• 紙書籍【PR】

表題作砂楼の囚われ人

サフィー アラブの王子様
富塚直貴 汚職疑惑政治家の息子

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

富塚直貴は幼少の頃、中東の国ハリファスタンの美しき第三王子、サフィーと出会った。お互いに惹かれ合い親友となった二人だったが、17歳の夏、サフィーが直貴を押し倒し無理やり我が物にしようとした事から、直貴は彼の元から逃げるように去った。それから十年、汚職の嫌疑から議員である父が自殺し、さらに何者かに脅され心身ともに追い詰められていた直貴の前に、突然サフィーが現れる。直貴とその母を自国で匿うとの提案に感謝する直貴に、サフィーはその代償として、直貴の身体を差し出す事を要求してきて…。

作品情報

作品名
砂楼の囚われ人
著者
松幸かほ 
イラスト
史堂櫂 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルスHYPER
発売日
ISBN
9784778106119
2.6

(3)

(1)

萌々

(0)

(0)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
6
評価数
3
平均
2.6 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数2

ひさびさのアラブのホームラン(笑) 

愉しいアラブものだった。
最近になかったアラブの王道の展開がてんこ盛り(笑)だが、それに少しだけ変化がきいていてヨカッタ!
話は日本で汚職疑惑が持ち上がり自殺してしまった父親を持つ受視点で語られる。
政治家になる前に外資系につとめていた父親の関係で、少年時代フランスで暮らしていた受はそこの学校で攻と出会う。親友になり、攻がアラブの国に戻っても頻繁に遊びに行くほどの仲だったが、とあることで仲違いして今は疎遠に。
が、汚職疑惑は間違いだと真相究明に乗り出した受を数々の危険を襲い、それを心配した攻一家が自国へ保護してくれる…なんてところから話はいっきにアラブへとぶのだ(笑)
攻が一貫して民族服を着ているのがまたいい(笑)
攻のハレムで保護されたはずが、あれよあれよとボーイズラブお約束の展開へ。
でも、攻としては受が好きすぎてのゆえ。心がダメなら体だけでもなんてことなのだが、受にはそれが伝わらなくてわからなくて意地をはる。
アラブものだけど幼馴染みもののように気持ちの下地がしっかり出来ているところが、個人的に大ポイント!
わりとオトコマエで、気が強い受のキャラも萌え~!
攻は熱くて受けにめろめろで文句なしにヨカッタ(笑)
ひさびさに読んで愉しかった~とほくほくした作品。

3

詰め込み過ぎじゃないのかなあ・・・

松幸さんのアラブものですね。

でも『直貴(受)の政治家だった父親の汚職(疑惑)を巡る問題』はストーリー上必要だったんでしょうか?
逆に、これ入れるんなら別に『アラブ設定』じゃなくてもよかったんじゃないのかと思ったんですよ。普通に日本で(アラブもの関係なく)これだけで書いた方がよかったんじゃないかと。
特に、日本に帰って来てからの流れを読んでそう思いました。単に砂漠を舞台に書きたかったの?

ラブを軸として絡めた事件はホント底が浅いというのか、犯人は冒頭でミエミエです。でも、あくまでもラブストーリーですからミステリー・サスペンスとしての完成度は求めていません。

まあ、だからこそ↑(レビュータイトル)のとおり、あまりあれもこれもと詰め込み過ぎない方がいいと思うんですが。

他にも、サフィー(攻)と直貴が子どもの頃に仲がよくて、でも17歳の時の出来事で疎遠に~と『幼馴染み・再会もの』の要素もあったり。

う~ん、正直評価は迷うんです。単純に言えば相変わらずアラブテンプレートの『監禁・凌辱』だけでもううんざりでした。

でも、後半のサフィーの反省から来る変化を見るにつけ『何故この我慢が最初からできない!』とハラ立ちました。もしそうしてくれてたら、個人的に『アラブものとしては画期的』だと気に入ったかもしれないのに。

だって、ラストはなんと『愛してるから身を引く』ことまで考えるんですよ、アラブの王子さまが!いや斬新。
いっそその路線で書いて欲しかった、と思ってしまいました。『アラブの邪道』が読みたかったよ!

そう、中盤の『いかにもなアラブものお約束』の『無理矢理』を除けば結構面白かったんです。それが非常に残念でした。
それとも『凌辱』はアラブと言えばコレって感じで絶対外せないファクターなのか?だったら私には永遠にアラブは無理ですが。

ホントに何かと『もったいない』と感じる作品でした。でもそれも、よかった部分があったからです。

1

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP