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商店街シリーズ、5冊目というキリの良さでの完結ですが
ラストを飾るに相応しい二宮さんの素敵なイラスト!!
マイペースで無骨で顔に感情が出ない圭治と
昔から何ひとつ変わらない良く言えば素直、悪く言えばまだちょっとこどもの晴輝の再会愛は
シリーズ内でも一、二位を争うくらい好きです!
昔に比べてずいぶん男らしくなった圭治の「知ってる」という口癖、
なにもうそれズルいでしょー!!って程しっくり来ますし
口数がさほど多くないからこその真実味のある言葉がかっこいいんですよ。
自分が半端なままな事を指摘されなにも言い返せなくなった晴輝ですが
やっぱり普通は友達でもそこまで言ってくれないと思うんですよね。
少しキツイけど、圭治はちゃんと晴輝のことを心配しているからで…。
いつだって圭治の言うことが正しいのはわかっている晴輝も、
圭治とは違ういいところもあって可愛らしいです。
人を喜ばせたい気持ちは、より良いサービスを提供出来る事に繋がりますもんね。
お客さんに寄り添える理容師は技術だけあってもなれないですから。
晴輝視点の前半も、ハプニングがあったりで勿論楽しいのですが
圭治視点の『理髪師の、懊脳やむないお気に入り』がとても好き!!!
淡々としてる圭治がそんな風に晴輝を好きなのね…と思えるのと
晴輝の友達(?)大阪出身の手塚が凄くいいキャラでナイス当て馬くん!
秋の商店街祭りイベント・大変身ショ―にも参加して良いヤツだった…なんだか勿体ない。
今までも主要キャラがちょいちょい出ていましたが
フィナーレともあって皆また登場してくれて賑やかなのに寂しさも感じました。
苦しそうだけどもえぎでの打ち上げシーンがめちゃくちゃ印象的。
晴輝にひどい言葉をぶつけられてそれまでの胃痛がMAXになってしまう圭治、
想像すると血の気が引いてしまうんですけどね。
その後はハッピーなので安心して読めます。
ちょっと残念なのが、二人の初めてシーンが無かったことと
二人が藤井沢を出て行ってしまったこと。
もちろん帰ってくることもありますが、商店街の皆と一緒にいて欲しかったなぁ。
でも、待っていてくれる人たちがいる幸せもありますよね。
なんといっても地元を離れても誰より愛する人と生きていけるんだし。
…と自分を言い聞かせても、やっぱり寂しさは否めません。
変わっていくこと、変わらないもの、色んな愛が藤井沢には詰まっていますね。
割とチャラい美容師の晴輝と、心の中をうまく隠しているけど、ずーーっと晴輝のことが好きでたまらない圭治の幼馴染ラブが描かれた「藤井沢商店街シリーズ」最終巻。
これまでのシリーズの登場人物がそこここに登場しますので、単独で読んでもOKなように書かれているとは言っても、この本はやはりこれまでのものも読んでから読む方が楽しめますね。
今回のメインカップルは、盛大にすれ違いまくったあげく、ようやく思いを通じ合わせることが出来たのですが、圭治が…本心をしゃべらなさすぎなんですよね。だからすれ違う。後半ではしゃべらない圭治の心の内が明かされて、「そんなにグルグル悩んでたのなら、もう少し早くヒントだけでも言ったれよ」と読んでる側は思うのですが、そこはまぁ、それがお話ってやつで。
そんな圭治の気持ちの描写では、晴輝本人にはよく見えない位置にある2つのつむじをいつも後ろから見て「かわいい…!」となっていた描写が特にかわいかったなぁ。
付き合いの密な商店街コミュニテイで暮らす二人は最終的に街を離れることになりますが、10年後、20年後はどうなるのでしょうね?…などと少し気になります。
そして、そこで気になってくるのが、前々作「ギャルソンの躾け方」の石花珈琲店の店主と恋人ですよ。(「理髪師の、些か変わったお気に入り」のレビューに書くことではないかもしれませんが…)妻亡きあとに店主を献身的に支える店員(入院中の身の回りの世話も)の姿がこういうコミュニテイの中で噂にならない…って考えにくいですからね。周囲の人にはどう認識されているのだろうか?と。
もしも、意外にナチュラルに受け入れられているとしたら、晴輝と圭治の二人だって帰ってきて受け入れられる可能性もあるかもしれないしね。
この商店街、隠れてゲイ率が高いので10年後くらいにはゲイシティ的な街になってたりして…いやいや…。もしも、カムアウトが進むとしたら、そのキーマンは、晴輝と圭治の関係をナチュラルに受け入れた岩中あたりになるかもしれないな…なんて妄想したりしつつ(笑)
物語の前半が受け視点で、後半が攻め視点になります。
個人的には受けに溺れるあまりに右往左往する攻め視点のお話を読むのが大好きなのですが、あまりないですよね?なぜなんだろう???
攻めの圭治があまり表情が変わらずクールな印象なのですが、心の中のモノローグを読むとものすっごいパニックと混乱の渦中にいて、まさに五里霧中といった様相なのがツボでした!!
受けの何気ない言葉に内心傷つき、ヒビの入った心を必死に兵隊がセロテープで修復する、という表現のところなど(←これを読んでもなんのことやらわからないと思います、すみません)卓越した比喩表現に萌えました。
圭治視点のパートが本当に良いです!!
派手な設定よりもごくごく普通の人たちが織りなすBLが大好きなので、商店街シリーズはどれも大好きです。
ラストのほうで数年後の落ち着いた感じの二人の様子を読んでじんわりと心が温かくなりました。
都心で美容師をしていた晴輝は、親との約束を果たし実家の美容院を継ぐため、しぶしぶ藤井沢に帰ってきた。
そこで再会したのは幼馴染みで親友だったおとなりの圭治。
海洋学を学ぶ学生だったはずの圭治は、なぜか父親の後を継いで理髪師になっていた。
近くにいると安心をくれると同時にコンプレックスを刺激される晴輝は、圭治の真意がつかめずに混乱するが……
シリーズ通して再読してきましたが、いよいよ藤井沢シリーズも最後です。
最終巻は幼馴染みで理容師×美容師。
ずっと受のことしか見ていなくて、あらゆることでこっそり彼をサポートしてきた一途な攻と、それにはまったく気づかない、単純だけど悩むとぐるぐる系の受。
本来結構簡単に両思いになってもおかしくない状況なのに、コンプレックスとか勘違いで上手くいかない展開にはじれじれさせられます。
前編のハル視点ではどんだけ器がでかいんだよっていう圭司が、後編ではかなりダメな人っぷりをさらしていて、そんなのがかわいいんだよなあなんて思った。
いままでのキャラ集合のラストもとても素敵でした。
やっぱりシリーズものは順番に読むべきだなあと思います。
シリーズ完結編です、今まで出てきたキャラ達が少しずつですが登場して読後感が凄く良かったので萌×2の所を、シリーズ完結編の完成度の意味として神評価としました。
ちなみにこの藤井沢商店街シリーズは、シリーズではありますがそれぞれ挿絵の方も違うし、単独カップルなのでどこから読んでも大丈夫だし、単独で読んでも作品として成立しています。
共通するのは都会でもなく、そして田舎でもない中都市の藤井沢商店街を舞台としている事。
今作は幼馴染で同級生再会モノ。
圭治〔攻〕は無口だけれど実直な性格で密かに晴輝の事をずっと想っています。
そして晴輝〔受〕は社交的で明るい性格、普通に女の子が好きで東京の美容室で働いていたんですが、親との約束の5年を過ぎたので地元の実家(美容室)へと戻って来ます。
そして高校以来、圭治と再会するのですね。
前半は晴輝視点で、後半は圭治視点と切り替えのバランスも良く、圭治の切ない想いも読み手によく伝わって来ます。
所々に藤井沢商店街シリーズの人物が出てくるのも嬉しい。
あと晴輝にはつむじが2つあり、それを本人は気にしていてブローで上手く隠しているんですが、圭治は晴輝を後ろからずっと見ていてそのつむじが凄く可愛いと思っている。
そんなシーンがいいんですね、こんな可愛いつむじの描写があっただろうか!って位に可愛く描写されてます、勿論それも圭治が晴輝を可愛い、愛おしいと思っているからなんですが。
単独としてもシリーズ完結編としても大満足な一冊でした。
愛すべき藤井沢商店街よ、永遠に!