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小説
蓮川先生おっかけで購入。天野先生のお話なので読みやすいのですが、いつまでも覚えている自信なかったので萌にしました。大精霊はいつまでも覚えているかも(笑)
本編180P弱+後日談30Pほど+あとがき。
伯爵家直系の母を病で亡くした後、父に領地に追いやられ、老いた家令と領地を切り盛りしているウィルバート。通常、魔力に応じた精霊と守護の契約を結び、精霊の力をもって領土を潤すのですが、ウィルバートは魔力が少ないと父から疎まれ、未だ精霊と契約していません。精霊の寿ぎを得られず徐々に衰える領地を思い、精霊と契約できると聞いた泉を訪れると・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
攻め父+愛人、女王+女王の精霊ぐらいかな。
++好きだったところ (めちゃネタバレ)
なんといっても大精霊。
いや大精霊じゃないんすよ。そこが良かったです。
ばっさりさっくりなんのためらいもなく、ばっさばっさ都合のよくない部分を切り捨てあるべき姿に正していく(周りの迷惑は知らない)という様子でしょうか。
勿論悪意は無いんですよ。
ですけど!
さくっと周りが迷惑をこうむることがあり、それを知った受けが、まさに「ぎょっ」という様子になるところが、なんとも面白いというか気の毒というか。
受けはただただまっすぐ純なお方で、大精霊が来なかったらまず間違いなく薄幸のままお亡くなりになっていただろうなあという方。
領主になられるのだから、もう少し考えるとか疑うとか・・・
大精霊が横にいるからもう不要なのかな。
純なままだったからこそ大精霊がくっついたのか・・・
恋愛話に萌えるというよりかは、大精霊のなさりようにびっくらぽんだった一冊でした。
タイトル通り親から虐げられていた伯爵家嫡男が大精霊を召喚して寵愛されるお話です。
父親がなぜそこまでウィルを虐げるのか理由がわからないまま、ここまで息子の尊厳を汚すか?ってなくらい酷い扱いをします。
最後の方で理由がわかりますが、なんとも酷い。
大精霊のレイが守護精霊だからこんなに自分に良くしてくれるの?毎晩エッチも魔力譲渡で快感が強い方が良い魔力になるから…?
知識のないウィルが自分では返せない釣り合わないと戸惑い、だんだんレイが守護精霊だからしてくれるだけなんだ…と胸を痛めて…。
やると言ったらやる精霊のレイ。
何でもできてすごい!なんですが人間との意識の違い?ウィルを困らせるものは消す、なやるかやらないか2択な感じで…。
よくよくウィルとレイが話し合うと、そうだったの〜!?あの時から!?
もっと早く話し合っていたら良かったのに。
なんというかそんなに盛り上がることもなく、人間と精霊の関係に知識不足でウィルがため息ばかりで。
ちゃんと愛し愛されてるの?なところが続くのや、レイはどう思ってるの?とわからないところが、お話に入り込みにくかったかな。
わかったときには、うわ〜そうなんだ!と喜びましたが、恋人や伴侶って雰囲気じゃないようなのが尾を引いて。
超スッキリ!ザマァなストーリーが素晴らしい読後感です!
あ。ザマァと言っても攻めザマァじゃないですよ。父ザマァです^ ^
父親にぞんざいな扱いをされていた貴族の青年が、大精霊の守護を受けてけちょんけちょんにやっつけるフルボッコストーリー!悪しきを滅し、良き者が救われる勧善懲悪型の物語なので、分かりやすい物語の着地点と大ハッピーエンディングの相乗効果はとんでもなく最高最善の領域でしたヽ(´▽`)/
なんと言っても、召喚した大精霊のレイがとんでもない力の持ち主だということがこの物語を最大級に盛り上げます。
私はこれまでスパダリをたくさん見てきましたが、レイは間違いなく上位ランクのスパダリです。ウィルバートの領地内で起こる数々の困難を魔法でちょちょいのちょいで解決するスーパーパワーはとんでもないレベルです。
レイの手にかかればできないことは無いんじゃないか?ってくらい凄い。しれっとなんでもやっつけちゃう大精霊を前にして、タジタジになるウィルバートの反応も当然です。魔力の少ない自分に何でこんな凄い精霊がきちゃったワケ???となるのも無理はないんですが、そこにはちゃんとした理由が隠されていることもまた2人の恋愛ドラマの楽しさです。
レイはウィルバートの望むことを何でもやってあげる代わりに、ウィルバートから精をもらう(セックスする)のが2人の決め事みたいになっていて、側から見るとセックスが成功報酬みたいに見えてしまう関係なんですよね。
レイに好意を持ち始めたウィルバート的には、セックスが対価っぽくなってるのが嫌で複雑な気持ちになっていく一方、レイはレイで着々とウィルバートを囲い込もうとしています。いやいや……どこからどう見ても、レイはウィルバートにゾッコン執着(しかもヤンデレ気質あり)な感じなのに、気付いてないのが信じられません(笑)
レイが領地を潤すのも、領地トラブルを即座に解決するのも、ウィルバート自身の悩みを気にかけるのも、義務感からくるわけない。全ては愛するレイのためにしてることです。
その証拠の1つとして、ウィルバートのクズな父親を完膚なきまでに叩きのめしてくれました。相手が一番嫌がるやり方で、精神的に追い詰めて再起不能にしてくれました。
女王や他の貴族の前でめためたに処罰する公開処刑スタイルは、めっちゃ気持ちいい〜〜!!( ´∀`)
スカッと爽快、とっても楽しかったです。
女王の伴侶も実は大精霊だけど、レイの方が位は上。女王の精霊がレイに傅くほどのレイの凄さよ……この男、どこまでアップデートしていくのやら。もーずっとレイの魅力にワクワクが止まりません♪
そんなレイがウィルバートだけに溺愛をぶつける姿が楽しすぎて、ウィルバートの不憫さも、父親へのムカつく感情もどっかへ行っちゃいました。
最高の男に最高の愛を与えられる寵愛ストーリーに酔いしれまくった一冊です。
テンポ感の良いストーリーも、おとぎ話的にワクワクドキドキするストーリーも全てが素晴らしく、とても大満度の高い作品でした。