番を囲い込む究極の独占愛

小説

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溺愛アルファの完璧なる巣作り

dekiai alpha no kampeki naru suzukuri

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あらすじ

サーリーク王国の第三王子・ユリウスは、騎士団の任務のために赴いた異国の山中で死にかけの子どもを拾った。その子どもが自分の運命の番だと気づいて自国に連れ帰ったものの、意識不明のまま二年が経過する。ようやく目覚めた子どもにリヒトと名付け、大切に大切に世話をするが、五感が弱いリヒトはユリウスが運命だとはわからず、発情期がくることもない。やがてリヒトが十九歳に成長した時、彼の出自が隣国の謎に包まれた教団である可能性が浮上し――? おのれのオメガを周りが呆れるほど溺愛する完璧なアルファと、その愛に気づかず空回る薄幸オメガがすれ違いつつも真に結ばれるまでを描く、ひたむきな愛の物語。

作品情報

作品名
溺愛アルファの完璧なる巣作り
著者
夕凪 
イラスト
秋吉しま 
媒体
小説
出版社
アルファポリス
レーベル
アンダルシュノベルズ
発売日
電子発売日
ISBN
9784434371677
5

(1)

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萌々

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中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

あまあまタイトルからは想像もつかない、骨太・重厚な物語

タイトルの「溺愛」の言葉に誘われ、読み始めたこちら。
(帯の「囲い込む」「独占愛」もパワーワード)

受けの出自に関わるミステリ要素が
「溺愛」と共に2本柱になっている、
超・骨太の物語でしたよー…!

読み終えてあらためてタイトルを見返し、思うこと。
ちょっとこのお話の深み、肝となる部分が
タイトルからは伝わらないのではないか…;

溺愛執着攻めの「囲い込み」だけには収まらぬ
スケールの大きなお話なのに、もったいない…!!
と思ったりしました;


異国の山中で第三王子が拾った、みすぼらしい子ども。
運命のΩだと直感した王子は彼を王城へと連れて帰り、
甲斐甲斐しく世話を焼き囲い込みー

と続く、正真正銘の「溺愛もの」です。

でも、いや、えっ、ちょっ…!?

中盤以降の怒涛の展開、明かされる真実に息を呑み、時間も忘れて読み耽りました。

読後の興奮冷めやらぬまま、書き散らすレビューですが、、
この感動、この気持ちをレビューとして残したいと思います。

第三王子・ユリウス(攻)と拾われ子のリヒト(受)、
物語は視点を交互にして進みます。

序盤は展開穏やか、コミカルほのぼの。
拾ったみすぼらしいΩの少年を「運命の番」だと確信し、周りも引くほど甲斐甲斐しく世話を焼くユーリ(ユリウス)。
そんな彼の姿にニヤニヤしながら読むパートです(。-∀-)

少年を「リヒト(光)」と名付け、親鳥が雛にエサを与えるかのように手ずから食べさせ、入浴・排泄全ての面倒を見る。
カバーイラストにもありますが、食事の時には必ず自分の膝の上に座らせ、「あーん」で与えるのですよ…!一国の王子が!

拾ってから2年間(!!)目を覚まさない”僕だけの番”のために
全てを捧げる究極愛。
もちろん、愛しのリヒトが目覚めてからも寵愛は続き…

「あ、いいな」と思ったのが、この王国(サーリーク王国)ではΩは決して虐げられる存在ではなく、むしろ大切に扱われるーということ。

リヒトの出自と境遇を考えると間違いなく「不憫受け」ではあるのですが、ユーリと出会ってからのリヒトは常に優しく、甘やかな(甘すぎる?)愛に包まれています。

”不憫受けの救済”は大好きだけど、
あまりに痛々しいのはちょっと…
という自分の中の萌えバランスに応えてくれる配分が、
とても心地よかった・:*+.

で!

俄然面白くなるのは、この”甘やかし”が終わり、
リヒトの出自に関わる事実が徐々に明らかになってくるターンから。

そもそもリヒトは拾われてしばらく経ってからの身体検査で、
「五感が総じて著しく弱い」と診断されているのですね。

彼の視力では、人も物も色なども、ぼんやりとしか認識できない。
(そのせいで使用人をユーリと間違えて抱きついてしまい、振り払われるーというリヒトの自尊心の傷つく事件も起こります)

耳もよく聞こえず、大きな声ではっきりと発音されないと分からない。
嗅覚、味覚、触覚も弱く、ユーリの与えてくれる食事も心から「美味しい」と感じることはできないし、匂いも分からず、皮膚感覚も伝わりにくいー

と序盤に明らかにされ、それが故にユーリの庇護はますます篤くなってゆきーという展開。

この「五感の弱さ」、てっきり私は”先天的なもの”だと思っていたのですが!

王城へやってきた行商人がリヒトを見、
「なぜ生きている!」と叫んだことをきっかけに、
次々と明らかにされてゆくリヒトの出自。

えっ、先天的な障害ではなかったの!?

と驚き、悪意に満ちた非道な行いに戦慄。震えました。。


-リヒトはなぜ、山の中に捨てられていたのか?
-捨て置かれておきながら、「誰かに世話をされること」に慣れた様子だったのは、なぜなのか?
-なぜ、正常な五感の感覚を失うことになったのか?

本人の望まぬうちに祭り上げられたリヒトの出自と過去が痛くて、辛い...( ; ; )

人々の心を一つにまとめ、生きる希望にもなるのであろう宗教だけれど。
妄信と、権力を得た者の横暴な振る舞いが、何人もの子供たちを犠牲にしてきた事実に背筋が凍ります。。

女神のために火に飛び込み、時には獣に食われた神の遣いのうさぎのように、
信者のために身を捧げることを強制される、神の御使い。

「それがハーゼ様の役割なのです」と信じて疑わぬデァモントの信者たちと、悪の大本山であるヨハネス。ただただ、恐ろしかった、、

そんなヨハネスを周到に追い詰める攻め・ユーリの姿は頼もしく、これぞ求めていたスパダリ攻めだよ!!と読んでいてフンスフンス、鼻息荒く(笑)大興奮でした。

何より格好良くて痺れたのが、
追い詰められてなお憎まれ口を叩くヨハネスに、
ユーリが返した一言です。

「五感を奪う方法は分かっていても、術の解き方は記録にも残っていない」と嘲笑うヨハネス。

それに対しユーリは余裕の笑みを浮かべ、
「五感を奪ったのが神の奇跡でなくてよかった。
人の手で起きたことならば、解明のしようもあるだろう」
と返すのですよ…!(本文そのままの文言ではありません;)

悔しがるヨハネスの姿に、胸のすく思い。

終盤、「自分がいても手間をかけさせるだけ」だと悲観したリヒトとの、すれ違いのようなことも起こるのですが、心配はいらず。

僕のオメガ。
僕と別れるための強さじゃなく、
僕を信じる強さを磨くんだー

そんな力強いユーリの言葉に、読んでいる私の心も震え、奮い立ちました。


一つ、欲を言うならば。

その後のリヒトの五感の症状がどうなったのか。
「ハーゼ様」の呪縛から解放されたリヒトは、その後ユーリからの寵愛を受けるだということの他に、何か生きる術を見出すことができたのか。

そんなところまで、じっくり追わせていただきたかったなあ、と…!

若干、「えっ、ここで終わり!?」という尻切れトンボ感はあったかな、、?


とはいえ。
繰り返しになりますが、甘いタイトルからは想像もつかぬ大展開に、萌えたぎり大興奮した骨太ストーリー。

初読み作家様でドキドキでしたが、大満足の一冊でした・:*+.

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