蛍火

hotarubi

蛍火
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神8
  • 萌×26
  • 萌11
  • 中立2
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
13
得点
99
評価数
30
平均
3.5 / 5
神率
26.7%
著者
 

作家さんの新作発表
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イラスト
 
媒体
BL小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
価格
¥581(税抜)  ¥627(税込)
ISBN
9784796400299

あらすじ

大学教授の宮地洸一と小説家の塚原千里は、学生時代から連れ添って二十年の「恋人」。しかし、ここ数年は一緒に暮らしながらもセックスどころかまともな会話もない日々。ある日、些細な諍いから洸一は煙草と財布だけを手に家を飛び出し北へ…。一方、千里は独り残された部屋で互いを想い合っていた頃を思い出す。かつてはあんなに愛しく想い、添いとげようと決めた相手だったのに…。二十年の歳月を経て、凍りかけた想いに再び火が灯る――。不器用な男たちのラブ・クロニクル。

表題作蛍火

宮地洸一,40歳,地方出身の私立大学文学部教授
塚原千里,40歳,直木賞候補にもなった中堅小説家

その他の収録作品

  • 蛍火 SIDE:洸一
  • 蛍火 SIDE:千里
  • 未来航路

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レビュー投稿数13

見えなくとも光っている

電子書籍で読了。挿絵あり。あとがきなし。

出版が2010年なんですね。今から8年も前に、倦怠期の二人が主人公を張るこの様な作品が出版されて、その後(2016年)電子化もされているとは。栗城さんが人気作家であることを差し引いても、BLというジャンルは成熟しているんだなぁ、と感じました。

40歳同士、付き合って20年。大学教授と小説家。それぞれの仕事が忙しく、すれ違いを続けるうちに互いを想う気持ちがどんどんすり減っていって、口をきけば相手を傷つける様な言葉しか吐けない。「俺はお前のなんなんだろうな」という問いに「くだらない」と応えられた宮地は、関係の不毛を感じて家を出て行くのですが、鬱憤晴らしに行った新宿二丁目でパートナーである千里の若い頃にそっくりな青年と出会い誘われる、という風にお話は始まります。

宮地には子どもの頃に「俺はお前の~」と全く同じ科白を言って母が家を出て行き、数日後に戻って来たという記憶があります。
そのシーンで『子は鎹』という言葉が出て来ます。
この言葉は同じ様に千里視点でのお話にも出てきます。
で、私は考え込んでしまったのです。子は鎹なんだろうか?って。

若い頃に一心に相手を想った記憶を呼び覚ますことは不可能なことではありません。特に、何かのきっかけで思い出すことはあるでしょう。
だからと言って相手を想う気持ちが今、盛り上がる訳ではないですよね。
昔を思い出すことによって再び想いの火が灯るなら、それはそもそも『いまだ相手を想っている』と言うことに他ならないのではないかと思うのです。
人生は恋愛だけじゃありません。他にも大切なことや夢中になるものがあります。
だからその『想いの火』は蛍が発する光の様に、強く輝く時もあれば、見えない位弱い光になる時もある。
でも、光るんです。
私は、このこと自体が『鎹』なんじゃないのかなぁ、と思いました。
大人の姐さん、読むとジンと来ますよ。

2

言葉にすることの大切さ

大学時代に出会い、付き合って同居して二十年。
挨拶を交わすことも会話もほとんどない状態になり、お互いに浮気をしあってレス生活五年の二人。
悲しいことに、お互いに自分は今も相手のことを愛しているのに、相手はもう自分のことなんて何とも思っていないだろうとカン違いしている。

「愛してる」「好きだよ」と自分の思いを伝える言葉、「ごめん」「ありがとう」の言葉と相手を思い遣る気持ち。
年を重ねるほどに気恥ずかしくなり、つい軽視してしまいがちになってしまうけれど、同じ相手と生涯添い遂げるためにはやっぱり大切なことなんですよね。
大事なことを改めて気付かせてくれた作品でした。

4

長く付き合っているパートナーがいる方に

どうでしょう?とお勧めしたくなる作品。四十路に突入したカップルがお互いの関係を見つめ直すきっかけをくれた、ささやかな心の旅路。よもやこういったお話をBLで読めるとは思いませんでした。

大学教員の洸一が疲れて仕事から帰宅すると、パートナーで小説家の千里は締め切り間際の追い込み中。すれ違いの生活が続く中、しばらく振りに顔を合わせたのに、家の中は散らかり、二人が交わす言葉はトゲトゲしく素っ気ない。俺はお前の何なんだ…。ムシャクシャして洸一は家を後にし、ハッテン場へと赴く。そこで彼は若い頃の千里によく似た健太と出会い、二人はプチ逃避行の旅へ…。

実は健太にも大事な人がいて、彼は洸一の中に未来を、洸一は健太の中に過去を見出し、それぞれに思いを馳せる。過ぎ去ってしまったあの頃、今この手の中にはないきらめく恋の幻影は確かにあった…。あの時の気持ちを痛いほど思い出すことで二人は袋小路の現状を打破し、一歩踏み出す勇気をもらうのです。

二人は身体を重ねようとするのですが、洸一が健太を千里の身代わりのように抱くことをためらうところにきゅんとしました。うさぎのぬいぐるみに名前をつけていつも連れて歩く健太は、最初どんな不思議ちゃんキャラなんだ?と引きましたが、これには深いワケがあって、明らかにされていくにつけ切なくなります。

読ませてくれますねぇ。よく作り込まれているのに仕掛けが浮いてこなくて、最後まで物語に引き込まれました。章立ては前半が洸一視点、後半が千里視点で構成されていて、出会いから現在までの二人のヒストリーがきちんと網羅されています。例によって後日談が収録されていますが、前向きな明るいトーンで締めくくられているので心地良く読み終えることができました。

そしてなんといっても本書のタイトルが物語の核を美しく表現していて特筆に値すると思うのですが、blacksimaさまが的確に解説してくださっており、個人的にとっても共感しています。

読後、心に残る余韻がジンワリとあたたかい気持ちにさせてくれるお話でした。

7

本当に面白いけど

付き合って20年の、倦怠期。雰囲気もストーリーも好みでした。
ですが、浮気が2人の間で当たり前になっている事と、結局話し合いをしていない事が気になりました。
せっかくお互いに対する気持ちを再認識したのに自分の中だけで完結してしまっていて、良いも悪いも口に出していないのが(特に攻め)。相手の気持ちを汲んで深く追求しない、言わない事もあるでしょうが、双方気持ちを汲まない、伝えないで不仲になっていた訳で。

今回は健太という第三者により解決しましたが、この調子だと一時的に2人の仲は良くはなっても、今後は分かりません。
終盤、受けが大分しっかりしてきたから大丈夫なのかなぁ。
作中でも電話が通じた場合、攻めが健太に会わなかった場合の可能性が匂わされていましたが、それでも良かった気がしました。
一度徹底的に距離を置く感じで。

蛍火のように、時に強く、時に淡く輝く頼りなげな小さな光。消えたと思えばまた輝きを増す。今度はとても優しく。
そんなイメージでした。
話としてはとても面白いのですが、BLというより熟年愛がテーマな気がします。私がBL本に求めているものとはちょっと違ったかな。

1

小さく光る炎

面白かったです。付き合い始めて20年後のお話って、あまり見かけないのでとても斬新でした。
二人が出会って、同姓も関係なく他の誰でもない、あなたがいい。誰よりも一番好きなんだ。って思っていたはずなのに、いつしか会話もほとんどなくなって・・・。

結ばれたら、おとぎ話の様に末永く幸せに二人はいつまでも過ごしましたって思っていた部分が自分にはあったようで(笑)このリアリティーな感じが衝撃的でしたが、そんな上手くは行かないよな~そりゃそうだような~、どうなっちゃうの?と続きが気になってページをめくる手が止まりませんでした。

--(以下ネタバレを含みます)--お話については素敵なレビューがありますので、感想だけ。
洸一(攻め)の浮気相手(?)健太くんが、受けの千里の昔の頃にそっくりで、思わず抱いてる最中に洸一が「待って、千・・・」って言いかけるシーンが好きでした。(最後まではやっていません)

健太くんの過去・抱えているものも、とても悲しいです。
人が人を傷つける理由が、たまらなく悲しかった。なにかに不満を持っていて、なにかに怯えていて、一時の優越感を安心を得るためにどれだけ刃物を振り回すのだろう。誰かを傷つける為に生まれてきたわけじゃないのに。

その焦燥感にも似た「何か」って何なんだろう。わたしの中にもその何かがいます。考え込んでしまいました。健太くんの話を聞いてる最中、洸一が何とかしてあげたいって思う気持ちがすごく分かりました。
だからか、初めは千里(受け)の元を離れて健太くんと逃避行ってどうなんだろう。って思いましたが、二人の為に必要な旅だったのだなぁ~と。

後半は、受けの千里視点で二人の出会いの過去から現在の気持ちを考えるのですが、その流れも素敵でした。

そしてタイトルの「蛍火」ホタルの出す光のように、わずかに残っている火。
若いころの様に燃え上がる情熱が薄れても、それでも相手を思う気持ちが小さく揺らめいて、でも消えることなく心の底に力強くあった。その火は大きくなることもあるし、また小さくなるかもしれない、でも決して消えない。
物語のはしはしで、その火がキラキラと見えて、読んだあとは、とても穏やかな気持ちになれました。

5

もっと現在の話が読みたかった

20年連れ添った熟年カプの話という設定はすごく斬新でしたが、
その熟年期の二人のシーンが思ったほど多くなかったのが勿体ない気がしました。

倦怠期だった二人が、一方の家出をきっかけに出会った頃の気持ちを思い出し、また歩み寄るまでがテーマなのは分かるんですが。
その肝心の歩み寄ってからのシーンが少なくて物足りなかったです。
二人で皿洗い~照れながらベッドに向かうシーンとか、説明文で流さずに会話で読ませてくれた方が萌えるのに~と思いました。
久々にベッドに入ってからの優しい触れ合いや少しぎこちない感じは良かったけど、そこに至るまでの過程をもっと読みたかったかなと。

現在の二人が一緒にいるシーンは少ないですが、サラっと触れられている倦怠期の描写は中々リアルで良いです。
長年一緒に暮らすうちに会話も触れ合いもなくなり、生活時間もバラバラで、互いに浮気したこともあるが特に指摘し合わず…と同性カップルに限らずありそうな話で、若い頃の情熱を失ってからも関係を続けていくことの難しさを感じます。

前半は洸一(攻め)視点で、家を出た洸一と青年・健太との逃避行。
後半は千里(受け)視点で、学生時代の洸一の馴れ初め。
洸一の家出をきっかけに、二人が互いへの気持ちを再確認するまでが穏やかに描かれています。また、辛い過去を背負う健太が、洸一との小旅行を通じて少しだけ前向きになれるまでの物語でもあります。
エピローグでは、そんな健太と洸一との再会・千里との初対面が見られます。
健太も、洸一と千里の二人もそれぞれ未来に向かって歩いていけそうな希望あるラストでした。

6

熟年カップルの

読み終わってからちょっと間が経ってしまったので
その時の気持ち・・とは少し違うのかもしれませんが、
読後がすごく良い作品でした。

長い間連れ添ったゲイカップルのその後。
あんなに好きで一緒になったはずなのに、いつかキスすらしなくなった。
いつも一緒にいるのは当たり前。
けれど、顔をみない日も多くなり、会話を交わさないのも日常になってしまった。
自分のなかに、相手を好きな気持ちはある。
愛していると思う、けれど、自分は相手にとって・・そしてこの関係はいったいなんなのか。
わからなくなった攻がさ迷いで~から始まるお話。

よもや、ほかの男と逃避行とか-(o゚Д゚ノ)ノ
のっけからどんなよ^と思っていたのでうが 
そこからの、巻末に向けて~のお話がじわじわと
グっとくるお話でした。
攻からみていた視点、受から見ていた視点。
苦手だったはずの料理をして待っている受の図に思わず
ズキュンと涙ホロリ。

最後は奇跡のご対面wふくめ
読み心地の良い作品でした。
出会い~ラブハピーエンドが作品としては全体的に多いですが
こういうのもたまにはいいよなとしみじみ思わせてくれる作品だったかなと思います。

4

なんて斬新

40歳、同居して20年の倦怠期カップルのお話。
忙しさにかまけて、お互いに、会話も,触れ合うこともなくなっていた二人。
静かに不満をためていた洸一は、ある夜とうとう言ってしまいます。
「私って何?」
おおー!
コレってさ、家庭内別居とかさ、熟年離婚の時に妻が言う言葉じゃん。
BLでもって、いきなりこう来るか!!っと、その斬新さに感心。
でも、その洸一が家を出たあとの展開は、ちゃんとBL。
前半は洸一視点で健太との北への逃避行。
健太と一緒に過ごすことで、洸一は千里と、今、生きて共に暮らしていられることの僥倖に気付きます。
後半は千里視点。
洸一がいない間に、千里は二人の出会いと、そのころの気持ちを思い出します。
普通のBL作品だと、この後半部分がメインでしょう。
前半の洸一と健太の話も、これだけだとちょっと都合よすぎな甘い展開かも知れません。
この、それぞれのエピソードだけでも充分成立しているお話が、二つ合わさることで、作品に深みや奥行きがましているのです。
更に書き下ろしには、ちゃんと関係を修復した二人と、ちゃんと前を向いて歩き始めた健太が和やかにお話ししちゃうという、実に前向きな後日談まで付いてきます。
しみじみと、よかったなぁって思える、読後感のいい作品でした。

6

連れ添って20年の倦怠期カップルという題材が斬新

萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
添い遂げよう。そう誓った若かりし頃。
けれど、かつてあんなにも自分を熱くさせた恋心は形も質も変え、今や見失ってしまった――。

そんなふたりのお話です。
人生に於いて、ある意味では成就こそがスタートだと言えます。それは男女カップルも同じ。
でも、情熱をずっと持続させていくのはとても難しい。
恋愛成就がゴールとして描かれているBLばかりの中、連れ添っておよそ二十年の四十路手前の倦怠期カップルという題材は新鮮で、もっとこういうのが読みたい!と思いました。

何年もセックスレス、惰性のような二人暮しがずっと続いている洸一(攻め)と千里(受け)。
月日が恋愛にもたらす一番の弊害は、情熱の喪失だろうなあと思います。
傍にいるのが当たり前になって、いつの間にか会話も少なくなって、気がつけば相手への感心も希薄になり、どうして一緒にいるのかさえも分からなくなってしまう。
まさにそんな倦怠期だった彼らがもう一度愛情を取り戻すというお話なのですが、その過程に大きな事件やドラマはなく、二人の直接的なやり取りがないのが意外でもあり納得でもありました。

別々に離れた状態で、何かを通して改めて相手と自分のことを見つめ直すふたり。
洸一は千里に似た年若い青年を通して、千里は出会った頃の思い出を通して、淡々と愛情を再確認しています。
きっと若かったならもっとぶつかり合ったりするのかもしれないけれど、下手な修羅場を演じるよりも、お互いが個々に省みることで、二人が共有してきた時間の重みを感じさせてくれてとても良いなあと思いました。

情熱は確かに冷めてしまったけれど、愛情までもが冷めてしまったわけでじゃない。
およそ20年という長い年月と共に積み重ねた幸せが確かにあって、そしてそれは日々の中に埋没してしまっただけで、ほんの少し探してみれば意外と簡単に見つけることができる…。
そんな穏やかな着地が心地良かったです。

ただ、冷戦状態に陥る経過がさらりとしか触れられていなかったり、比較的あっさり仲直りをしてしまったりと、倦怠期というよりすれ違いもののような印象を受けたかな。
でも、怠惰によるすれ違いの積み重ねこそが、倦怠期の正体なのかもしれない。

2

私のジャスティス!

めでたし、めでたしのその後のお話が読みたいと思う自分にとって
まさに神作品でした。

20年連れ添っているもののここ数年はすっかり倦怠期であった2人が
これで遂に終わるのか…と思った時
改めてお互いのことや過去を振り返り
お互いが唯一の存在であることを再認識していく過程が
洸一、千里両方の視点で丁寧に書かれていて
ものすっごくキュンとしました。

二人の関係が洸一=奥さん、千里=旦那なのも自分の萌えに合致。
そもそもあらすじ読んだときに
洸一の家出の仕方が「夫の世話と家事に疲れた妻」そのもので
攻嫁キター!!状態だったのでわくわくして読んだのですが
読んでみると千里も亭主関白って感じで
さらには受・攻両方が四十路と言う自分の好みのそのもの。

しかし、当て馬とのHってのが私はかなり地雷なので
健太君が出て来た時に「失敗だったか…」と思ったのですが
読み進めると自分の思いを裏切り素晴らしい活躍をしてくれて
「地雷?そんなの関係ないぜ!」なキャラになりました。
ほんと、この子にまでキュンキュンさせられるとは思わなかった。

だんだんと洸一と健太君が先生と生徒みたいに見えてきて
そっからだんだんお父さんと息子のように見えてきて
書き下ろしでの千里との初対面で私の萌えは振り切れました。

落ち着いてからもう一度読み直すと
2人の想いを深く読み込むことが出来て
より一層胸が萌えが振り切れました。
神様ありがとう。

4

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