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表題作花にして蛇シリーズ2 サイコ

オーガスト・マルヴァニー
量子物理学教授、サイコパス一家の次男、30〜31歳
ルーカス・ブラックウェル
元FBI捜査官、犯罪心理学非常勤講師、33歳

あらすじ

ルーカスにはさわるだけで人の記憶が見えた。
その能力を隠しながらFBIのプロファイラーとして活躍していたが、殺人鬼に追いつめられて退職する。
だが大学講師として新たに迎えた初日、魅力的な同僚とぶつかった瞬間に見えたのは拷問と惨殺の光景だった。
オーガスト・マルヴァニー、輝かしい大富豪一家の天才息子は人殺しの怪物なのか。
しかもオーガストはルーカスに強い興味を見せ、彼の寝室にまで現れる――。
「花にして蛇」シリーズ第2弾。

作品情報

作品名
花にして蛇シリーズ2 サイコ
著者
オンリー・ジェイムス 
イラスト
市ヶ谷モル 
翻訳
冬斗亜紀 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403560613
4.8

(42)

(37)

萌々

(5)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
205
評価数
42
平均
4.8 / 5
神率
88.1%

レビュー投稿数6

アダルト!

こちらが気になって「アンヒンジ」をまず読んで、あまりハマらず…と思ったものの、最初に気になった直観を信じて読んでみたのですが、結論「こっちのが好き!」でした。面白かったです。

サイコパスとサイコメトラー、ふたりとも大学教授で一人は元FBIっていうIQ高い同士のちょっと変わった恋愛という設定が好みでした。しかも、リバあり!基本は固定のよう(?)ですが、途中そういう流れからの~という、リバファンにはご褒美のような展開がありました。同性だからこその設定、海外ゲイ事情描写は個人的に性癖ポイント高いです。一方は大富豪とはいえ、ふたりの立場、教養、体格wの同等さっていうのもストライクゾーンど真ん中でした。

頭脳明晰な恋愛童貞がどうすれば恋愛できるだろう?って凡人に教えを乞う、好きになってもらえるよう努力するプロセスが可笑し可愛い。そもそも他人の家に無断で侵入するという行為は嫌われるはずなのですが、レベルが高い彼らの場合、恋愛が始まってしまうという妙w。通報必須の不審者でシリアルキラーな同僚を、なんだか好もしいと受け入れる元FBI捜査官の犯罪心理学者もかなりクレイジーっていう、本当に割れ鍋に綴じ蓋カップルっぷりがよいです。それぞれ表面的には大人のテンションで溢れんばかりの下心を包んでいるところなんかは大人可愛いものがあります。包んでいないときのスケベ描写の官能みは翻訳者さんの功なのでしょうが、とても読み応えがありました。(でもちょっと長すぎるかも…と思わなくもなくもない…かな)

ふたりがやっつける”悪”、犯罪組織についての描写に物足りなさを感じてしまうのは前回と同じだったのですが(もう少し背景の説明が欲しいかも…、あまりにあっさりやられてしまうので…)、まぁロマンス部分はどういう着地点で落ち着くの?っていう危うさが感じられて一気読みに近い速度で読まされてwしまいました。きっとシリーズ続刊にも手を出してしまうでしょう。モル先生のイラストが内容を盛り上げていることも間違いないです。

0

サイコとクレイジー

1巻に比べて、アダムは粗野に感じ、アティカスは神経質な兄っぷりが増しているように感じた。アティカスが変な女と付き合ってたってのもまたおもしろポイントで。このままではお笑い兄弟になってしまう。サイコパス殺人一家とは一体…?いや、自分がサイコパスというものに幻想を抱きすぎなのか。

そして一家の凄さもさることながら、本当に凄くてかつ危険にさらされているのはカリオペではという気がしてくる。

サイキックのセックスはいかほどに素晴らしいものか、というところは確かに気になるので、期待に応えてくれる描写だっだ。確かに狂気をはらんでいると言えるほど一途な相手でないと、怖くてセックス中の感情なんて読み取れない。しかしそんな相手であれば、成る程こうなる。サイコとサイキック。

結局、私刑を喜ぶ世の中は、愛されないサイコパスの子がいる世の中と同様に健全とは言い難いんだよな。

1

殺人をプレゼント

アンヒンジがとても好みだったので、購入。
サイコもとても良かったです。家族の賢い担当オーガストのお話。
お話としては、独立しているのでサイコから読んでも問題なさそうですが、家族の説明がアンヒンジの方が丁寧な気がするので、前作を読んでからのほうが楽しめるかも。時系列もアンヒンジ→サイコです。

リバ、ナイフ使ったプレイ、流血注意。
前作同様2人の目線を入れ替えながら章は進みます。悪人の手により、女性たちがひどい目にあいます。ぼかされてはいますが苦手な方はご注意を。オーガスト目線はめちゃくちゃ淡々としているので、凄惨描写もなんでもなさそうにサラッと流れます。

ルーカスに出会って7秒で惚れ、初めての執着に困惑し、アダムとノアに意見を聞くオーガスト。ノアのアドバイスに従い、恋愛マニュアル5冊読んだりします。かわいい。
気になるあまり部屋に無断侵入を何度も果たし、それを隠そうともせず、飲んでる薬を調べたり、追ってる悪人を知り「人殺しは、恋人のプレゼントに入るだろうか?」と自問したりします。
拷問が好きでサディストな面を持ちながら、そんな自分がルーカスを殺してしまわないか心配し、縛って欲しがったり攻められたがったりします。SMどっちも持ってるんでしょうね。
恋人だけに優しい殺人鬼を地でいくお話ですので、ずっと甘いし優しいです。ゲイでどっちも可。

対するルーカスは元FBIでプロファイラー、さらにはサイキックでもあります。正義感があり強いですが、ややしなやかさに欠ける印象。努力が報われず、ポッキリ精神的に参ってるタイミングでオーガストと出会います。最初は理性で抵抗しますが、割とすぐ落ちます。ノアと比較するとかっこいいです。
自分を相手に刻みつけたい思いを隠し持っていて、ナイフプレイなんかしてみたり。サイキック能力を使って、入れられてるときに、入れてる気分も味わう特殊プレイができます。もともとゲイでどっちも可。

アダムとノアは相変わらずセットでいちゃこらしてるのでとてもほっこりしました。ノアがマルヴェニーのお仕事もちゃんと手伝えてて、家族になっていることも確認できます。

家族の仕事自体も相変わらず面白く描かれていて自作が待ち遠しいです。双子はやっぱり3人になるのでしょうか。なってもならなくてもとにかく楽しみです。

3

世界一センチメンタルなサイコパス

シリーズ二冊目、サイコパス7兄弟の賢さ担当オーガストのお話。元FBI捜査官で透視能力を持つルーカスに出会い、激しい執着を見せる。今のところ、マルヴァニー家の中ではこのオーガストが一番好きかも。不器用に恋する教授が可愛かった。

IQが高すぎるゆえに親に疎まれてきたオーガストは、トーマスに引き取られ、サイコパスであることを隠して生きていくための教育を受けている。その成果なのか、感情の欠落部分は思考で十分に補えている印象。

感情がなく、この場合はこういう感情を示すのが正しいだろうという、指標に沿って外面を形成しているオーガスト。サイコパスといっても、良い意味で人間味を感じた。共感しやすく、建て前社会では特に馴染み深い思考だと思う。

恋愛初心者で、分からないことを弟カップルから学ぼうとするところがとても好き。当然のようにルーカスの部屋に不法侵入し、自身をナイフで傷付けるのはさすがに怖いけど、相手はなにしろサイキック。異常に見えたオーガストの行動も、本能的に共鳴するところがあったのかもしれない。

今回の事件も性暴行に関するもので、シリーズ一巻同様具体的な描写は抑えられており、そこまで覚悟しなくても読めた。
かつて同じFBI捜査官である犯人を告発したルーカスは、組織からつまはじきにされた。その理不尽さも仕方ないと理解しつつ、悔しさも分かる。自身の基準で透視能力を信じるオーガストがルーカスの特別になるのも頷ける流れだった。

解決までの展開は、正直既視感があるというか、シリーズ一冊目を踏襲しているかのよう。まだ二冊なので分からないが、この流れを定番にしていくのかな。
ヒロインポジのキャラが突っ走ってピンチに陥り、マルヴァニー家側が上手く収める。これは失敗する、と分かりやすい暴走行動は少々唐突に感じた。

サイコパスに人を愛せるのか?というテーマには、とても綺麗な答えが示されていた。世界一センチメンタルなサイコパスと言われるオーガストが可愛いし、そんなオーガストを可愛いと思うルーカスも魅力的。唯一無二の片割れを見つけた二人だと思う。

3

サイコパスの「嫌われない努力」

花にして蛇シリーズ2作目。
サイコパス7人兄弟・次男のお話になります。
1度だけリバしてます。それだけご注意を…。

オムニバス形式なので前作未読でも大丈夫かな。
でも1作目のアダム×ノアの登場率が高かったので、
最初から読んでおくと解像度が上がると思います!

さてさて2作目は次男・オーガスト…!
前回は殺人に感情を持たない末っ子アダムに対して、
オーガストは嬉々として拷問を楽しむタイプでした

そんな男が恋という感情を知ったらーーー?

いや~~~~今作もめっちゃ良かったです(∩´///`∩)
 ◎必要悪として訓練・管理されたサイコパス
 ◎サイコメトリー能力を持つプロファイラー
と、本来なら追う者と追われる者の関係なんですが、
オーガストの特性が特性なので一概には行きません。

これがま~~~~!!!
深層心理に触れて沼に落ちていくような愛なのです。
オーガストの潔癖さが意外にロマンチストとなって、
キュンキュンしながら読みました(∩´///`∩)

オーガストもアダムと同様に
「人を愛せない、感じる能力がない」と自認してます。
けれど自分のお気に入りに対しては激しい執着がある。
自分の側に置いておかないと気が済まないのです。

ルーカスに出会って自分のモノにすると決めた時、
最初にしたのが「ルーカスに嫌われない努力」でした。
アダムやノアにアドバイスをもらって頑張るのですよ。

そしてオーガストの理想型が、
アダム×ノアのような恋人関係なところも驚きでした。

(甘ったるい関係をバカしてるのかと思ってたら…)
(自分もルーカスとこうなりたい!と言ってて…)
(オーガストの意外な可愛さが萌えに刺さった…!)

どうすればルーカスと理想の関係を築けるのか。
試行錯誤を繰り返しながら嫌われない努力をする姿が
ホンットもぅ!めっっちゃ良かった~~~~!!!

って書くとサイコパスみがないよう見えるかもですが、
いやいや、しっかりサイコパス思考は全開なお人です。

ルーカスを大切にするのも、
欲求のまま行動したらこの世から居なくなっちゃうし、
ルーカスの居ない世界が耐えられないから大切にする。
ーーー的なね…。(∩´///`;)
サディスティックな願望はあるにはあるんですよね…。

だからこそ自分のタガが外れるのをとても恐れてて、
セックス時は縛られて痛めつけられる側になりたいと願うのです。

で。一方のルーカス。
正義感がとても強い人で、
正義感ゆえに行動した先で周囲から浮いてしまって…。
精神的に追い詰められて、現在はボロボロの状態です。

特異的な能力を持っているけど誰にも信じて貰えず、
精神病扱いされて、FBIからも離職し、、、
オーガストに出会った頃は人間不信に堕ちてました。

ルーカスが普通の状態で出会っていたら
オーガストがやっている殺人を許さない気がします。
けれどルーカスはオーガストを拒めませんでした。

世界で、たった唯一の、理解者だったからーーー。

プロファイラーであるルーカスが
オーガストの深層に触れる度に絆されていく過程は
バックボーンの組立が見えるのでストンときました。

それほどにルーカスの心は
寄る辺がないほど不安定で読んでてシンドイんですよ。
これは精神を病んでもしかたない…(;ω;)
というかよく今まで耐えてきたね…(;ω;)

(この辺りの描写はマジしんどかった)
(サイコパス度は1作目より上かもしれん…)

そんなルーカスを守ろうと動くオーガストが胸熱だし、
オーガストに守られるのを嫌がるルーカスも胸熱です!
病んでても矜持は捨てない…。対等なんですよ…。

1度だけリバがありましたが、
ごく自然な流れだったので個人的には良かったです。
ストーリーの展開と合ってるリバは良質ですね…!

2作目も良かった~~~!!!
あと7人兄弟を俯瞰して見られてのも大変良かった。
ルーカスのプロファイル付きなのでわかりやすい…。

(兄弟となってるけど実質上下関係はなく、)
(兄弟同士の会話は幼稚性があるとことか、)
(解像度が少しずつ上がって良き良き)
(あと父・トーマスの過去もチラッと出てきた…!)

次回作も楽しみですヾ(*´∀`*)ノ

8

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