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時は昭和初期。
古い因習のある島を出て都会で働いていた受だが、巫女をしていた姉が亡くなったことを知り島へ戻る。その体には、次代の巫女の証しであるアザがあった。
対となる海神様のアザがでたのは攻。
これでうまくいくのかと思いきや、攻は受の姉の元婚約者。そのせいで、受は攻の気持ちはまだ姉にあるのだと勘違いしている。しかも、その婚約で自分の恋心に気づいた受は姉を恨んだり、2人から距離をおいたりした過去もありうしろめたい。
神事のためにこもる屋敷で2人は出会うが、受は攻に対して反発してばかり。
小さい頃の2人の仲がよいシーンがイラスト入りでとてもかわいかっただけに、受の攻に対する反発ぶりは、ここまで依怙地にならなくてもいいのにと少し残念だった。
対となる2人が行う神事とはもちろんエロいこと(笑)
純粋無垢な受なせいか、順を追って進んでいく手ほどきのようなシーンがなんともやらしい。それもどんどんやらしい方向へ進んでいくからはワクワクが止まらなかった(笑)
てっきり古い因習のみが残った話なのかと思ったら、海神様はちゃんと出てくる(笑)体に珊瑚をまとわせるシーンは文章で読むとなかなかエロい。これが噂の触手系?
が、最後が派手なシーンが続いたわりにコンパクトにまとまった印象が。後ひと押し欲しかった。
アラブの王子様の次は和製ファンタジーですか!!
なんて、書きましたが、実は沙野さんの作品を読むのはコレがはじめてです、以前から気になっていて、何冊か持っていたのですが、今回初めて読んでみたのは挿絵が高階佑さんだったから^^;)
今までの作品で色々な人の感想を読んでいると、結構心身ともにぼろぼろにされるようなエロ度の高い作品が多い印象だったので、今回のもちょっとどきどきしながら読んだのですが、思ったほどエロ度も高くなく、痛いシーンも無かったので普通に読み進められました(笑)
タイトルにも書きましたが今回はファンタジーです。時代は大正から昭和に変わった直後という設定。小さな島に昔からある風習というか、因縁に囚われ、言い伝えに踊らされる人間たちの話なんです。
評価を中立にしたのは面白くなかったとかではなく、結構好きなんだけれど、萌えかと言われるとなんだかこうちょっと微妙にそこからは離れてるかも・・・と評価しづらい部分があったのでこのあたりにしてみたというだけなのです。
輝血様(かがちさま)は島を守る海神様が憑依する男性で、その海神と性交渉がらみの神事を行うのが巫女・・・巫女なんだから本来それを受け継ぐのは女性のはずなのに男である水哉にそのお印が現れちゃった・・・てあたりいかにもボーイズ的ファンタジーですね。
でも、なんていうかこの海神さまに纏わる言い伝えとか、人間の根底にあるドロドロしたモノが暴かれるシーンは興味深かったです。
どんなに表の姿が清らかに見えても深意はわからないものですね。
色々な設定盛り込まれすぎの感はあるけれど、ファンタジーOKで初めて沙野作品に触れるという方にはちょうど良い感じではないでしょうか?
姉の許嫁・戒滋への秘めた思いを振り切るように島を出た水哉。
忙しいながらも平穏に暮らす水哉の元にある日突然戒滋がやってくる。
とまどう水哉をよそに穏やかに接する戒滋だが……
その夜水哉の体に鬼灯型の痣が現れた。
それは海神の依代となった戒滋と対になり"神事”を行う巫女の証で……
神事=神と人が交わる。
まあ、そういうことです。
痣が現れたことによって男なのに巫女となり、ずっと好きだった人(=かつての姉の婚約者)と神事を行わなければならなくなってしまった水哉。
このあたりの関係性やら葛藤にはしっかり萌えました。
神事のためと戒滋に教えられるアレコレは、真面目に語られるだけに逆にエロいよ!!
そう、エロです。
尺はそんなにないハズなのに(そうでもない?)なんかおなかいっぱいになりました。
戒滋兄ちゃんはもう少し危ない人でも楽しかったかもしれません。
前半の彼は割とジェントルメンなので。
……神事の手ほどきにかこつけてもっと色々すればいいのに(ボソリ)
後半。
海神様が出てきてからの展開が非常に駆け足だった気がします。
物語的にもエロ的にもこっからが本番……じゃなかったのか。
最大の障害であるはずの海神様もえらくあっさり引き下がってしまい、なんだかよくわからないうちにハッピーエンドに。
正直ちょっと物足りなかったです。
どっちかっていうと後半をべたべたで引っ張ってほしかったなー。
因習ものという事を聞きましたでのさっそく読んでみましたところ、もの凄くツボでした。
絶海の孤島で秘められた因習で巫女で調教で触手で・・・と色々詰め込みすぎかもしれませんが耽美で淫靡でお好きな方はきっともの凄くお好きなんじゃないかと思われます。
10年前のJuneの雑誌を読んでるような気分にさせられました。
最後はかなり駆け足で尻すぼみの感もありますけれど大満足です。
もしかしたら100年前の過去に一体何があったかは文書で読ませるよりも海神様に語らせた方が良かったんじゃないかな。
海神様が出てきたのがほんのちょっとでしたしね。
萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
姉の元許婚で輝血様・戎滋(かいじ)×異例の男巫女・水哉の、因習を軸にしたすれ違いの恋。
巫女って個人的には萎え単語なんですが、しっかり設計された因習とディティールにこだわった沙野エロ節が効いていて結構面白かったです。
んが。沙野さんと花丸ブラックという強力タッグにすんごいのを予想しすぎたみたいで(…)、そこまでエロくは感じなかったかな。
エロ度は高くないけどエロス度は高い。そんな印象でした。
奉公や神事がまだ身近な昭和初期を背景に、体に鬼灯の痣が浮き出る男女が必ず現れる島が舞台になってます。
その痣が現れた人間は「巫女」と「輝血様」として、島の豊穣を祈願する神事を行わなければならないという因習が根強く残っている。
7歳年上の想い人で幼馴染み・戎滋が姉と婚約したのが耐えられずに、島外へ奉公にでていた18歳の主人公・水哉の体にある日、「おしるし」である痣が浮かび上がってしまう…。
そして、水哉に新たな巫女としての白羽の矢が立ちますが、その相手「輝血様」は、今でも好きな相手の戎滋というわけです。
神事とは、「輝血様」の体に乗り移った海神を、「巫女」が三日間自らの体で性的に持てもてなす=セックスするという腐女子にとっても都合の良い設定となっていて(笑)、そのための水哉の体の準備とゆーか下拵えが、あれやこれやと見所たっぷりでむっふん。
因習と聞いてすぐに触手が思い浮かぶんですが(恥さらし)、そんなの当たり前じゃん!と言わんばかりに触手の他にも、剃毛、現代でいうところのアナルパール、割礼(っぽいの)、女装…等々盛り沢山。きゃほー。
挿入以外にこそ発揮される沙野エロ節が、一番星のように光っておりました。ごらん…あれがエロス星だよ。笑
因習というジャンルに期待するポイントをきっちり押さえているあたりは流石だなぁと思いますが、今回の立役者は何と言っても鬼灯(ほおずき)!
幼小の微笑ましい思い出の一つだった鬼灯が、エロスのモチーフとしての役目を果たしています。
鬼灯がエロいことエロいこと。その比喩もすごいけど、鬼灯に目を付けるその着眼点がすごい。
ストーリーに感心するより、こういうこだわりに感心してしまうのは沙野読者として正しいハズ。笑
口淫とか和合とか尻臀(しりたぶ)とか摩羅とか、そういう時代性を感じさせる単語の選択も話の雰囲気作りに一役買っててグー。
収束の仕方はやや物足りなさを感じましたが、因習の真相が明らかになるくだりでは、おおーってなりました。
まあなんだかんだで、沙野エロスを堪能する仕上がりの1冊じゃないでしょううか。
ごちそうさまでした。