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表題作永遠と一瞬

高岡烈、覆面歌手【R】であるトップミュージシャン
田中優哉、攻様のプロモに関わる旅行代理店勤務

その他の収録作品

  • 一瞬の合間

あらすじ

旅行代理店勤務の田中優哉と、トップミュージシャンの高岡烈は幼なじみ。優哉は、傲慢だけど自分にだけは優しい烈に想いを寄せていた。ある日烈の依頼で、プロモーションビデオの撮影に同行することになった優哉は、烈の昔の恋人でカメラマンの小島にモデルの話を持ちかけられる。小島に「烈を君の子守から解放してあげて」と言われショックを受けた優哉だったが自立の一歩としてその話を受けることに。しかし、猛烈に反対する烈と大喧嘩をしてしまった優哉は、そのまま烈に乱暴されて…。
出版社より

作品情報

作品名
永遠と一瞬
著者
西門 
イラスト
車折まゆ 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
発売日
ISBN
9784592875857
2.5

(6)

(0)

萌々

(0)

(3)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
12
評価数
6
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

大切な思いを伝えるもの

今回は巷を騒がす謎のミュージシャンと
広告代理店勤務のサラリーマンのお話です。

互いに思っている幼馴染の二人が紆余曲折の後に恋人になるまでと
その後の二人を収録。

二人は分譲マンションの隣同士を両親が買って以来の付き合い。
お互いに一人っ子同士ですぐに毎日一緒に過すようになり、
家族ぐるみの付合いをしてきた二人ですが、
受様が高校生になったある日、
攻様の部屋を訪ねると彼が男友達とキスしている場面に遭遇、
二人の親密な関係に攻様への恋心を自覚します。

その後、攻様は一度はデザイン事務所に就職しますが、
友人が送った1本のテープがきっかけでメジャーデビューし
いまや実力ナンバーワンといわれるミュージシャン『R』となります。

小さい頃から攻様の歌が大好きだった受様ですが、
彼の声を自分だけのものと思っていられたのはもう昔の事。

受様は今や時の人とも言える攻様に置いていかれない様にと
旅行代理店に入社以来、焦るほどに仕事に励む日々を過します。

そして現在・・・
『R』はメディアに一切を伏せてデビューしますが、
契約切を期に顔出しのジャケット撮影とプロモーションビデオを作る事になり、
誰よりも攻様の感性を知る人物として、
その撮影場所の選定とロケ手配の一切を受様が依頼されます。

しかし攻様の理解者として協力を求められたのは
受様だけでは有りませんでした。
今回カメラマンとして同行するのは攻様の元彼だったのです。

自分の気持ちを上手く隠し通せれば
「幼馴染」の地位をキープしていけると思っていた受様ですが
元彼は受様の気持ちを見抜き、
攻様を子守りから介抱してあげてと迫ります。
彼のためを思うなら自分から離れたほうが良いのだろうか?

受様がロケ地として選んだ白神山地で
それぞれの思いが錯綜し、
幼馴染だった二人の関係を一転させる事件が勃発。
二人は新たな関係を作る事を余儀なくされます。
はたして二人の恋の行方は?

お互いが大切すぎる為になかなか一歩を踏み出せない関係というのは
ハラハラさせられれぱさせられるほど、読者時には面白いですよね。
特に端々にお互いへの独占欲が見え隠れすると最高です!!

本作が商業デビューという西門さんですが、
攻様自身の歌や雑誌インタビュー等、
お話の展開の鍵となる小道具が端々で効果的に使われていて、
全体的にとても流れがよく読みやすいお話でした。
元彼の恋で続編希望したいですね♪

今回は幼馴染&年上攻めのカップルで
夏目ももさんの『誘惑のフライト・ロマンス』をお薦め。
夏目さんもコチラがデビュー作になります。

5

周りの人にかき回され、支えられ、

幼馴染の二人が、お互いを思いながらも今のままの関係を保とうとして・・・というお話。

事情があってマンションの隣の家族に世話になっていた烈と隣の息子優哉。
二人は小さい頃から仲が良く、大人になった今でも兄弟同然な生活をしているのですが、歌にデザインにと才能を発揮している烈に、旅行代理店勤めの優哉はコンプレックスを抱いています。
そこへ、プロモーションビデオの撮影旅行を依頼され、優哉も同行することになるのですが・・・

お互いがお互いに恋をしているのに打ち明けられないでいるところに持ってきて、烈の元彼でカメラマンの小島と、優哉を大事に育ててくれている上司の藤という存在があるため、それぞれの嫉妬と遠慮が交錯して、“今のまま”すら保てない状況になってしまうのです。
しかしまた、その二人によって誤解が解かれめでたしめでたしとなるわけですが、
まぁ、小島の小悪魔なことったら!そのかわり、藤さんは思いっきりいい人ですが。

背景として、覆面ミュージシャン【R】である烈とその歌、雑誌インタビュー、
小島の写真集やプロモーションビデオが効果的に使われ、なかなかいい感じに仕上がっていると思います。それこそ、烈の歌が聴きたいくらいです。

番外編ではよりラブラブになった二人と周りの人々を見ることができます。
二人の関係を親に知られるのが怖いと言う優哉に、「多分、みさちゃん(優哉のママ)は知っている」と烈が言うところがなんだかよかったな。

勢いで買った本で、何が購買意欲をそそったのか自分でも分からなかったのですが、読後感は良かったです。
で、小島と圷くん(小島のアシスタント)のお話、書きましょうね、西門センセ。

3

腑に落ちない行動

攻・高岡烈(28) 覆面ミュージシャン
受・田中優哉(26) 旅行代理店勤務

幼馴染でお隣さん。
高校生の頃、烈が男友達(小島)とベッドの上でキスをしているところを見てしまいます。
烈は「小島は恋人じゃない」と言いますが関係は否定しない。
自分の烈に対する気持ちを自覚し、同時に失恋してしまった優哉。
以来、自分の気持ちを押し隠しています。

烈は覆面ミュージシャンの【R】です。
烈に連れられて入ったレストランの個室には、マネージャーと小島が待っていました。
アルバムのプロモーションとして初めて素顔を公表する撮影の打ち合わせでした。

優哉は小島が烈と未だに付き合いがあることを知って落ち込みます。
「烈を一番知っているのは優哉だから」と言われて撮影場所の選択を任されてしまうのですが、自分よりも小島の方が相応しいのではと悩みます。

小島は撮影旅行中、優哉を試したり責めるような言葉を吐いたり。
優哉が傷つくと分かっていて烈との関係の継続を匂わすようなことを言ったり。
ましてや烈を好きだとハッキリ言い「開放してあげて」と責め、優哉から離れることを求めてくる。
その晩、烈と小島がキスをしている場面を見てしまい、自分の想いは消すしかないのだと思い知ります。

烈を避けようと小島の写真モデルを引き受けた優哉。
モデルは辞めろと迫る烈と争いになって、強姦されてしまう。

旅行から帰ってからは烈との連絡を絶ちますが、烈も優哉を避けていて。
小島に渡された雑誌と部屋の鍵。
烈が自分のためだけに歌っていることを思い出し、気持ちを伝えようと烈の隠れている部屋に向かいます。

幼馴染の恋が成就する話ですが…キュンキュンするものがあちこちに散らばっているにもかかわらずイマイチしっくりこなかったのは、恋敵の小島の矛盾ばかりの行動です。

烈と小島は元カレ・元セフレという関係。
今は新しい相手が居るのなら、なんでここまで酷くイジメるかな?
優哉が盗み見したキスの時点で、小島には新しい相手が居て幸せで、2人とも納得してる別れのキスだったんでしょ?
優哉が見てることを知っていながら「俺が烈のこと好きだって知ってた?」なんて聞かせるような台詞を吐くし、後のフォローもしてない。
そういう行動が小島の底意地の悪さと執着と未練をだだ漏れにしてて、本当に烈と別れてんのかと疑いたくなる。

烈にも惑わせるような事を言ってたみたいだし。
小島の行動が腑に落ちなくて、そっちが気になって主人公カップルに気持ちが入り込めなかったです…。

自分の執着が優哉を傷つけるかも、って恐れはわかるけどさ。
想いを歌ってるだけで自分から行動を起こさないし、小島と本当の意味で切れてないような気がするので、この攻は…私にはダメダメでした。

4

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