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「Reset」本編直後のお話で、優梧が三崎の両親に交際の許可をもらうあれやこれや。宣言通り、三崎が卒業してすぐの4月1日に三崎家を訪れた優梧は、母親にブチ切れられる。終始ドタバタした雰囲気の中、確かな温かみを感じられて良かった。
交際の報告だけでなく、いきなり同棲まで切り出した優梧にブチ切れるのは、三崎の親としては当然かと思う。卒業後に付き合い始めたはずの17歳上の元担任教師が、激重感情をぶつけてくるのはさぞ怖かっただろう。
そうでなくても三崎は心臓が弱く、何度も手術を重ね、死ぬかもしれない危機を乗り越えて来た子供。親が過保護になるのは仕方なく、先に逝く可能性の高い年上の相手を認めたくない気持ちも理解できる。
そこは優梧も分かっていて、でも自分も諦める気なんてなくて、長期計画で挑んでいる。このときの優梧と三崎の関係性は、優梧と留加の高校時代の関係性に似ていて、なんだか微笑ましかった。
両親の出した答えは、一瞬引いてしまいそうになる提案だったけど、その奥に在る意図を知れば、しっかりと愛情を感じられる。あと弁護士の母親が強くてちょっと笑ってしまった。
無気力で荒れていた優梧が再び将来への希望で満ち溢れ、三崎は弱音や文句やわがままを言えるようになっていく。幸せな余韻に浸れる続編だった。