まずは、キスだけ試してみる ──というのはどうですか?

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表題作未必の恋 -KEEP OUT-

元准教授の法医学者で科捜研特別捜査官・御室誠祠
警視庁刑事部捜査一課の班長代理で刑事・緒ヶ瀬旻仁

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

捜査一課の刑事である緒ヶ瀬は、何故か科捜研に所属するインテリ男、御室と共に捜査をすることに。風変わりな御室の態度に苛立つ緒ヶ瀬だったが、事件は連続殺人に発展したうえ、御室から突然「キスしたい」と言われてしまい──。
(出版社より)

作品情報

作品名
未必の恋 -KEEP OUT-
著者
妃川螢 
イラスト
水貴はすの 
媒体
小説
出版社
ムービック
レーベル
LUNA NOVELS
シリーズ
未必の恋 -KEEP OUT-
発売日
ISBN
9784896017601
3.3

(8)

(1)

萌々

(2)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
26
評価数
8
平均
3.3 / 5
神率
12.5%

レビュー投稿数6

読み物としてはなかなか

警視庁刑事部捜査一課の緒ヶ瀬が科捜研特別捜査官として試験導入された法医学者の御室とコンビを組んで殺人事件の捜査にあたるお話。

最初は畑違いの法医学者のお守を頼まれ嫌々だった緒ヶ瀬が、インテリでいつも冷静な御室のペースに引き込まれていきます。
そのうち、御室は仕事仲間という枠を越えた関係までも求めてきます。
理論的で強引さを感じさせない求め方は計算されたものと分かっていても見事です(^^)

BLというよりサスペンスものとして面白いお話でした。

1

秘められた恋の狂気

今回は元准教授の法医学者で科捜研特別捜査官と
警視庁刑事部捜査一課の班長代理の警部補のお話です。

連続殺人事件の捜査と二人の恋の進展を絡めて
事件が解決するまで。

受様の父はある事件で殉職しますが、
今なお逸話が語り継がれる名刑事でした。

受様は父親の背を追って刑事を目指し
現在は警視庁刑事部捜査一課所属、
警部補の肩書で班長代理を務めています。

今回彼が担当する事になった事件は
二十三区のはずれに建つマンションで起こった
三十代の独身女性の殺人事件。

KEEP OUTの黄色いテープを越え
まずは手を合わせた受様は、
被害者の身元と第一発見者の確認を取り、
鑑識の所見を訊き、部屋の様子を確認します。

遺体の状況などのひと通りの情報を整理しつつ、
現場の映像を焼きつけていた受様ですが、
突然現れたインテリ然とした男に
思考の海から引き戻されてしまいます。

新手のキャリアかと思う間もなく、
訳知り顔でプロファイリングらしき事をしながら
部屋の小物を手に取る男の様子は
とても警察関係者には見えません。

受様の鋭い声での叱責に頷きつつも
反省も無く次々と室内の物に触れていた男が
名乗った肩書きは科捜研所属の
特別捜査官という職務でした。

彼こそが今回の攻様になります♪

最近はハイテク犯罪や悪質な詐欺等が多発し、
特別な知識を持つ転職者を
捜査員とするケースも増えていましたが、
科学捜査研究所に属する研究員は
警察職員で有っても捜査員では有りません。

しかも攻様の前職は有名医大の准教授で有り、
特別捜査班の要として期待の高い
優秀な法医学者らしいのですが
捜査の素人である事は明白です。

今回の殺人事件は単なる殺人事件では無く、
連続殺人の疑いが浮上、
大規模な捜査陣営が敷かれる事となりますが、
捜査権も逮捕権も無い特別捜査官は
誰かが面倒をみなければなりません。

日頃から自身の感覚を大事にする受様は
上層部とぶつかる事が多かった為、
ムリヤリ攻様の世話を押し付けられます。

捜査の基本も知らない攻様を
引き連れての訊き込みは
細かな事実の掘り起こしにはなりましたが、
犯人に繋がる様な証拠は見つかりません。

攻様と過ごすうちに
攻様の父親が署内でも有名な名鑑識で
受様の父が反発しながらも
誰よりも信頼していた鑑識だったと知ります。

徐々に二人の仲は親密になっていきますが、
事件の捜査は遅々として進まず、
三人目の犠牲者が出てしまいます!!

果たして受様は犯人を捕まえられるのか?!
そして二人の仲はどうなる?!

殉職した父の事件解決を目指す熱血刑事と
受様との出会いをきっかけに
科捜研の捜査官に転職した攻様のラブバトル。

この後、
犯人らしき人物が捜査線上に浮かび
受様の手が犯人に届くかと思われた時に
攻様が殺人犯に拉致されて絶体絶命な展開に!!

攻様を助けるまでドキドキな展開です。

今回の事件の背景には
受様の父親が解決できなかった未解決事件の存在が
大きく関わっているのですが、

犯人の犯行心理には重きが置かれていても
完全犯罪とかを突き崩すみたいな謎解きや、
犯人が犯罪に至る過程や方法は
スコーンと省略されています。

本格推理小説なら
手落ちにもほどが有ると言えるくらい無くて
刑事の事件解決ものとしては物足りないのですが

二人の恋の駆引きに父親同士の確執をチラつかせ、
関係を持っても受様の強さがゆるがない所などは
かなりツボでしたので【萌】評価と致しました。

読まれる方の期待の方向によって
評価が別れそうな一作です(苦笑)

本作はメイトさんで買うとペーパー、
通販書店のコミコミさんで買うとポスカが付きます♪
それぞれバレンタインデー編とホワイトデー編です。
ペーパーは攻様がタジタジになってました(笑)

今回は本格推理モノとして法医学者が活躍する
椹野道流さんの『鬼籍通覧』シリーズをおススメ。
BLじゃないなくてゴメンナサイ! 

1

刑事もの

 男らしい受けです。そして、優雅で紳士な攻め。
科捜研からやってきた御室は、元準教授をしていただけあって、世間ずれというか、警察組織の中では浮いた存在になってしまっています。その教育係を押し付けられた緒ヶ瀬は、上部の空論に意義を唱えられる硬派な刑事。
 手間のかかるぼっちゃんを押し付けられた、みたいな感じですね。
 しかし、御室もまっすぐな気質で、緒ヶ瀬と同じ意見を持ち合わせていることから、二人は、徐々にコンビ仲を深めていきます。
 こんな硬派な緒ヶ瀬だから、わりと強引な初Hのとき、もう少し抵抗してもよかったんじゃないかな~と思います。
 今は亡き互いの父親同士も彼らと同じ立場でいて、想いあっていたなんて、なんか運命を感じました^^

1

恋愛未満、ライバル的愛情かな?

科捜研と刑事っていうと、いおかいつきさんの「リロード」がありましたが、全く違って、事件にも愛憎を絡めしっかりと読ませるガツンと男、な感じにしあがっていて好印象の作品でした。

警視庁に科学捜査班ができることになり、準備として科捜研から御室という元大学の准教授までしていた男がやってきます。
刑事課の班長代理の部下の信頼熱い男・緒ヶ瀬が御室と組むことになります。
独身女性が連続して殺害される事件が起き、それの捜査に奔走する二人。
3人目が殺され、おそらくという確証のないまま犯人の目ぼしが付いた時に更に4人目の殺人が・・・

御室が大学を辞め科捜研に入った理由というのが、緒ヶ瀬の仕事に対する、被害者に対する熱い気持ちを知ったというきっかけがあるので、最初から魅かれていたことになりますね。
緒ヶ瀬の性癖はノーマルなので、御室が緒ヶ瀬を口説くことで始まるのですが、何せ学者様の御室が理路整然と、解説のように分析した言葉で口説くシーンが愉快です。
緒ヶ瀬がタジタジして、おい、チョイ待て、、みたいな、全然甘い雰囲気でないのが男っぽくて、対等な関係だなと思わせます。
ただそこに、同じく刑事だった緒ヶ瀬の父と、鑑識だった御室の父親の繋がりもあって運命を感じずにはいられない伏線。
エチにもつれ込む有様も、モヤモヤしていては捜査に響くから「よろしいですか?」なんて、丁寧語で聴かれて「はぁ、」みたいな、、またまたさほど甘くない絡みが。
相棒で同士の二人ですから、こういう対等な立場というのは潔くて気持ちがいいですね。

ただ、反対に犯人となる男の心理はとても複雑で暗くて、愛と憎しみが同時に存在している恨みの犯行。
主役のカプが明るいだけに、この影の部分を担う犯人と事件は、またそれだけ取り出してもドラマになりそうな、ドロドロしたものでした。

愛とか恋とかなのか?と問われると悩んでしまう関係だけど体は繋いでしまった
ライバルでもあるし、同等でいたいと張りあっているのは緒ヶ瀬の方みたいで、御室は余裕なんですが(笑)
さわやかで、ひょっとすると続編が出てもよいかも?な雰囲気の作品でした。

0

インテリ×男前

まず言いたい。
緒ヶ瀬さん…人の機敏というものを分かりなさい、と。

無駄に丁寧な口調の御室。
インテリ然としていて、策士家。
あまーい笑みで攻め込み、うまい言葉で丸め込み…と落とす様は見事です。

一方緒ヶ瀬ですが、仕事に対する姿勢がかっこいい。
弱味、というか悔やんでいる様は自分の中にしか見せず、仲間の前ではしゃきっとする姿は男前…なのですが。
朴念仁ってどうしてこう…残念なんですかね。笑
御室さん…頑張って!とエールを送りたくなってしまいます。

緒ヶ瀬がまったく色気がないので、甘い駆け引きもないですし、むしろ笑える。
さて、これから二人の間に甘い展開はあるのでしょうか?

0

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