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小説

政略結婚でも愛がないと子どもを授からないという特殊設定がめちゃくちゃ面白い。
オメガバースでもなく、異性同性関係なく愛し合う夫婦の間にだけ子どもを授かることができる制約が存在する世界観がこの作品のキーです。
子どもを授かる時点で愛し合っている夫婦として認定されるわけなのですが、主人公2人は非常にワケアリで、お互い共に自分は相手に嫌われていると思っています。だから、「何故あなたとの子どもができたのでしょうか?」なのです。
自分が相手を好きでも、相手が自分のことを好きじゃないと妊娠することはない……つまり、妊娠はお互いの愛情の所在を示す大きな証明であり、誤魔化しきれない証拠です。
それを考えると、「愛がないと子どもができない世界で、何故あなたと子どもができたのでしょうか?」の問いの答えは1つしかありません。
そこには愛情があるから。大大大好きだからに他ならない!!!
だけど、そう簡単に答えが出せないから困った事態に陥るわけでして……
キラとマグの2人の間にはとんでもないすれ違いと誤解が複雑に絡み合っていて、しかも当て馬たちが2人の恋路を邪魔しにくるもんだから、彼らはお互いに嫌われているものだと洗脳されていく始末。当て馬たちの攻撃に加えて、主人公2人も勘違いを助長するような態度や言動をしまくってと、あああ……負のスパイラルへと誘われていくモヤモヤ感に心が死にそうでした…。゚(゚´Д`゚)゚。
マグが記憶喪失になったことが全ての始まりで、大好きな人のことだけが記憶からすっぱ抜けてる、という展開がホンッッットに切ないです!
記憶喪失になる前、2人は結婚の約束をしていたのに、マグの記憶喪失によりキラの想いは打ち砕かれてしまう。が、しかし。キラはものすごい執着でマグとの婚姻をもぎとり、2人は夫婦となります。キラが頑張ったからこそ2人の愛が保たれたと言っても良く、何も知らないマグとの温度差がキラの苦しさを倍増させました。
マグ視点とキラ視点で話が進む仕様なので、お互いに想い合っているのは一目瞭然なのですが、よくもここまで拗れるものだなと感心する展開は耐えどころです。両者のすれ違う想いにもですが、当て馬2人がウザすぎる嫌がらせを仕掛けてくるのにもひたすら我慢して下さいね。
キラがここまでマグのことを想い、執着しなければどうなっていたんだろうかと思う一方、言葉でいつまでも気持ちを伝え合わない2人にもヤキモキさせられっぱなしでした。邪魔者たちに情報操作させられて、2人の真実の愛が妊娠によって分かるまで何やっとんじゃいと思うこと多々あり。その妊娠も"俺の子か?"の不貞の疑いをかけたりと、どこまでも不器用に選択肢を間違う主人公たちに試練コンボを与え続ける作者さま、鬼だなぁ……と思いました(笑)
長い長い勘違いの期間を経て、ようやく雪解けが訪れた2人の春にニンマリ(*´︶`*)
きっと2人の子どもが見かねてマグのお腹に降りてきてくれたのかも知れませんね。
めちゃくちゃすれ違いと切なさの多い物語でしたが、そのぶんやっと想いが報われたラストは感無量でした!執着攻めが大好きな方におすすめです。
