イラスト入り
面白かったー!
トリニティアという架空の国に住む貴族、ラファイエット侯爵。
貴族とは名ばかりの超絶貧乏で、電気・ガスも止められてしまっている。
代々伝わるお城と森、そして孤児の家を守る資金の底が尽き、思いついたのは自分を売りに出すこと。
誰をも魅了するような輝く美貌の持ち主、ラファイエット侯爵が、愛人を募集するということで世界各地から大富豪が集まる中、ド庶民の玲一郎は画商の父親からの命令でトリニティアに向かうんですね。
ラファイエット家が所有するとある名画をゲットすべく。
誰が侯爵のお眼鏡に叶うのか。
(そりゃ最終的には攻めに決まってるんだろうけど、そこに辿り着くまで二転三転するんですよ。)
そして、候補者達を排除すべく誰かが嫌がらせを仕掛けてくるんだけど、犯人は誰なのか。
そういう謎みたいなものも読んでて興味を惹くので、最後まで飽きずに読みました。
守銭奴とまではいかないけど、お金が何より大事で絵をゲットすることが最優先だった玲一郎が、ラファイエット侯爵と過ごすうちにどんどん変わっていくんですね。
絵なんかそっちのけで、侯爵の心を欲しがるようになるの。
生まれて初めて恋に落ちた男が「恋とは何か」ということを否応なしに実感したり、絶望したりするんだけど、それが攻め視点で書かれているところが最高。(攻め視点大好きなので)
特に「腕の中で彼が息していることが嬉しい」っていうところが、キュンとした。
〜だから好き、とかじゃなくて「受けがただ生きてくれてるだけで尊い」みたいな無条件さに。
「愛は金で買えるのか」「金を積んでも愛は買えない」「ノブレスオブリージュ」というキーワードが通奏低音のように作品全体に響いているところも好き。
それと物語の導入部と、最後の締めくくりは先代から仕えてきた老執事視点なんです。老執事によって語られる二人の様子が、めでたし、めでたし!感が増し増しでなんとも良くて、構成のお見事さにさすがだなー思いました。
表紙の絵の古さにビビりながらも、リブレ対象のクーポンがあったので買ってみましたが、読んで良かったです。
しかも、とある挿絵の斬新&エロいこと。
絵の古さすら全く気にならないほどの衝撃で、こんなアングル初めて見た!!と思いました。
正常位でぶっさしてる状態を受けの頭のほうから描いたアングルなんだけど、なんか臨場感が凄いの。
こう感じたのは私だけではなく他のレビュアー様も書いてる人が多いけど、ですよねー!と言いたい。
2008年当時も斬新だったでしょうけど、2022年の現在、結構なBL読んできたにも関わらず、あのアングルを見るのは初めてな気がする。
リブレらしいゴージャスで夢のあるBLだった。
金髪碧眼美貌の没落貴族様と
1年間過ごす権利をめぐって集められたセレブたちに
こっそり紛れ込んだ日本人の画商。
ヘンテコな審査に勝ち残り、最終ステージへとすすむ。
画商である玲一郎の目的は、侯爵が所蔵している絵画の売買契約。
ノンケである玲一郎にとって、いくら美貌の侯爵とて専門外だったはずなのに
あれよあれよと恋におちていくんですよね。
負の遺産を受け継ぎ貴族といえども電気さえも止められた
貧乏貴族の侯爵は自分を売るという行為をする理由が
私は最初納得できなかったんですよね
ノブレス・オブリージュが挙ったけど
すでに自分の身すらままならないくせにって思いつつ
読みすすめていったら侯爵の秘密がいくつかあきらかになって
どうしても、貴族でいなければならなかったということ
『羊飼いの家』を手放せない理由が理解できた。
このあたりの理由づけがすごくよかった。
気持ちよく読めた。
ノーブル・ロマンスを甘甘で楽しめました。
夢物語ではあるけど、現実感からぎりぎり足が離れてないところがイイ。
甘いお菓子を食べたような幸福感が味わえましたv
大好きなので何度も読み返してます。
あらすじだけを見たらトンデモ設定に思えるけど、アロウの考え方や価値観がわかると納得しちゃう。。。
「お金大好き」のレイが、アロウに出会って愛を知る。一方のアロウも抱えていた心の傷を最後の最後に癒すことができて、めでたしめでたしという後味すっきり爽快のお話です。
脇で出てくる執事や他の人たちもみんな味があって、テンポよく読めます。
榎田さんの作品にはいつもハッとさせられる名言があるところも魅力ですね。
「絵を欲しいと思う欲望に値段がつく」
「金は大事だ。愛も金も、それぞれ大切なものの一つだ」
いつも胸にしみる言葉です。
大御所、榎田先生の作品です。安心して読めます。おもしろいです。
画商の玲一郎が守銭奴であるという理由も説明くさくなく、さらっと読者に受け入れられます。このあたり導入部うまいです!
逆に、玲一郎視点なので、どうして、公爵がそこまで領土に執着して身を売ってまでも守ろうとするのか、公爵の人となりを知れば知るほど、不思議に思えてきます。
トリニティアという小さな国の公爵が、一年間身を任せる見返りに公爵家を援助するという試験のためにやってきた公爵家の館。
金はなくても、領民に好かれ、貴族としての勤めを気丈に果たす公爵に玲一郎も次第に引かれていきます。
でも、ストーリーが進み公爵の真実が明かされるラストにむかって、ぐっとシリアスになってきます。
ただの画商で絵が目的で公爵に近づいたとばれた公爵にばれ、お互い好きだと分かっているのに他の男に譲らなければいけないせつなさ。
屋敷を守りたいという矜持から、本心でないのに玲一郎に別れを告げる公爵。
榎田先生。泣かせます・・
二転、三転とどんでん返しに翻弄されますが、そこはそこ、ラストは無事に八ピーエンドに落ち着きますので、安心してください。
詳しい内容は、前出の方々が書かれているので、そちらを読んでいただきたいと思います。
相次いで出版された、榎田氏の「菫の騎士」と時代は違うものの国家的にリンクしていますので、続けて読まれるとトリニティアという架空の国のことがよりわかりやすくなるかと思います。
わたしもトリニティアに住みたいなぁ。