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いや、本当に神作。「神」評価って、こういう作品のためにあるんよね、と思うほど、恐ろしく余韻の残る片恋物語の完結編でした。
こんなにも切ない攻めの一途片想い、なかなかないよー……
特に序盤の、二人の高校生編。
もう美しすぎて素晴らしすぎて、息つく暇がなかった。。
いつかきっと兄ではなく自分を見てくれるんじゃないか、と淡く甘い期待を込めて手を出し続けるも、笑顔が失われ体も痩せていき、離れていくユキの心。
壮ちゃん(攻めの兄)を想っているのに、その弟と関係を持っている(本番はないけど)という事実に、自分のことを穢らわしい・汚いものだと思って一人涙を流すユキ…
二人のすれ違う思いが切なくて切なくて、、
「胸が締め付けられる」って、こういうことだよね、と実感。
だからこその、読後味わえる幸福感を噛み締めました。
「ボク、昔からユキちゃんとの約束、破ったことないやろ?」
ー「好き」という直接的な言葉はついぞ使わず、狡くて寂しい伝え方をする攻め・千秋に末長く幸あれ…!!
と願わずにはいられない、素晴らしい余韻の残るラストでした。
はあ……神。
前半の高校時代のすれ違いが苦しい、にがい、しんどい…
千秋の思惑とは裏腹にどんどん頑なになるユキ。
拗れに拗れたことを自覚して、千秋が「もう逃がしたるわ」と去っていくのが切なかったです。こんな別れ方をしたのに…って思うと、1巻での要求や千秋の想いも深まります。
そして、1巻の続き、現代に戻るわけですが、
前半がヘビーすぎたので、あれ?こんな仲良かった?と戸惑い、1巻に戻る羽目に…
少しユキの心が解れてきたとこで、次巻やったねと思い出すものの、気持ちを整理するのがちょっと大変でした。
気持ちはハッキリ伝えないものの昔みたいな幼馴染みの気安さ、恋人未満な甘さが可愛くて、変わらぬ千秋の周到さにもニヤニヤしちゃうわけですが、千秋の結婚話!!ユキが迂闊に母親に話したから変に大事になったのでは?ちょっと考えなしなとこ多いな…とイラっときてしまいました。が!千秋の「ボクと一緒に地獄まで堕ちよ」には、うわーーーって頭の抱えました。好きが深すぎる。狡くて甘い!!最後の膝枕もほっこりして、あ~良かった!なんですが、電子はあとがきもないので、あれ?終わった?老舗を担う2人の未来は?え?ってなってます。
京都BLの名作の呼び声高い作品ということでずっと気になっていたのですが、やっと読めた達成感と余韻にしばし浸ってしまいました。京都弁って、もだもだしてる2人の関係性を伝えるための最高の言語ですね。いい歳した大人の男の同士の”ちゃん”呼びにも萌えポイントが高いです。
前作読み終えたときに、”え~、受の気持ちが決まってないやん!”と攻が不憫な気がしてならなかったんですけど、やっと成仏できました。これはまとめ読みじゃないと、気持ちがおさまらないやつですね。千秋の育った環境ゆえの屈折がめちゃくちゃわかりやすいだけに、ユキちゃんの靡かなさ(一途さ?)にはじれったすぎて悶えました。そのじれったい続きで、”高校生編”って!?(しんどいやつ?)と不安に慄いたのですが…、確かに千秋がユキを好きすぎててしんどい、、という部分もありましたが、2人とも若すぎて互いの気持ちを慮る余裕がなかったんだな(本当はユキ→千秋も大事な存在だったのに)と現在の関係修復(誤解を解いて再構築?)にスルっとつながりました。
やっと恋人っぽさが出てきた“啼かぬ蛍が…”のいちゃこらが最高でした。特に、千秋の結婚話にユキがモヤるところがいいです。え、あのユキがここまで千秋に対する感情をあらわにできるようになったの?おめでとー!な気分でにやにや読み耽りました。
2巻まとめての感想です。
電子なのであとがきはなし。
・京言葉素敵。
・作品に満ち満ちている京都の風情が、関東のマンション住まいの私からするともはや異世界。
・侑央の未亡人感ときたら……!!
・気持ちの一方通行感がすごくて「ままならなさ」を強く感じた。
大好きな侑央が、兄に想いを募らせていく様子を傍らで見続けなくてはいけなかった千秋の苦しみ。ツラァ……。
そして想い人が死んじゃった侑央。
おまけに死んでもなお侑央の心をとらえ続けている兄。
・弟への不遇な扱いに気づく事がなかった兄にやり場のない怒りが……なんで気づかない。
不憫な千秋……
・やっぱり執着攻め、最高。粘り勝ち。
・壮一へのあれほどの想いから、やがて千秋へと移り変わっていくところが、なんか微妙にはぐらかされてる感。
壮一への想いを完全昇華してほしかった。
・心のうちでユキに別れを告げるシーン(下巻)が切ない。
・あの女帝のような祖母をギャフンと言わせてほしかったけど、ああいうふうに人誑し全開でだまくらかす方が千秋っぽいなと納得。
「一緒に、地獄まで墜ちよ」というところが痺れたけれど、最強の狐となった今、周囲をうまく籠絡して「男同士云々よりも、千秋に井筒屋を去られるほうがよっぽど地獄」みたいな状況に持っていくんだろうなぁ。むふふ。
感想
侑央がもし女性だったら、長男の壮一の嫁にすんなり納まっていたかもしれない。
侑央が男性であったから、この物語のようなおもしろい展開になったんだけど、本当に長男の壮一は、侑央の気持ちに気づいて居なかったんだろうか、と疑問。
薄々気づいて居たんじゃないかと思う所がありました。
二巻は、学生時代の思い出に頁を多く割り割かれていて、読みたかった新店舗開設とこれからの事についての物語が、頁数が詰まって少なくなってしまった感じを受けました。尻つぼみ。
それで、調べるとこの二巻の後の続きが、小冊子で出ています。
著者のHPに同人誌の紹介があって、HPからリンク先のサークル名義の頁に行くと、ダウンロード可能です。今現在の価格は¥462。会員登録なしでゲスト購入が可能でした。45頁ほどが¥462の価格設定が、安いのか高いのか分からない。
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https://bit.ly/32z6Fbw
寝ても覚めても忘れぬ君を… A5、P44 オンデマンド本
「いとし、いとしという心」の番外編。子供時代から、大人になって二人で花見に出かけるシーンまで、こまごまとした古都の日常です。千秋と侑央の子供時代から、今の二人のいる風景まで。
サークル名 Blue on the Heaven
2010年12月発売
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発売日が2019年03月24日付けになっているので、DL委託先を都度変えているのかもしれません。著者HPのチェックを是非お勧め、です。