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初読み作家さんでした。
メインは、表題作の兄弟もの。ガチなやつです。
キャッキャウフフでキラキラなさっくりBL求めてる方には、全くオススメ出来ません。
ずっしりきます。
全体的に淡々とした雰囲気で、妙な美形とかも出てこず
ごく普通な感じ(どちらかと言うと地味)のキャラクター達です。
むしろ陰気なムード漂ってますが、この本はそんな世界観をどっぷり楽しむ作品かと...。
最初の方は淡々としてる感じなのに、実は結構な執着心...ってのが
怖気持ちよくて、ゾクゾクしました!
親のいない、二人だけの閉じた世界でお互いに執着し合って、共依存沼。
このどこにも行けない感じ、私はとても好きです。
他には...高校生と40代のリーマンCP等。
こちらは、さほど陰気ではありませんが、真面目で良い作品だと思います。
個人的には高校生くんが攻だとよんでいる...(希望含)
カバー下にもこのふたりの小ネタがあるのですが...
友達!!いいぞ!!いいやつ...!!!実にほっこりしました。
周りの人にも恵まれて、いい雰囲気で続くといいな~と思う可愛らしいCPです。
どの作品もとても雰囲気のある、だけどそれだけじゃなく、
どれも芯のあるお話で、総合的に実に優れた1冊だと思います。
表題作じゃない作品の方がいい。
ホモであることの葛藤とかあきらめとかが、リアルに繊細に描かれている。それはとても大事なこと。私たちがBLを読むのは、この心理を読みたいからだ。
画力について他の方がレビューで触れているけど、この人は下手とゆうより、正確に詳細に描くことに興味がないって感じ。最も似ているのは曽根富美子。絵の雑さも、心理描写の上手さも似ている。
優れた才能。ヤマシタトモコ、よしながふみに匹敵する。
兄弟(実兄×弟)モノを表題作とした、短編集です。
ストーリーはすごいです。表現も独特の雰囲気があって、妙にエロくてよかったです。
ただ、画力がついてきていないところが残念。
キャラクターの書き分けも、出来ていなくて、皆同じ顔に見えたり、気を抜くと、途中で、誰が誰だか、見分けがつかなくなる。
Hは、全体的に薄めです。
しかし、全体的な雰囲気が、しっとりと色気をはなっています。
最後のほうに、Hシーンのある話が、何本か入っています。
それのひとつが高校生同級生もので、強○シーンが出てくるんだけど、そのエロさときたら、すごいです。何がって、言うことを聞かすために平手打ちしています。
私常々思っていたんです。BLの強○シーンって、本当の意味での強○じゃないのが多いなって・・・そんな生易しい攻め方で、男が嫌がる男を無理やりに抱けるのか? っと、素朴な疑問で思っておりました。
相手を服従させるための、平手打ちが、受の精神を打ちのめすんですよ~
でもね、受も攻のことが最初から好きで(むしろ受の片思い的なところがあるから)攻も、受のことが好きで、それをうまく相手に伝えられないという、若者ならではの、不器用さや、青さが、いいんですよ。
もう、最後には、Hしながら、受の指とかぎゅーって曲がるほうとは反対に握って、「痛くされたくなかったら好きって言えよ!」 って。
受けを追い詰めているはずの、攻めが、逆に切羽詰まってて、追い詰められてるかのような台詞。
でも受も意地があるから絶対に好きっていわない。
まだまだ、もの足りないところが多いと感じる作品でしたが、今後が期待大の作家さんだとおもいます。
つきぬけた明るさはありません。
表題が兄弟モノだけに、ネガティブなイメージが先行してしまいがちなのですが、当の本人達はそれで幸せなのです。
じっとりと湿り気を帯びた作品は、ともすればノスタルジックな「赤色エレジー」を思わず口ずさんでいる自分を引き出します。(唄と作品とは全く関係ないですが)
両親が亡くなり二人だけになった兄弟。
この作品は兄の思い詰めた弟の喪失を恐れるあまりの歪んだ執着と、弟の兄への幸せを願う気持ちがすれ違い、その感情が露呈することによって繋がる展開はよく見る形です。
しかしその表現が「三途の河を一緒に渡る」という末恐ろしい発言によって、湿り気を増幅させている部分が独特だと思うのです。
そして『home』で兄の友人を通して、わだかまりを抱えていた友人の心を動かすといった、とても覚悟の強い繋がりをまた見せるのでした。
暗く重いのですが、観念的世界は嫌いではありません。
『サイレント』
高校生同士モノだが痛く切ない。
いつも一人で図書館にいると、無愛想で言葉も交わしたことのない鈴木がやってくるようになり、気になる存在になった時、それは悪意を含んだ悪戯だったのでは?と知った時に歪んでしまった関係。
本当はお互いが好きなはずなのに、「嫌いだ」と答えるその心が苦しくて。。
他にも先生・生徒、幼馴染の再会モノ、高校生カプの試練、などがありますが、この本の中で唯一ほっとできる温かさを含んだものが『春めく人びと』でした。
お人よしといわれる高校生が、優しい心を持った(この人もお人よしかも?)おじさんに惹かれる話です。
このカプはカバー裏にショートが入っています。お父さんに間違えられるおじさん(汗、)受け攻めどっちだろう?
全体を通してエチとかエロとか薄いですが、湿り気のあるという表現は、ある意味現実味を帯びているからなのかもと思いました。
表紙絵にずっと惹かれていたものの、帯を読んだら兄弟ものということで、なんだか避けてました。
しかし、帯にあるほどディープな親近相姦ものではありませんでした。思った以上に乾燥してる。
むしろ、物語の内容が頭に残らないくらいにさらっとしてる作品も…(笑)
眠い時に読んだら全く残りませんでした…。眠い時に読むなよっていう話ですが。
両親が他界し、二人っきりの家族(兄弟)で親近相姦な表題作シリーズは書き下ろし含め3作。
そこらの軽いBLでは、「まあ兄弟で、とかもあるでしょ!それも萌えでしょ!」なんて明るいノリだったりしますが、そのノリをこちらに求めると全く筋違いな気がします。
兄弟モノが主流なのではなく、「背徳と知った上でも幸せといえるか?」的な話なのかなと感じました。
話の流れはとても静かなんだけど、内なる方で少しずつ狂っている気がする…。特に兄が。
兄が弟を見る瞳が、ドラマや映画でよく出てきそうな、犯罪者の目。
これをヤンデレと呼ぶのかな…。とりあえず病んではいる感じです。
最後の書き下ろしの「スイートホーム」のネクタイ目隠し&お縛りにはちょっと萌えたんですが、最後はこの兄の瞳が「どうしようもない感」をいっぱいに醸し出していました。
読後感は消してよくないですが、読めば読むほど感じる物があるかもしれません。
他に「サイレント」という作品もまた随分変わった作品で、どうしようもないくらい歪んでいます。モノローグがとても文学的で、余計にどうしようもなくなってます。
個人的には一番好きでした。
絵の方は表紙絵以上に荒削りな感じです。色っぽさというか、華がありません。
でもそのかわり、シリアスな場面での瞳はよく語ってます。
それがこの門井さんの独特の雰囲気の特徴なのかな。
親近相姦ものに対してそこまで大きな抵抗がなければ、読める話だとは思います。
逆に軽い親近相姦ものの方に抵抗がある方は、こちらを読んでみると逆に見方が変わるかもしれません。
興味をひかれた方はぜひ。
個人的にはすきです。こんな作品がたまにはあるべきだ!と思いました。