはいますが苦手な方はご注意を。オーガスト目線はめちゃくちゃ淡々としているので、凄惨描写もなんでもなさそうにサラッと流れます。

ルーカスに出会って7秒で惚れ、初めての執着に困惑し、アダムとノアに意見を聞くオーガスト。ノアのアドバイスに従い、恋愛マニュアル5冊読んだりします。かわいい。
気になるあまり部屋に無断侵入を何度も果たし、それを隠そうともせず、飲んでる薬を調べたり、追ってる悪人を知り「人殺しは、恋人のプレゼントに入るだろうか?」と自問したりします。
拷問が好きでサディストな面を持ちながら、そんな自分がルーカスを殺してしまわないか心配し、縛って欲しがったり攻められたがったりします。SMどっちも持ってるんでしょうね。
恋人だけに優しい殺人鬼を地でいくお話ですので、ずっと甘いし優しいです。ゲイでどっちも可。

対するルーカスは元FBIでプロファイラー、さらにはサイキックでもあります。正義感があり強いですが、ややしなやかさに欠ける印象。努力が報われず、ポッキリ精神的に参ってるタイミングでオーガストと出会います。最初は理性で抵抗しますが、割とすぐ落ちます。ノアと比較するとかっこいいです。
自分を相手に刻みつけたい思いを隠し持っていて、ナイフプレイなんかしてみたり。サイキック能力を使って、入れられてるときに、入れてる気分も味わう特殊プレイができます。もともとゲイでどっちも可。

アダムとノアは相変わらずセットでいちゃこらしてるのでとてもほっこりしました。ノアがマルヴェニーのお仕事もちゃんと手伝えてて、家族になっていることも確認できます。

家族の仕事自体も相変わらず面白く描かれていて自作が待ち遠しいです。双子はやっぱり3人になるのでしょうか。なってもならなくてもとにかく楽しみです。

3

世界一センチメンタルなサイコパス

シリーズ二冊目、サイコパス7兄弟の賢さ担当オーガストのお話。元FBI捜査官で透視能力を持つルーカスに出会い、激しい執着を見せる。今のところ、マルヴァニー家の中ではこのオーガストが一番好きかも。不器用に恋する教授が可愛かった。

IQが高すぎるゆえに親に疎まれてきたオーガストは、トーマスに引き取られ、サイコパスであることを隠して生きていくための教育を受けている。その成果なのか、感情の欠落部分は思考で十分に補えている印象。

感情がなく、この場合はこういう感情を示すのが正しいだろうという、指標に沿って外面を形成しているオーガスト。サイコパスといっても、良い意味で人間味を感じた。共感しやすく、建て前社会では特に馴染み深い思考だと思う。

恋愛初心者で、分からないことを弟カップルから学ぼうとするところがとても好き。当然のようにルーカスの部屋に不法侵入し、自身をナイフで傷付けるのはさすがに怖いけど、相手はなにしろサイキック。異常に見えたオーガストの行動も、本能的に共鳴するところがあったのかもしれない。

今回の事件も性暴行に関するもので、シリーズ一巻同様具体的な描写は抑えられており、そこまで覚悟しなくても読めた。
かつて同じFBI捜査官である犯人を告発したルーカスは、組織からつまはじきにされた。その理不尽さも仕方ないと理解しつつ、悔しさも分かる。自身の基準で透視能力を信じるオーガストがルーカスの特別になるのも頷ける流れだった。

解決までの展開は、正直既視感があるというか、シリーズ一冊目を踏襲しているかのよう。まだ二冊なので分からないが、この流れを定番にしていくのかな。
ヒロインポジのキャラが突っ走ってピンチに陥り、マルヴァニー家側が上手く収める。これは失敗する、と分かりやすい暴走行動は少々唐突に感じた。

サイコパスに人を愛せるのか?というテーマには、とても綺麗な答えが示されていた。世界一センチメンタルなサイコパスと言われるオーガストが可愛いし、そんなオーガストを可愛いと思うルーカスも魅力的。唯一無二の片割れを見つけた二人だと思う。

3

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