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表題作獣はかくして交わる

ゼロ,自称フリーライター
鹿倉陣也,30歳,警視庁組対二課

その他の収録作品

  • 獣はかくして食らう
  • ゼロの匂い

あらすじ

半グレ集団を執拗に追う刑事・鹿倉は、ゼロと名乗る男に窮地を救われる。
利害の一致から、ギブアンドテイクの関係を成立させる二人だが……?

作品情報

作品名
獣はかくして交わる
著者
沙野風結子 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525162
4.5

(126)

(85)

萌々

(26)

(12)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
23
得点
566
評価数
126
平均
4.5 / 5
神率
67.5%

レビュー投稿数23

男前受け万歳!

男前攻めと男前受けという個人的に最高の組み合わせ。
さらに沙野風結子さんと小山田あみさんという素晴らしい組み合わせ!
買うしかないでしょう!と発売を楽しみにしていました。
結果、大・大満足。
好みのカップリングということもありますが、最初から最後までノーストレスで読み進めあっという間に読了してしまいました。
そしてまたイラストがとんでもない破壊力。眼福です。


フリーライターのゼロ(攻め)と刑事の鹿倉陣也(受け)が半グレ集団である東界連合を潰すために共闘する物語。
二人ともに理由があって東界連合に拘り、なんとしても倒すことを心に誓っています。
利害関係の一致から利用したりされたりするのですが、互いにマウントを取る姿が男前。
同等な二人が遠慮会釈せずに力を出しあっている関係性が堪らない。均衡するパワーバランスからしか生まれない色気が充満していて読んでいて心が踊ります(笑)
ページが進むほどに二人の間に信頼や情が生まれ、少しずつ心の距離がなくなっていく道程もある意味お約束な展開かもしれませんが、十分に楽しませてくれるものでした。

一冊に「獣はかくして交わる」「獣はかくして喰らう」、SSの「ゼロの匂い」が収録されています。
「獣はかくして喰らう」に曲者な桐山検事が登場するのですが、この人の胡散臭さ&きな臭さが凄い。
一応の決着はありますが、嬉しいことに続編が決定しているとのこと。
本にまとまるのはまだまだ先のことだと思いますが、次巻発売を楽しみにしています。

25

これは期待しかないシリーズ!

謎をたっぷり残した状態で終了、続きがちゃんとあるとのことで一安心。
この低糖度な刑事モノの雰囲気がツボにはまって最高だった。

キャラ設定は攻めのゼロが特にめちゃくちゃ好き。カリスマ感とラスボス感と圧倒的な雄感が、挿絵と文章で押し寄せてくる感じ。いろいろと濃い背景を持っていそうなのも、今後明かされていくことへの期待が高まる。
受けの鹿倉は心理描写まで徹底してクール。刑事モノのドラマや映画でよくある、大きな事件解決のために目の前の事件は見ないフリをしなければいけないという展開。王道は我慢できずに飛び出す熱血主人公刑事!てな感じになるが、鹿倉は苦しみながらも仕事に邁進する。ここがとても好きだった。刑事は感情で動かないキャラの方が好感が持てる。
まあ過去に囚われ正気を失い、指定時間にのこのこ出て行こうとしていたところは少々お粗末だったが。

エロシーンにまだラブはない。世界観を壊すことなく、マウント取りに使ってみたりと面白い。セリフも切り取って帯に書けそうなものだらけ。徐々に関係性が変わっていく上でも重要で、エロだけ読み飛ばすとかはできない。
どこをとってもクールだが、こんな二人が今後心を通わせることになるのか?と勝手にヒヤヒヤしながら読むとすごーく萌える。

一応事件は解決したが、これ一冊で完結はしていない。最も気になるゼロについてはまだまだ明かされていない部分が多すぎる。二人の関係も、さらに進んで欲しい。あ、光と闇なんて言い回しは萌える、好き。

とにかく攻めに魅かれる作品だった。設定盛り盛りっぽいので次作以降が楽しみすぎる。
あと刑事モノに小山田先生はぴったりすぎて。表紙もじっくり見惚れた。

25

残り香にエロス

タンデムシリーズって竹書房だったんだぁと振り返りつつ。個人的にこういったカラーの作品に作者らしさを感じます。ディアプラスではちょっと珍しいハードなタイプなんじゃないでしょうか…?

シリアスな警察・裏社会ものは好きです。得意とされる作家様が多々いらっしゃる中、沙野先生が手掛けるものはやっぱりエロが手堅いんですよね。…手堅いエロってなに?笑

それにやみつきになるような独特な暗さがあって、読んでいる間、どっぷり作品世界にハマっちゃいます。本作ではなんとなくヨネダコウ先生の夜っぽい作品(めちゃくちゃ好きな作品です)の雰囲気と重なって、ワクワクして読み進めました。

いやはや、受けと攻めの敵対関係をにおわせておいてからの中立的な落とし所に持っていく展開は、わかっていてもひゃーっ!ってなります。お化け屋敷で自分の先を行くグループが、ぎゃーってなってるのがわかってるのに、やっぱり自分も同じところでぎゃーってなる情けなさね笑

緊張感みなぎる中、実は攻めは受けが大好きなのが端々から漏れてるとこが一番美味しかったです♡

取引関係がラブに転じていくさまをハラハラしながら味って欲しい…というか、出会った時あるいはその前からロックオンしている/されているスタートはBL的にお約束ながら、妄想が爆走します!

イラストについて。常に進化し続けている小山田先生は、わたしの中でキング・オブ・キングズ、ロード・オブ・ローズのハレルヤ的イラストレーターさんということもあって、今回のカバーイラストのあまりの美しさにゾワゾワと鳥肌が…本当に美しいですよね…。

イラストを含め、裏テーマとともに続きが楽しみな二人です。

23

硬派なBL!!!!

こういう作品をずっと待ってました(TДT )
最近の流行りなのか、あったかくて優しいほんわかBLが主流ですが、
やはりBLはこうでなくては!!!!

正体不明×めちゃ強×包容力の鬼=男の中の男の攻め!!!!!!
待ってました〰️!!!!
小山田先生のイラストと相まって、男臭さに思わず呻きました最高です。

強い×タフ×男前×(優しさ)=男前の受け〰️!!!!最高です神です。
自分を投げ出してでも、目的に向かって孤高に暗躍する受け、大好きです。

骨太なストーリーでミステリー要素もありつつ、男前攻め受けの打算有りラブも目が離せません。
シリーズ化するようで、とても嬉しいですん
こういうガッツのある作品、最近は減っているのでとても貴重です。

是非お姉さまがた、読んでください!!!

20

攻めさんも受けさんも、カッコよすぎて悶絶。

作家買い。
沙野作品は個人的にハズレがないのでいつも新刊を楽しみにしていますが、今巻は挿絵が小山田さん。ということで否が応でも期待は高まる。

もうさ、表紙!
なにこれ。
カッコよすぎる。

読後にじっくり拝見すると、この作品の世界観がぎっちりと詰め込まれていることが分かるのも良き。

ダークで、シリアスで、流血もある。
性的に襲われるシーンもある。

裏社会をバックボーンにした作品、なので、もしかしたら読み手を選ぶ作品かもしれません。が、硬派な作品がお好きな方には超お勧めしたい。かくいう私もがっつりと引き込まれました。

沙野先生×小山田さん、そして主人公が刑事であることから、沙野作品の既刊と若干被る点もありつつ、けれどやっぱり沙野先生の書かれる作品は最高だ…!と激しく萌えつつ読破しました。





主人公は刑事の鹿倉。
彼は組対のデカということで裏社会で暗躍する組織を追うのが仕事。今現在、彼はとある組織を追いかけているがなかなかしっぽを掴ませない。

そこで彼が考えたのは「自分をエサにすること」。
自分が捕らえられ、そこで暴行を受ければ、それを突破口にして逮捕することができる。

そう思った彼だが、一人の男性が助けに入りー。

というお話。

鹿倉を助けた人物はゼロと名乗る自称フリーライター。
鹿倉とゼロは、お互いのメリットのために情報を交換することにするが。

ゼロという人物がとにかくミステリアスです。
鹿倉の味方なのか、あるいは敵方の人物なのか?
彼の素性は?

基本的に、鹿倉が裏組織を壊滅できるのか、という点を軸にストーリーは展開していきますが、それだけではないのがさすが沙野さんと言ったところか。

ゼロという男性の謎、鹿倉が組織壊滅にまい進する理由。
そういった彼らの内面をも追いかける展開になっているため、物語に緩急があって面白い。

裏社会、がバックボーンにあるお話なので、痛い展開になることもあり、また弱者が食い物になるシーンもあります(詳細な描写はありません)。そういった展開が苦手な方にはやや不向きかも。

で。

今作品には敵が何人も登場しますが、彼らがまた魅力的なのがなんともニクい。

いやいや、めっちゃ悪いやつなんですよ。
でも、頭が切れ、腹黒で、でも魅力的。
それをサポートするのが小山田さんの描かれた挿絵。

カッコよい。
とっても。

「彼」との闘いは、続編が決まっているらしく、はい、正座してお待ちしております。

ストーリー自体非常に面白いのですが、BL的な描写も非常によろしかったです。

ゼロと鹿倉には、序盤から性的な意味での接触が非常に多い。
そこにきちんと意味があるのでストーリーに重きを与えますが、この彼らのやり取りがね、

めっちゃ、エッロいのです…。

エロいのに、カッコいい。
まるで闘いさながらの濡れ場なのです。

どちらが上、ということはない。
イーブンな関係。
沙野先生の描く男前受けって、なんでこんなにかっこいいんでしょうね。

中身がカッコいいんですよ。非常に。
一本心が通ってる、っていうのかな。

人に左右されることなく、自分の信念を貫く。
そのために、彼は自身を犠牲にすることも厭わない。

刑事としては失格なのかも。けれど、人として、カッコいい。

ゼロもカッコよかった。
彼にも彼の信念がある。
けれど、鹿倉と出会い、彼は守るべきものが増えた。
どちらも守りたい彼に、心からのエールを送りたい。

裏社会を描いた作品であること、ゼロや鹿倉の過酷な過去がバックボーンにあること。それらから、今作品は「夜」の匂いが付き纏います。「闇」と言い換えてもいいかも。

けれど、そこに光は差し込む。
その「光」が、いったい何なのか。

非常にクールな男気と、そこに相反するように、けれど人には必ず必要な深い愛も描かれていて、そのバランスが秀逸。

小山田さんの描かれた挿絵も相俟って、非常にカッコよく、けれど時に不器用な、愛情深い世界観を放つ作品でした。

文句なく、神評価です。

18

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