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不憫で哀れで差別されてて社会的地位が低くて、ってテンプレのオメガバが苦手で、αの子供が産めて!しかも容姿端麗なオメガを讃えよ!党のワタクシとしましては大満足の一冊です。
特級αがチヤホヤ特別扱いされてしまうのは、特級だけに仕方のない現象ですが、Ωの司くんが社会的に差別されたりしない世界線で、出会い、離れ、再会し、高校時代の淡い思いが愛に育つまでが丁寧に描かれています。
主人公達の脇を固めるキャラクター達がまた素敵で、私もモブで同じ高校に、同じ仕事場にいたいと思ってしまいました。なんなら司くんのサイン会会場でもいいから…。
続編連載が決定しているとのことで、これからも楽しみな作品です!
オメガバなんですけどそれよりも人間ドラマがメイン。発情の有無や最後は…♡な描写はありますが、どちらかというとオメガバ要素は少なめな印象を受けました。
10年間会うことのなかった礼と司。離れ離れになった理由を礼は全く知らなくてそれを知るのは10年経ってから。友人の高橋さんの叫びが、涙が読み手の心を震わせます。共感せずにはいられない感動のシーンです。
すごく切なくてやるせないんだけど、最後はほっとする温かな展開を迎えます。
BLアワード2026総合部門1位を確信している秀逸作です。
オメガバ苦手な方も地雷持ちの方もぜひ。
一度お試しいただけたらと思います。
オメガバースものが数多く生み出され、どんどん進化していることを感じさせられる一冊でした。
出生率がすごく下がってしまった世界で、Ωの代理出産でがんばっても先細りがとめられない世界、そんな中、αの中でも超貴重、10倍力のα、それが特級α、という設定です。
一人静かに美術部で絵画制作に打ち込むΩの大関司と、その特殊性からとにかく人に注目され追いかけられてしまう特級αの有磨礼が出会い、友情を育んでいく様子が穏やかに描かれています。
2人以外の世界の人たちは性別にある意味振り回されてわいわいがちゃがちゃしており、その対比が2人の静寂な世界、2人の友情をより際立たせていました。
ある事件をきっかけに別れがきて、その10年後に再会することで2人の運命が大きく変わっていく・・・
登場人物がつらい思いをする物語は、素敵なハッピーエンドになっても苦手なのですが、今作は、そのつらい思いを、大きくて強い愛で覆い、包み、幸せにする様子が素敵でした。
ただ、やはり、その原因となった高校時代の教師に対しては嫌な後味が残り、今でも胸糞が悪いので、もろ手を挙げてよかったとは言えない読後感ではありました。
同じように嫌な読後感を抱く方もいらっしゃると思います。
2人だけの物語ではなく、2人それぞれの近くに理解者がいて、仕事上の協力関係がありつつ、人間として愛情を持ち大切にしている様子も素敵でした。
今作のオメガバースの世界、社会の設定はおもしろく興味深いので、同じ世界、社会でのスピンオフ作品も読んでみたくなりました。
先生の『アンノウン』はだいぶ以前に拝読して好きな作品です。
本作は発売当時、レビューランキングトップだった時からずっと気になっていた作品。先日番外編が発売されたのを機にとうとう読んでみました。以下少々ネタバレありますので、未読の方はご注意ください。全230ページ。
オメガバースは好きなジャンルで、本作は特級αや、βの原因不明の生殖機能低下をΩの代理出産でカバーしている、などの独自設定が面白いです。
また高校時代の礼と司が、特級αとΩで両片想いなんだけど、いい意味でさっぱりとした友人関係でアオハルっぽさがいいな、と序盤は楽しく拝読していたのですが…。
まずは司が退学となるきっかけとなった北見。こいつが本当に無理です。オメガバでΩが襲われがちなのは重々承知してますが、こいつはβでラットになったわけでもなく、ただ性欲から生徒を襲った単なるドクズ教師。しかも特に制裁も受けずにのうのうと暮らし続けて、終盤にまたどの面下げての再登場。
この男が本当に不愉快だし、社会的に制裁を受けないのも受け入れられないです。
高橋さんがブン殴るシーンはかっこいいけど、そんな事で終わらせていい事じゃない。
また10年後再会した二人なんですが。心に傷を持つ司が礼に告白できないのはわかるのですが、特級αの礼がなぜいつまでも告白しないのか、ちょっとよくわからなかった。終盤でようやく告白したけど、これは司がヒート起こしてからだから、それまで見守ってたってことなのかな?自分には再会してからの展開がちょっと焦ったすぎるように感じました。(読解力の問題かも汗)
あとこれはもう仕方ないのですが、本作の絵柄、特に大人になってからの司のキャラデザが好みではありませんでした。礼もだけど、目が大きすぎる感じを受けて、顔のパーツのバランスなどが、すみません、好みではなかったです。
あと高校時代、司が北見に襲われた直後、司が礼の写真をSNSにたくさん上げたのは、これは北見の仕業なんでしょうか?一読してよくわからなかったんですが、「写真の事で北見とも揉めたらしい」という生徒のセリフがあるから、そういうことですかね。ちょっとわかりにくかった(読解力よ…汗)。北見どこまでクズなんだよ…。
大変高評価な作品で、きっと自分にも刺さるだろうと楽しみにしていたのですが、どうも本作は合わなかったみたいで残念でした…。
多くの方が絶賛レビューされている中、水を差すようなレビューで申し訳なく思います。
このような感じ方もあるんだなと思っていただければ(汗)。
電子 白抜き修正(濡れ場はほぼ修正不要な描き方。一コマだけ白抜き箇所あり)
