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表題作花喰いの獣

篠塚朋光・気持ちは今もヤクザのラーメン屋店主
多和田恒一・米国留学経験も有る心理カウンセラー

同時収録作品花喰いの獣

強面な元ヤクザの組長で現不動産会社社長・尾崎一雅
親の死に起因し感情起伏が少ないバーテンダー・如月巳

その他の収録作品

  • 高嶺の花

あらすじ

女を抱くたび頭の中にチラチラ浮かぶ顔──組の解散を機にラーメン屋の店主となった篠塚を悩ませる幻像は、元組長の恋人の主治医である精神カウンセラー多 和田の淫らな姿だった。元極道の自分とは住む世界の違う穏やかで清廉な多和田を汚すわけにはいかない…そう思い距離を置こうとする篠塚だが、押し込もうと すればするほど、眠っていたはずの己れの中の獣が目覚めようとし──。
(出版社より)

作品情報

作品名
花喰いの獣
著者
火崎勇 
イラスト
亜樹良のりかず 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルス
シリーズ
ただ一人の男
発売日
ISBN
9784778108304
3.6

(12)

(2)

萌々

(5)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
43
評価数
12
平均
3.6 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数3

夢精から始まる…

「ただ一人の男」スピンオフ。

見かけや中身、元ヤクザの舎弟頭だけあって結構男気!!な篠塚ですが
ある1人の人物に対してだけはヘタレを出しまくってる可愛い男。
なんてったって初っ端から夢精で始まる物語なのですから…(^^;)

何もなければ知り合うことっもなかった2人。
如月を通して知り合いにはなるも1歩引いて接してる。
なのに彼は自分の中に入り込んできて…

多和田に惚れてるのに…だからこそ手が出せない。
優しくしてやりたい、でも…
(ああっ、イジイジするなぁ篠塚)
しかし過去の男(勿論ヤクザ絡みよ)が現れて自分を狙っている。
余計に多和田を自分に近づかせるわけにいかなくなった。

だけど多和田はそれを逆手にとって篠塚に近づく。
そうなるともう篠塚も我慢の限界!!
だけど多和田はそれを望んでた訳だからいいんです!!

が、やはりそんな仲になった後も篠塚は1歩引いて多和田に接してる。
すると今度は尾崎や如月を巻き込んで…
結構策士なのかなこの人?
でもそうかと思えば天然ちゃんだったり。
篠塚が良ければ、まっいっか。



2

外見に似合わず、不器用でビビリな元ヤクザ。

「ただ一人の男」のスピンオフ作品で、主人公は「ただ一人~」の尾崎の元舎弟・篠塚と、尾崎の恋人如月の主治医・多和田です。
”俺なんか"という分不相応を感じて積極的になれない攻め様を、受け様が積極的に誘うという、外見とは正反対のS受け様が印象的な作品です。

冒頭はいきなり多和田を犯している篠塚の夢から始まります。
組の解散でカタギになり、そこそこ繁盛しているラーメン店の店主になった篠塚は、意識もしていなかった妄想に少しまいり気味。
元組長の尾崎とその恋人如月の愛を見ていたから、男でもあり、みたいな意識になってきたようです。
でも、多和田とは如月を通しての知り合い、そして友人のような関係であります。
そこへ、多和田の元指導医とその細君(実は売りの過去あり)との出会い。
極道時代のライバルの乾が出所して篠塚を探しているという噂が流れたことで、篠塚と多和田の関係が進展していきます。

きれいで、頭がよくて、そんな先生を自分みたいな極道上りが、夢の中でも貶めてはいけないと抑制する篠塚が、ちょっと古臭いヤクザな感じでいいじゃないですか。
また、やくざは辞めたけど元組長の尾崎の犬であり続ける、決してカタギさんには迷惑かけちゃいけないというその姿勢も、不器用だけど男臭くて、喋り方にも出ていて好きです。
一方多和田は、結構積極的だったようで、びっくりです。
恩師の奥さんが篠塚と浮気してるんじゃないかと、修羅場になりそうになった時、いきなり”篠塚さんは恋人なんです"って言ってキスしかけてしまったり、その後篠塚の家で借りたふろ場で篠塚を想って自慰してしまったりとか、オオーッ!やるじゃん、先生。
しかも篠塚の背中の刺青に欲情しちゃったり・・・
初エッチも自分から積極的に篠塚を説得して誘っております。
外見に似合わないその性格に惚れぼれしますよ。
ま、篠塚が好きだからと、それなりに自分で情報収集したり、如月と接触したりと割と頭脳派でありましたよ。

「高嶺の花」でも相変わらず、篠塚はビビリで、、
というのも、最初の時に多和田を潰すほどやってしまって恥ずかしいというか、怖くてという臆病者なところを見せております。
周りも多和田も心配しちゃって、お膳立てしてくれるんですけど。
あんまり我慢するからヤリ潰しちゃうんですよね、だから程々にを加減することを覚えて、多和田先生を待たせるようなことしちゃダメですよ。
不器用な攻めが、思わずかわいいと思ったこの一冊です。
中扉のカラーが2Pにわたる色気ある刺青姿との絡みの美麗な絵でお得感あります。

3

獣なのにヘタレな攻様

今回はラーメン屋になった元ヤクザの舎弟頭と
自分の診療所を構える心理療法士の話です。

攻様が受様への恋愛感情を自覚してまとまるまでと
往生際の悪い攻様の後日談を収録。

攻様は舎弟頭までつとめた元ヤクザ。
組長が組の解散した時に独立して
ラーメン屋を始めます。

攻様のラーメン屋には元組員がいますが
改装して店舗を広げるほどの人気店になり、
今では何も知らない店員もいます。

但、攻様自身は
今でも組長の為なら命も捨てるつもりで有り
自身は堅気にはなりきれないと思っています。

そんな攻様が受様と出会ったのは彼の店。
受様が診療所のオープン準備に通っていた頃、
偶然入った時が攻様のラーメン店だったのです。

受様は友人として組長とその恋人の為に尽力し、
攻様は組長でさえも殴れるほどの豪胆な受様を
人として気に入っていたはず…なのですが、

ある夜、
攻様は受様を組み敷く夢を見てしまい、
かなり狼狽してしまいます。

男同士の恋愛も成り立つ事も知った故に見たのか?
考えたくない事を避ける為の一種の逃避なのか?

その頃攻様は現在ある問題を抱えていました。
それは青鞘とよばれた極道時代、
よく当たったある組の特攻隊長だった男が出所し、
攻様との対決を狙っているらしいのです。

堅気にはなりきれないと自覚している攻様は
男と当たる事も覚悟して、
なるべく一般人との接触を控えていたのですが、

男が攻様の店に来た時に受様と接触、
受様の存在を知った男は受様を人質に!!

二人の対決の決着は?!
そして受様への思いの結末は?!

既刊『ただ一人の男』シリーズのスピンオフ。
シリーズの攻様が解散した組の元舎弟頭と
シリーズ受様の主治医のカップリングで
雑誌掲載作に書下ろし続編を付けて収録。

既刊でお互いが気になるようだった二人なだけに
先生の中でも読者の心中でも
まとまる事はもう明らか!!でも
その過程が詳らかになってとっても良かったです♪

既刊での関わりでも
芯の強さや頭の良さを発揮していた受様。

元ヤクザである攻様にとって受様は
先生というとても上等な部類だったので
本編で受様を手に入れた後もかなり引き気味な攻様。

続編でも獣なくせに臆病な攻様に強気で対抗して
攻め落とす受様が素敵です!!

主カプと一緒にまた続編が読める日を
楽しみにしたいカプですね。

今月からレーベルの仕立が代わった恩恵か
前編掲載時の見開きカラーが織込で付き、
亜樹良先生の描下ろしコミックスも楽しい
とってもお得な1冊です♪

今回は二人の出会い等を楽しむ為にも
シリーズ既刊『ただ一人の男』全4巻をぜひ。

3

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