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「その目に、その世界に、俺を映してくれ」
 10年越しの恋
                    10年越しの恋
				初読み作家様でした。
綺麗な絵も、ストーリーの構成も上手で、
とても次回作がとても楽しみです。
以下、内容に触れていきます。
離島で医師をしている廉太郎はある日、
都会からやってきたカメラマンを迎えますが、
それは10年前に付き合っていた元恋人の想一でした。
10年前の別れなどなかったように変わらない想一に
どう接して良いか戸惑う廉太郎。
けれど、一緒に過ごしていく中で
自分がまだ想一を忘れられてないことを思い知らされていきます。
廉太郎視点なので最初は想一がどんなつもりなのかわからずでしたが、
ちょっとした言動から彼もまた廉太郎への気持ちを消し去れていないことが
わかってゆき、元恋人同士の両片想い状態に胸がぎゅんぎゅん状態でした。
10年も時間はかかってしまったけれど、
恋に臆病で不器用な廉太郎がその気持ちを受け容れるには
それも必要な時間だったのかもしれません。
ただ、想一もずっと廉太郎を忘れられなかったのなら、
もう少し早く会いに来てくれていればよかったのに…!と
ちょっぴりじれったい思いでした。
再び写真を撮りに出かけた想一を廉太郎が「おかえり」と
迎えるラストシーンはこれからは二人がずっと一緒にいるのだと
実感させてくれてぐっとくるものがありました。
想一の職業柄離れ離れの時間はやっぱり多くて寂しいけれど、
それでも想一が最後に帰ってくるのは廉太郎の元なのだ、と。
 10年越しの恋煩い。その行く末は…
                    10年越しの恋煩い。その行く末は…
				攻めと受け、朝と夕方。
斜めに切り取られたスタイリッシュな表紙が素敵✨
表紙のインパクトに惹かれ、手に取りました。
こちら、隈丸ミケ先生のデビューコミックスとのこと。
おめでとうございます☺︎・:*+
先生のインタビュー記事を読み、先生わざわざ離島に行かれたんだ…!と驚き。
思い立ったらやってみよう!という姿勢、
家にこもりがちな自分も見習いたい...!
そんな先生のデビュー作、作画が美麗です...!特に背景。
先生もインタビューで語られているとおり、離島が舞台のため
景色・風景描写、大変だっただろうなあ...と思いを馳せてしまいます。
海をバックにして立つ廉太郎に、「綺麗…!」と呟く想一。
自分のことかと思い一瞬びくりとする廉太郎ですが、
その振り向いた先に見える夕陽が美しい・:*+.
モノクロだけど、淡く美しいオレンジの光や、
寄せて返す波音が聞こえてくるかのようなキラキラした描写でした。
以下、内容についてもレビューを。
大型ワンコ写真家×離島医師、後輩・先輩関係、
昔恋人同士だった二人が10年ぶりに再会を果たし、
期間限定の同居生活の中で関係を再構築していくお話です。
思わぬ再会に戸惑いを隠せない廉太郎(受け)に対し、
持ち前の明るさでグイグイくる攻め。
(でも押しすぎず嫌な気持ちにはならない、絶妙なバランス)
意外というか、予想とは違ったけれど
逆にリアルで良いなあ...と思ったのが、
攻めの執着・想いが高校時代に振られた時からずっとずっと
続いていたものではない、ということ。
「別れたとき なんとも思わなかったんだ」
と語るほど未練や執着はなかったはずなのに、
その後山に登ってふと見た景色、
それを見る自分の隣に”先輩”がいないことに寂しさを覚える。
うおお...現実にもありそう...そしてドラマのワンシーンにもなりそう...
「忘れられないのなんてはじめて!」
「ここに来たのだって何かの未練」
「またどこかで会えるかもってね」
とあくまでも爽やかに語る想一の姿がキラキラ眩しい✨
実は再会自体は”偶然”なんかじゃなかった、という事実と合わせて、
ドラマチックさとリアルさが混ざり合う物語にときめきました。
そんな大型ワンコな想一の魅力が光る一方、
受けの廉太郎はなかなかに拗らせたキャラ。( ̄∀ ̄)
でも、そんなツンデレな彼がポロッと見せる(というより、露呈してしまった)
感情にキュンと萌えるのです。。
高校時代、かなり一方的に想一を振った廉太郎だけれど
そんな彼の健気さがバレてしまうのが...
想一の写真集についてのエピソードです。
毎日肌身離さず職場まで持って行っていたなんて、
ツンデレ猫のようで可愛さ愛おしさ溢れる...!
「廉さんがかわいい」と言う想一の気持ちも分かります(*´◒`*)
島で医師として働く廉太郎と、世界中を駆け回って写真を撮る想一。
”常に共にいて、共に暮らす”ということはできないふたりが
今度はきちんと向き合い、話し合って選んだ方法。(成長...!)素敵でした。
本編最後に抱き合う二人、
「おかえり!」「ただいま」というセリフと笑顔が幸福感に溢れてる・:*+
攻め受け二人を囲む離島の人々のキャラ、そして交流の様子も、
物語にふんわりした温かみと味を添えてくれていました。
注射を怖がっていた涼介くんが可愛い(*´艸`)	
そして時折出てくる猫にゃん、お魚くわえた姿も可愛い◎
じんわりと沁みる、再会愛のお話でした。
あっ。全編通して決してエロ度は”高い”わけではないけれど、
描き下ろしのテレフォンセックスはえっちだったー...!
一人でいじって涙目になっちゃう廉太郎、セクシーすぎました//
★修正:tnフチなし白抜き(電子シーモア)
 10年の間で変わったもの、変わらないもの。
                    10年の間で変わったもの、変わらないもの。
				不器用な受けあるあるだけど、すぐ別れ話的なネガ思考になるし、別れを切り出すのも一方的なんだよなー…。
なんであなたに決定権があるわけ?っていつも思う。
自分にも意思があるように相手にも意思があって、それなのに何で自分の気持ちが優先ってなるんだろう。再会してもまた同じことをしようとするし、10年経っても相手のことを見てあげないなんて成長しなさすぎでしょう。
別れること、離れることが最良の策と思ってる嵐山だけど、それは嵐山自身のエゴでしかありません。
背中を押そうと……?想一にとってみたら、そんな背中なんて押されたくないってもの。嵐山だけが苦しいわけじゃないし、苦しんできたわけじゃないのに、自分の拗れた想いが先行してばっかりで、想一の想いに寄り添ってあげれていないのがむず痒すぎでした。
でもそんな不器用さんには、ちゃんとそこをフォローしてくれるナイスガイがお相手なので、トータル的には良い読後感です^ ^
嵐山がマイナス思考なら、想一はプラス思考。年下ワンコ攻めの柔和なキャラクターが、嵐山のカチカチな気持ちをほぐしてくれていて実に素敵でした。タイプが逆な2人ですが、2人合わせてちょうど良いカップル感になっていることにも注目しながら、再会後の彼らの恋愛模様を見届けて下さいね。
再会までの10年……2人の立場や置かれた状況は変わったけど、お互いを忘れられずにいる気持ちだけは変わらずにいたことが胸アツの物語でした。
