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出てくる人、出てくる人、揃いも揃って、不器用な人たち。
コミュ障なのか。不思議ちゃんなのか。カプの一方が常識人だったりするので、衝突事故の様に、巻き込まれる様に、恋に落ちて行く。
表題作は、配達先のぶっきらぼうな男が配達員に好意の示し方が分からなくて…変な態度を取ってしまう話。意識し過ぎて、もぅどうしたらいいのかわからないんだろうけど…
同時収録の「思うがままの」が短過ぎですが。可愛いです。
勘違いから始まる恋。勘違いされてるんだけど、柴田の可愛いらしさに竹内は…
後半は少し絵柄が違うので、旧作なのかも。
加東先生の綺麗な絵柄が独特の緊張感で、恋が始まるドキドキ感、恋に成るきっかけをじわじわと描いたショートストーリーたち。大きな事件に発展しないのに息を詰めてしまいます。
いつか恋に成ってから、も読んでみたい。
物言いたげな微笑みに、意識し合う2人が引力に引かれるように口づけするドラマチックさ。
ムード作りの巧さに煽られつつもそれだけで終ってしまう。
不器用過ぎる男のむっつりさに、唐突に押し倒す性急さのバランスが微妙な所で、多少の物足りなさも感じてしまいます。
それでも、お腹の中心にまとわりつくような重みを感じさせる作品からガラリとポップさとキュン度が多めの短編集となりました。
なんでもない所で色気が薫り立っては意図を探してしまう。
そんな加東さんらしい後引く余韻にあれもこれも続きが気になってしまいます。
糖分控えめ度★5 ハッピーエン度★10
葛藤:不安:期待=1:2:3
お互いの想いを伝えるまでの短編7編。なんの迷いもなくサクサク進んでハッピーエンドな話は好みではないのですが、ある程度お互いを意識している二人がためらいがちに気持ちを伝えていく様子が丁寧に描かれていて、ドキドキしながら読めました。短期ハッピーエンド到着型ですが馬鹿みたいに甘々ではなく、今後を予感させる雰囲気が良かったです。
◆お届けします
担当の宅配先に気になる人がいて。初々しく不器用な二人が今後砕けた関係になっていくのを妄想して萌えました。続きが読みたいです。
◆ベランダの向こう
隣人もの。突然キスされて~という展開が多いこの世界で、「キスしていい?」→ぎゅっと目をつぶって答える優しい展開に勃起。
◆思うがままの
大学生。助けられ惚れてバイト先まで追いかけて倒れて勘違いしていつのまにかうまくいっている幸運な話。
◆ビギニング
リーマン一夜の過ち。全部夢だったと片付けてもいいぐらいに興味の湧かない話でした。
◆恋の淵
兄ちゃんの友達が俺のこと好きだったなんて!ずっとお前が好きだった系は過去を想像すると萌えます。
◆めぐる時間
幼馴染みとの再会。トラウマ系。一番好きです。
◆8畳のスイート
大学時代からの友人とついに初繋がり。こちらもキスする前から結合に至るまでがゆっくり丁寧で胸がじわり。
◆表題作の後日談
どうという事はない内容に見えましたが、ハムから伝わってくるとてつもない不器用さに母性本能をくすぐられました。
「ちょ…待て!」とツッコミながら読みました(笑)
だって、みんな最初から躊躇いがない。
ノンケがいないのか?というくらい皆さん、当たり前のように致しているので唐突すぎるよ!と諭したいです。
男同士なのに…って戸惑いながら、葛藤しながらもどうしようもなく惹かれていく様子がお好きな方にはオススメできないです。
雨の日の配達先で、これまでさほど友好的ではない、しかも無愛想だったデザイナーにいきなり風呂場へ連れて行かれ汚れた足を洗われたり(表題作)、家業の薬局にバイトで来てくれていた大学の知り合いが暑さに倒れたのを介抱するために服を緩めていたら、なんとなくその気になってしちゃったり(【思うがままの】)…流されすぎ!!
泥をシャワーで流す相手の手つきが、洗う→触るにエロく変化するところや介抱される子の上目遣いがオネダリしてるように見えたり。
誘っていると察知させるその部分だけで魅力を感じるのだから、これが時間をかけた関係なら余計に引き立つのに!と思ってしまう。
意味深な独特な間を生かせるような『こだわり』の作品が読みたい。
日常から取り残されるような和服のキャラがなかったのも寂しい(加東さんといえば和服!)けれど下だけ脱いで靴下履いているというのがあったのでいいか…ちょっとフェチっぽいのが加東さんに似合うと思うんです。
そんな私が気になった、というか惹かれたのが下記です。
【ビギニング】
酔った勢いで押し倒してしまい翌朝は覚えていない…というテンプレから始まるリーマンもの。
朝、見知らぬ部屋で目覚めると取引相手の松倉が自分に跨がっているという状況で目覚めた島屋。
昨夜のことを仄めかされ焦っていると本物の松倉が現れ島屋に迫る双子の弟をたしなめる。
「泊めた以外に何もない」と言われたものの実は薄く記憶に残っていた通り体を繋げていたとわかり(嬉しさ半分で)呆然とする島屋に隠しきれない流れと勢いで告白する松倉。
ふたりの鼓動がこちらに伝わるくらい緊張している可愛いリーマンに萌えました!
結局ふたりは、もともとお互いに想いを寄せていたので上手くいくんですが、双子の弟の存在って一体?
彼は兄から話を聞いていた島屋のことが気になっていたのか兄に惹かれているから当てつけに島屋を焚きつけたのか?
それがムッチャ気になるー!
短編集なので仕方がないのかもしれないけれど「え?ここで終わり?これからじゃないですか!」というところで終わる作品ばかりなのが残念です。
じっくり読ませてくれよ~!という物足りなさに足をバタつかせてしまいました。
でも好きなんです…うかがうような表情が生む微妙な間が好き。
ぬめるような濡れた瞳とか雰囲気が好きな作家さんなので文句言いつつ買ってしまう。
抗えない引力を持つ作家さんです。
…ただ、好き嫌いは分かれるでしょうね。
アラカルトもいいけれど、せめてカラー(趣?)を統一する工夫が欲しい。
編集さんにも一役かってほしいところです。
あとがきによると、さまざまな雑誌、アンソロに掲載された作品を集めたもので、作品が掲載された年度が2005年~2009年になっています。
少し前は今よりちょっとぽっちゃりとした絵柄ですが、その頃からすっきりとした綺麗な線を描かれる作家さんだったんですね。
作品の全体的な印象は、これから2人で恋が始まる、というところで終っている作品が多かったです。
どの作品も30ページに満たない短い作品なので、これから先が読みたいのよ~という感じなんですが、このページ数だと仕方ないか~という納得も^^;。
あまあまなカップルモノが読みたい方には物足りないかもしれません。
でも爽やかというか、淡白というか、サラッとした作品としてはいいかも、と思います。