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みずかねりょうさんのイラストに惹かれ、火崎勇さんの本だったこともあり、あらすじ読んで気になったので購入。
服からその服を着ていた人の思念を感じ取れてしまう姫井。
そんな彼が一着の服から自分を激しく想う思念を感じてしまって。
誰の服か確かめようとする姫井ですが・・・。
いや、どう考えても市田じゃないよ、長谷川だろう、姫井ー!!と思いつつ読み進めました。
人によっては淡々と進むので物足りないと感じるかもしれませんが、わたしはこの淡々とした流れが好きでした。
その流れの中に長谷川のあの想いがすごく印象的だった気がします。
姫井が服から感じるその服を着ていた人の幸福感を味わったりしてるのも好きでした。
そうそう、春川さんは苦手な女性でした・・・
表題作の長編と、ショートの2作品が収録されています。
どちらも姫井(受け)の視点でストーリーは進みます。
「ぬくもりインサイダー」
姫井は、物の残留思念を感じ取る能力を持っていますが、周囲には隠しています。ぽやぽやとした姫井が、ある日引き取った服から自分を愛してくれている相手がいると分かり、市田かなぁと思ってドキドキしていたら彼には恋人がいて、独り相撲にしょんぼりしていたら実は長谷川(攻め)だと判明し、裏側の優しさに気が付いて恋人同士になる話です。
「欲望アウトサイド」
服がきっかけで2回目のエッチに突入する話です。
思念と現実の長谷川による二人がかりのエッチ、非常に気になるのでぜひ読みたかったです。残念!
姫井の視点ですが、長谷川の気持ちは透けて分かるので読みやすいです。
ただ、市田を好きかもと好意を抱きます。その辺が浮気っぽいというか軽く感じてしまう方もいるかもしれません。説明も上手なので私はすんなり受け入れられましたが、思念の手にエロいことをされる場面もついていけるポイントかもと思いました。
イラスト素敵でした。長谷川は格好良かったですし、姫井は美人でイメージに合っていたと感じます。ちゃぶ台でのエッチ場面はエロかったです!
冒頭のカラーイラストに長谷川、姫井、市田の三人がいますが、本文にはそんな場面がないので、後日談のサービスショットかと思い嬉しかったです。ただ、構図的に仕方がなかったのでしょうが、長谷川のタバコが近くて、姫井の持っている商品に臭いがついちゃうよ!と気になってしまいました。吸う前かもしれませんけれど。
ぶっきらぼうな優しさの年上攻め、無自覚な美人の受け、社会人カップルがお好きな方にお勧めです。古着屋という設定も面白かったです。
寒くなってきたので「ぬくもり」というタイトルがつくこちらを読んでみました。
受けの姫井は古着屋の店主で、服に触れると持ち主の思いを読み取れるという能力があるんです。
ある日、持ち込まれた服に袖を通した途端「姫井、お前が好きだ」という熱い声に襲われて、体中を愛撫する感覚に見舞われてしまいます。
この服の持ち主は誰だ?と思い返した姫井の脳裏によぎったのは、近所のアパレルメーカーの社員二人……。
一人は何かと理由をつけては店にやってくるアパレルメーカー勤務の長谷川。
だけど、いつも無愛想で口も悪いのでコイツのはずはないと却下する姫井。
もう一人は、愛想が良くて姫井のことを「美人」だと褒める市田。
姫井は、洋服の持ち主を市田だと思い込んでしまうんですよ……。
で、市田から好意を寄せられているのなら好意を返さなきゃ…みたいな感じで、好きになりかけてしまうんですよ!
この当て馬へのターンがちょっと長いので、もうちょい早くに軌道修正してほしかったな。
だって、洋服の持ち主は長谷川だと読者には丸わかりなので読んでて、姫井!そいつじゃない!!と焦れ焦れするし、当て馬に傾きかける気持ちとか正直どーでもいい……と。
あと、市田に対しても長谷川に対しても、好き好き言われたから(直接ではなく洋服から伝わってだけど)流されて好きになった……という感じが否めない……。
でも、服から伝わってくる長谷川の想いが本当に熱くて切ないんです!
喉から手が出るほど姫井を欲してて、だけど……と苦悩する。
攻め視点好きなので(攻め視点ではないけれど)攻めの本当の気持ちが丸わかりになるココが超萌えます。
おまけして萌萌で。
一人称形式の多い火崎作品。今回の一人称は「私」。
美人でおっとりした受けが主人公なので
全体的にとても上品でしめやかな雰囲気です。
受けの姫井(『私』)は、服に触れると
持ち主の心の声を聞くことができるサイコメトラー。
お祖母ちゃんの名前にちなんだ『ミツ』という
古着屋を営んでおり、服を通じ人々の『想い』に
感じ入ってホロリと涙してしまうような感激屋さん。
攻めの長谷川(攻め)は、アパレル会社の部長。
ぶっきらぼうで口が悪いわりに、
何かと店にやって来たり
姫井に服を差し入れてくれたりするツンデレさん。
ある日、長谷川の後輩が持ってきた服に触れると
『好きだ』『愛してる』『大事にしたい』
と熱烈な愛の言葉が流れ込んできて
抱かれているような官能を味わう。
この服の持ち主は一体誰??というような話。
主人公がサイコメトラーという設定ですが
それが事件捜査に使われるでもなく
能力者の孤独を描くでもなく
とにかくほのぼの和み系のお話。
姫井は能力のことを誰にもバラさないので
この設定は主に、長谷川の心を聞くためにしか
使われず、攻めのギャップ萌ありきの設定
という感じです。
長谷川の心の声はたしかにものすごく甘くて優しくて
破壊力抜群でしたが、それ以外のストーリーは
あまり起伏がなく、盛り上がりに欠けるかも。
姫井があまり自分から行動するタイプではなく
終始周りにチヤホヤされてばかりなところも
単調に感じる理由の一つかもしれません。
アパレル会社の人々からは
やれ美人だのやれモデルやってくれだの人気者で、
無愛想な恋人(長谷川)のことも
気持ちを透視することで上手く手綱を取れるので
本当にイージーすぎる人生で羨ましいですw
評価は迷いましたが、星2.5で中立寄りの萌で。
サイコメトリーということで
刑事ものとか探偵ものとかと勘違い…。
なんてことはない恋愛ものでした。
祖母の後を継いで古着屋の店主となった姫井。
そこにアパレル会社の長谷川が返却された服とかを持ち込んでいる。
ぶっきらぼうで口が悪く苦手な部類に入るんだけど
なんだかんだと息は合ってるような感じ。
実は姫井、昔から人には言えない秘密をもってて
物に触れると持ち主だった人間の感情が読み取れる。
なので古着屋に持ち込まれた服からもいろいろと…。
そのなかで自分の事を「愛してる」という強い思いを感じとって。
そこからその人物の事が凄く気になり、その相手を勘違いし
実は長谷川がその相手だったという展開。
なんとなくその展開が読めるので、すんなりと終了してしまうのですが
もう少しその力を使ったイチャラブが読みたかったかな。
最後のショートでは少し物足りない気分。