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表題作酔いどれ金魚と野獣

今井誠一 彫り師
門脇一広 バーテンダー

あらすじ

バーテンダーの門脇は、ひょんなことから腕利きの彫師・今井に付きまとわれてしまう。彫らせろと迫られ辟易していたある日、過去の深い傷が疼いて禁忌を犯し、自棄になった門脇に、今井は快楽の牙を突き立てた。今井から与えられる、躰が蕩けてしまいそうなほど濃厚な酩酊に、門脇は貪ることをやめられない。もっと嬲って欲しい、辱めて欲しい。その欲望だけに囚われ、めちゃくちゃにされたいと身悶える門脇だったが……。濃密エロス、オール書き下ろし。
出版社より

作品情報

作品名
酔いどれ金魚と野獣
著者
中原一也 
イラスト
北上れん 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイSLASHノベルズ
発売日
ISBN
9784862634733
3

(15)

(2)

萌々

(1)

(8)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
41
評価数
15
平均
3 / 5
神率
13.3%

レビュー投稿数10

彫る・掘る・惚れる・・・

「酒は人を魅する悪魔である。うまい毒薬である。心地よい罪悪である。~アウグスティヌス~」から始まる門脇の苦悩の日々のお話。

一気読み!いやー、エロくて情けなくて可愛かった。
登場人物が少ないので、神評価は甘いかなとも思ったけど、楽しかったからいいや。

元アルコール依存症のバーのマスター門脇と、彼の背中に惚れ込んで「刺青を彫らせてほしい」とバーに日参している天才彫り師今井のお話ですが、流され侍のマスターは、今井曰く「金魚すくいの金魚」。確かにフラフラと泳ぎながら、簡単につかまりそうで、するっと逃げちゃう感じ。余計なところで男のプライドが顔を出し、墓穴を掘るタイプでもあります。流されることもさることながら、アルコールが入った日には大変なことに!(必死に我慢しているのに、たまに誘惑に負けちゃう)その点今井は人を見る目がある天才肌。なんだかんだで、人間がでかい。

自分のせいで友人の人生を変えてしまったとか、こんな状況なのは自分がいけないとか、どんどん自分を追い込んでいくタイプの門脇くんです。(萌えポイントの「ヘタレ」は門脇くんのことです。)また、依存症にもどってしまうのか?・・・とハラハラさせられますが・・・その為に今井さんがいますので。
そして、門脇くんはややMなもので、エッチシーンになるともう全開しちゃいます。今井さんのほうも、任せとけってな感じで。うふっ。

そして、悪役の清水。彼のようなタイプの普通にいそうな悪い奴って、あんまりお目にかかったことがない気がします。BLでは、外見がよくて、子供の頃から面倒見がよくて、っていう男は「悪い奴でも本当は優しい」系のお話が多いじゃないですか?清水はただのワルだもん。

で、結局マスターの背中は綺麗なまんまですが、今後どう展開するのでしょうか?続きあります?彫るなら「琉金」がいいな。そんなデザインあるのかは知りませんが。

5

惚れちゃったみたい・・・

中原さんの本はこちらが初めて。
読んでみて、最初の数ページでその文章に惚れました。
読みやすいなぁとか、
面白いなぁとか、
好きだなぁを通り越して、
惚れる……と思った小説は初めてかも。

まず、登場人物が話したり考えたりする時の、言葉のチョイスがすごく好み。
" まるで ~ " " ~ のよう "
これら が多用される比喩的な言葉の数々も、読んでいてとても心地いい。
あまりに多いので、中原さんの頭の中はどんな感じなんだろう?と覗いてみたくなるほど。


メインの登場人物にもかなり惹かれました。
受けは、
押しにめっぽう弱くて女性関係で問題を起こし、
それが原因でアルコール依存性になった過去を持つ、バーのマスター。
結構ぐるぐると考えるタイプ。
ダメ男だけれど、そのダメさ加減がなんだか可愛くて母性本能をくすぐられるのです。

お相手は、
彼を熱烈に口説く、30半ば、無精ひげの似合う大人の色気たっぷりの刺青彫師。
愛の言葉はダイレクトにサラリと口にする、基本軽めな素敵オヤジ。
その愛の行為は濃厚で、激しい。
男とのセックスが初めての受けに、
指の次に入れたのが、高級な大粒のチェリー8つ……って激しすぎるでしょ…

登場人物に生々しさがあるというか、
キチンとし過ぎていない感じが、すごく自分好みでした。


刺青を彫るシーンと、
過去に沢山の女性を相手にしてきた受けが、彫師相手に望んで女のように抱かれるシーンは、
艶めかしくて、色っぽくて、帯びた熱が感じられるようで特に素敵でした。

いつも軽い人が、真摯に仕事に打ち込んでいる姿……
そもそもそれだけで絵になる格好よさだと思うのですが、
攻めの刺青を彫る姿は、それだけじゃない際立つ風格や美しさがあるのです。
周りの空気を一変させる、その言葉たちがとても素晴らしい。

そしてセックスシーンは、
最初から果物使用で濃い目ですが、もちろん快楽追求ばかりではないです。
攻めの、男としての自信に満ちた獣ぶりと、根底に感じる愛情が堪らない。
これは虜になっちゃうよなぁ、お酒より中毒性が高そう♪


色々書きましたが、
要は、とにかく中原一也さんの文章にノックアウトなのですw
惚れる理由に十分な言葉は書けたかしら……

3

どっちも彫り(掘り)たい

ヤクザに一目置かれる凄腕の彫師・今井×元アルコール依存症だったというバーテンダー・門脇。

受けの門脇には、女関係にしろ酒にしろ一度身を持ち崩すとどうしようもないのに、独特な庇護欲を掻き立てる面がある。
なのに不思議と女々しさやイラつきを感じずにすんなりと読めたのは、結構肝が据わっているというか図太さもあるキャラだからだと思う。
強面ヤクザ相手にも紙一重のやり取りが出来る位だし。
そんな雰囲気なので少しコミカルさもあって重苦しさもなく読みやすい。

その中でも「アンタの綺麗な背中に惚れた」という攻め・今井の絶妙な口説き具合や、他人の背中に入れ墨を彫る様子にエロい雰囲気を漂わせていて、萌えツボはきっちり押さえられている。
何だか中原さんの書く渋いオヤジ攻めに魅力を感じるのが分かる気がする。

但し、エッチシーンには異物挿入もあるので苦手な人は要注意。
個人的にはマニアックなエロシチュエーションよりも、今井のねっとりとした絡みと言葉攻めで、酒に流される代わりに快楽で酔わせようとするのに萌え萌えだった~!!

あと、実際に読んでみた後に解ってもらえると思うのが小説のタイトルの絶妙さ。
まさにドンピシャ!!と唸ること請け合い。

3

さくらんぼがもったいない

デススパイラル系ダメ男のバーテンさんを、生命力も精力もたっぷりな彫り師さんが、セックスで虜にしちゃうお話?

バーテン・門脇はほんとに何にも気がつかないダメダメ男。
ここまで終始一貫した、救いのないダメ男の受けは、ある意味珍しい。
対する、彫り師の今井も、見た目以上の絶倫さん。
セックスを楽しむ(?)ために、さくらんぼや、ピンまで使っちゃう
これも、ここまでしながら、鬼畜な訳じゃない。
門脇の幼なじみ清水が、全くどこにも救いのない悪者なのも珍しい

こういうクッキリしたお話は、ドラマCDに向いていそう。
門脇、今井を健ちゃん健太ちゃん。
清水は、前野さんがいいな。

【注意】
食べ物を使ったプレイや、尿道攻めがあります。
苦手な方は注意してね。

1

ひらりひらりと泳ぐ金魚

まさにタイトル通りのお話。

なんだか今回の受様は全然カッコよくないし、
オシャレでもない。
でも、なぜか憎めない。
そして攻様も、据え膳はあっさり食っちゃうし、
嫉妬して受様を苛めちゃったりするんだけど、
肝心な所ではやっぱりカッコいいv

ある意味定番から外れた主人公な気がします。
でも攻様は安定のスパダリ感v
まぁちょっと色々スケベオヤジ過ぎな気もしますが(笑)

ふと気づけば、これって10年も前の作品だったのですね。
その辺全く感じられないのは凄い。

お話的には面白かったんですが、
これは全く個人的趣味で、プレイにイマイチ萌えなかった!
なので評価は「萌×1」で!

1

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