電子特典付き
過去の恋に囚われる彫り師×平凡な自分を変えたいノンケリーマン
恋人に裏切られた二人が辿り着いた愛。
会社員の尚紀は結婚を目前にして婚約者から
「つまらない」とフラれてしまいます。
彼女から言われたことはあながちハズレでもなく、
そんな自分を変えたいと思っていたある日、
たまたま立ち寄ったタトゥースタジオで彫師の愛助と出会います。
タトゥーを彫るためのヒアリング中に愛助から触れられた身体は
なぜか熱を帯びてしまい…。
ノンケのはずなのに、愛助と距離が近づくだけで、触れられただけで、
まるで欲求不満みたいに興奮してしまう尚紀。
そんな尚紀の反応に愛助も欲情しだして…会う度に触れて、繋がって、
少しずつ彫師と客の一線を越えてゆく二人。
けれど、彼らは恋人同士というわけではありません。
あくまで二人の繋がりは身体だけ。
生まれ変わるためにタトゥーを入れたい尚紀と、失恋を忘れたい愛助。
過去の傷を癒すために抱き合うだけの関係。
でも、こんなにも求め合っているのに?
見た目のタイプも仕事も性格も、一見相容れない愛助と尚紀。
だけど、不思議と二人の醸し出す空気は心地よかったです。
大人な関係だったはずなのに、
いつしか二人とも嫉妬心やら執着心が芽生えていて、
どこからどう見ても両想いになっていて、
それなのにすれ違ってしまう二人がもどかしくてたまりませんでした。
最後は想いを通じ合わせ…
ちゃんと尚紀の誤解をとくために家に訪ねてきた愛助と
そんな彼から逃げずにまっすぐ向き合った尚紀。
色々とえっちなんだけど、醸し出す空気感がどことなく
ピュアめいていて可愛い二人でした。
つまない男が一歩踏み出して、これまでとは違った世界に関わっていくけど…
マッシュ先生の描く表情の巧みなこと!
言葉にはできない堪えた想いが表情に込められてて魅せられます。
タトゥーを入れることで簡単に変わるわけではないけど、
タトゥーのデザインだけでなく、纏わる想いにグッと惹きこまされ、
身も心もどんどん開かれてく様子がなんともいえない妖艶さがあって!
最初は愛助の方が妖しい魅惑的な関わってはいけない、けど目を離せないイケないお兄さん感が強かったのに
最後は尚紀の方にスパダリ聖母感が出てきて、
2人が出会ったからこその変化、純愛に胸打たれました!!!
試し読みの導入部分がめちゃくちゃいい感じで迷わず購入しました。
タイトルにも書いた通り、勝手に途中でつまづいて波に乗れないまま終了…あぁぁ(^^;
そのつまづきポイントなんですが、自ら自身の体に彫った元彼の名前を泣きながら消す(隠す)というかなり真面目かつ泣けるであろう大切なシーン。
そこで明かされる元彼の名(利一)を「R1」と彫ってると知る私。
その瞬間、何を思ったのか「体調管理に…」のCMが頭をよぎってしまい没入感から一気に覚めちゃったのです。悲し( ¯꒳¯̥̥ )︎
なんで仲間由紀恵親子を思い付いちゃったかな〜って思いながら読み進めてももう作品の世界には戻れずラストまで行きましたわ( ߹ㅁ߹)えーん
婚約者から別れを切り出され、バツイチになったと思っていたら、届出を出しておらずバツすらついていなかった三十路独身男の尚紀。
生まれてから「つまらない」に閉じ込められていた尚紀は、ふと会社帰りにタトゥースタジオに引き寄せられ、入店する。
そこで出逢った彫り師の愛助。
一生モノであるタトゥーを入れる覚悟を説明してくれたり、尚紀のタトゥーを入れたい経緯などを親身に聞いてくれているうちに惹かれていき、性的な感情まで芽生えてしまい、、、
愛助の身体に刻まれた、過去の恋愛の末路。
そして、それ以来勃つことがなかった愛助が、尚紀によって反応したこと。
また、愛助のタトゥーに救われたというお客さんたちの存在。
恋を失ったあとからストップしていた、愛助の師匠のタトゥー。
すべては尚紀があの夜、一歩踏み出したことによって、その運命の歯車は動きはじめ、やがてお互いの存在がお互いを救済する、尊い関係性が築けていけたのではないかと感じました。
それから、最終的に尚紀は愛助が提案した最高傑作を、本当に身体に刻むのだろうかと気になったラスト。
もッッのすごく、納得のいくかたちで着地したなあという感想でした。
正直、そうであってほしいラストを願っていたこともあり、不自然でなく自然なカタチで、ラブエンドが描かれていたことに、感銘を受けました。
タイトルの「愛の刺青」を深読みし、尚紀は一生モノの愛助という存在のタトゥーを全身に刻まれたんだなあと、、、
また、愛助のブラックアウトのタトゥーにも浮かび上がった、尚紀からの愛の刺青に、なんだか感慨深さを覚えた、尊い大人の恋愛の最高傑作だったように思いました。
刺青系BLが苦手な方も、
この作品の攻めと受けふたりがお互いの存在により救われていく愛のお話を。
ヒューマンドラマを。
ぜひ、食わず嫌いしないで読んでいただきたいと感じました。
初読み作家さんですが、表紙が印象的で、綺麗だったのと良いレビューが多かったので買ってみました。
一読して、あれ、なんだろう、この感覚、となり、再読して、やっぱりなんだろう、となりました。
言葉にするとけなしているかのようになってしまう感想を抱く、不思議で新感覚になるお話でした。
キャラクターも展開も全てにおいて現実味が薄いです。
だけどそれが浅いというのではなくて、わざと薄味にしているような気がしました。
1つの物語というよりも1つのメッセージ性のある曲のMVを見ているかのような印象を受けました。
新しい雰囲気、新しい手法の物語に初めて触れた感覚があります。
メインのキャラクターにそれぞれにあえて強烈さを出していないのではないでしょうか。
人物像を掘り下げてじっくり読み込ませるのではなく、読者の目と心で感じるように図られるように感じました。
言葉やエピソードを大量投入したほうがわかりやすいと思いますが、そうではなく、赤色マッシュ先生の感性と手法によるものだと思います。すごい作家さんに出会ってしまった、と感激しました。
登場人物ほぼ全員、美しく麗しいです、漫画なので動きがない静止画なのですが、1つ1つのシーンの人物が、滑らかで揺蕩うような様子を見せていました。動き、鼓動、揺らめきを感じました。
愛助と尚紀の出会いから両想いになるまでが描かれていますが、この2人が織り成すこの後の物語もとても読んでみたくなりました。