チル76
とにかく『凄い』ものを読みました…
生半可な執着ではない真の執着
その満たされぬ劣情を貫くための手段は一切選ばない
非道の限りを尽くすのに決して手放せない
まさに愛憎渦巻くパラノイア
その常軌を逸した執着の行方は壮絶でした
あ…。あまりの興奮具合に全く作品内容について触れてませんでしたが、、、
時のお殿様がある絵師の幼子を見初めお手付きとする所から始まります
その幼子は幼名は信乃(しの)、父亡き後に家督を継ぎ春信と名を改め城お抱えの絵師となります
城を離れても尚、殿から呼び出されればその体を差し出す日々
春信の心は蝕まれていきますがその心を知ってか知らずかお殿様は決して春信を解放する事はありません
そんな折春信が1人の宿無子を拾い、自分の家の下男とします
その子の名は「すて」
すては春信が置かれてる状況を最初は知らずに強く春信に惹かれていきます
春信もまた自身の置かれた環境などのしがらみに囚われずにそのままの自分を見て、欲してくるすてを可愛く思います
しかしながらそんな平穏な時間が続くはずもありません
なぜなら春信には殿の間者が常に監視をしているので春信の全ては殿に筒抜けです…今で言えば完全なる金持ちストーカーですね(;゚Д゚)…
殿による執着を超える執着愛
すてが注ぐ一途な純愛
この2つの温度差愛の陰でひっそりと秘める第二、第三の恋心も見え隠れ、、、
まさに傾国級の春信という存在が時代を、人を狂わし、そして狂おしく堕ちていく日々の先、、、
ドッロドロ過ぎる愛憎劇の成れの果てにこれまた予想だにしない結末にも私は驚きました
予定調和など一切皆無な物語
他では味わえないお話しを読みたい方にはとてもおススメです!!
ただ、、、相当な地雷がございます、、、
ココは十分に注意して読まれて欲しいと思います
作品内容に関わる内容なのでコメント欄に地雷要素は書いておきますね
本気で何の地雷の心配もない方以外には事前の確認はおススメしたいと思います…
あと、この作品、電子サイトによっては「ホラー」のタグが付いてるんですが、、、実際は一切ホラー要素ありませんので…。。。
多分ですが、江戸時代に書かれた怪異小説9篇からなる「雨月物語」という作品があって、その中に収録されてる中篇が「蛇性の婬」というお話しだそうで、、、
音読が同じなのでそこでオマージュ作品と思われた可能性も高いですね、、、
今作は「蛇性の淫」なので「いん」の字が違います
因みに気になったので調べてみたら、、、どちらも意味的には「婬」も「淫」も「わがままな性欲」や「わがままな欲求」を意味する言葉だそうですが、「婬」は主に「女性の性欲」を指すらしいです(Google AI先生より抜粋)勉強になりました♪
あ。それと、非BL扱いなのもレーベルの関係だと思います
紛れもなくどこまでもBL要素しかないお話しでした
本当にすごい内容でした
普段なら選ばぬENDを見て思う、、、
これぞ究極の共依存であり互いにしか分かり合えぬ、赦し合えない愛のカタチだったな、、、と!
個人的に苦手な要素もありましたが結果的には巡り合えて良かった1冊でした!!!
チル76
⚠地雷要素⚠
結構なネタバレなので、、、以下は自己責任でご確認下さい
早速ですが、、、
>主要なキャラが最期を迎えます
しかも、、、かなりのバッドなENDです、、、
>血流描写まぁまぁあります、、、
手心などない、かなり攻めた描写あるので、、、
痛い描写が苦手な方、心の臓が弱い方、、、お気を付けて下さいませ