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表題作愛と正義と

白土井翔一郎・受様のライバル的グラフィクデザイナー
押切温・都会的なグラフィクデザイナー

あらすじ

ほとんど会ったこともないのに幼い頃から何かにつけ比べられてきた再従兄弟と、祖母の葬儀で顔を合わせた押切温。それが、グラフィクデザイナーとなった今、作品を何かと比較されることが多い同業のライバル・白土井祥であったことを知り驚く押切だったが、後日誘われた酒の席で突然「お前に惚れてる」と告白され、しかもその後うっかりと酔ってお持ち帰りされ、あまつさえ美味しく戴かれてしまう。不覚を取ったと後悔し、何も覚えていないふりをする押切だが、それ以降白土井のアプローチは激しさを増し…。
出版社より

作品情報

作品名
愛と正義と
著者
火崎勇 
イラスト
海老原由里 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルス
発売日
ISBN
9784778106812
2

(3)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
1
得点
4
評価数
3
平均
2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

・・・何かが足りない

攻・白土井祥(27)
受・押切温(26)

再従兄弟で、白土井が1才年上。
ともにグラフィックデザイナーで、仕事の環境も似ていることからよく比較されるコトが多い。

温にとって再従兄弟の「祥一郎」は苦手な存在でした。
子供の頃もほとんど会った事などないのに、親戚の大人たちが自分と比べるものだから、その存在にはうんざりしてました。
また同業者の「祥」に対しても、苦手意識を持っていた。
同じフリーのデザイナー、キャリアと仕事の種類もランクも似ている。
自分より背が高くて男前だというのも気に食わないし、デザイナーとしての才能も拮抗しているから、なおさらライバル心を煽られる。

温の苦手な2人が、まさかの同一人物だと知ったのは、本家の葬式に行って再会したからでした。
祥はずっと「東京の温」とデザイナーの「押切」が同じ人間だと知ってたのですが、温は全く気づいてませんでした。

苦手が二倍になってしまい、温は当然のように祥を避けようとします。
でも祥の行動力(押しの強さ)の方が上手。
なし崩しに飲み会の場に引っ張り出され・・・けれど、酒を飲みながら話をしたら、想像よりもいいヤツだった。

と、祥に対する評価が少し変わってきたところで、酔いつぶれた温は祥に美味しく頂かれてしまうわけです。

基本的に「とてもとても男前」な受の温が、「外見は男臭く悪い男風」の祥の言動に腹を立てながらも、次第にほだされて、最終的には出来上がってしまうお話。

設定だけだととても好みなのですが・・・。
何故か読後は満足できませんでした。

祥がへタレを通り越してウジウジ男だったのが原因なのか。
温が男前過ぎるのが原因なのか・・・。

火崎さんの他の作品でお気に入りのものと比べて、原因を発見。

この2人、親戚としても、デザイナーとしても、一応「ライバル」設定。
なのに全然ライバルらしくやりあってないのです。

仕事で競い合う事があって、その過程で祥の過去のキズ(トラウマ)とか、人間関係とかが温に知れて・・・という感じだったら、もっと面白かったのかも。

温の一人称の独白だけでは物足りない感じ。
折角の設定がもったいないなぁ。

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