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原作未読。
コミカライズ化した作品は既読なのにまったく記憶がなくて、不穏なキーワード、不穏が展開にハラハラ、ドキドキ、苦しい思いをしながら聴取しました。
聴取後にコミカライズ版を買おうとしたら持っていることに気づき、再読しましたが、2つの作品の印象がかなり違い、いい意味で2種の作品を味わえた満足感がありました。
併せて味わうことにより、よりよさが増す作品だと思います。
3部作の2作目、啓志が透をかばって刺され重傷で入院した後のお話で、啓志のつらく苦しい記憶に関するエピソードが多いです。
啓志の母親がとにかく怖いです。最初は息子を溺愛しすぎているのかと思ったら、実は自分の血族愛、血族への誇りによる歪んだ思考と行動をする女性だということがわかってきます。
言動ひとつひとつが本当に怖くて、穏やかな台詞すら怖いです。
暗く深い沼の奥底から響いてくるような、恐ろしさがあります。
啓志が全方面に後ろめたさを持って過ごしているのが、どんなエピソードでも漂っています。
両想いの2人、それがお互いわかっても先に進めない2人。
啓志が中途半端に思えつつ、過去を考えると理解もできます。記憶がなく、一途に啓志を想う透の気持ちもわかるからこそ、聴いていてとてもつらくなりました。
恋愛にはいろいろな障害、困難がつきものですが、記憶喪失という、メモリーが読めない時限爆弾つき、努力ではどうにもならない外的要因つき、というものすごく大きなハンデがあるということから、清水の舞台から飛び降りるほどの覚悟をしないと先に進めないことが伝わってくるので、単純に応援できない切なさもありました。
とにかく奥深い作品で、声優さんたちの演技がその世界観をさらに複雑かつ重厚にしていると思います。
特に羽多野さんのちょっとこもったような声色、無邪気さの中に漂う苦悩の演技がすばらしかったです。
苦手な藤島さんの過去編…。
原作同様やっぱりここが一番印象深いです。
音声付きだとまた新たなダメージおいますね。
会社帰りに聴いていましたが、ズーンときすぎて一人お通夜状態でした。
これ仮に原作未読な方いたらビビるどころかトラウマレベルじゃないかなー、そこも魅力なのでアレなんですけど。
BL作品という括りを吹っ飛ばした演劇を目の前で見させられているかんじでした。
やばい、怖かった。そして疲れた。
声フェチ視点の感想だと過去編に色々もっていかれて、耳はそんなに楽しめなかったです(笑)
幼い透も年相応なかんじはしましたが個人的にそこまで胸に響く演技ではなかったので、原作の凄みを再確認しました。
藤島さんの目線でお話が進んでいく、コールドライト。
野島さんの少し暗い雰囲気のモノローグがお話のやるせなさを際立たせています。
誰がいけないのでしょう…とてもやるせないです。木原先生の作品に多く感じるこの気持ち。
藤島さんのしたことは酷いですがそれも弱さゆえ。過去の透は幼すぎて非はないですが、大人になってからは不安定な幼稚さを感じます。もちろんそれは仕方のないことですが。
皆さんも書いていらっしゃいますが、お母様……かなりやばいです。狂気に満ちています。
お母様の頭がおかしいからいけないのですが、こういう人っていますよね。異常に身びいきで排他的な人。
人を人とも思わない感じがリアルに表現されていて、透を打ち据えながら叫ぶシーンは言葉通り耳が痛かったです。まさに狂気です。
過去シーンはとても辛くて、藤島さんが透に対して持っている複雑な感情がとてもよくわかります。
贖罪の気持ちを持ちながらも透の気持ちを受け入れたい、でも出来ない。
何が正しいのか、どうしたらいいのか八方ふさがりで、聞いている私もどうしたらわからなくなってしまいました。本当に素晴らしい演技と構成。引き込まれます。
最終巻のコールドフィーバー…
どんな風に透が豹変するのか怖いです
原作既読。
COLD三部作の2作目。
記憶をなくした透(羽多野さん)が自分の過去を知り、引き取ってくれた藤島(野島さん)を意識し想いを伝えたところからスタート。
透の気持ちには答えられないと、その想いを拒絶する藤島が、なぜ頑なにそうした態度を取ってしまうのか、という理由を含め過去に遡っていきます。
藤島と透の出会いから現在に至るまでのストーリーを追っていますが、覚悟はしていてもこの過去編は聴いているのがつらい。
酷い虐待があるので、地雷原を最大速力で走り抜けないと耐えられないような内容なんですが、小説ではそれが出来ても音声はこっちのスピードで走れない!
なので異常に迫力のある藤島一族の話を聴くことになってしまうんですが、これがもう本当に鬼気迫る勢いで恐ろしいのなんのって。
野島さんが少年~青年時代の藤島を演じられているんですが、現在の低音ではなく瑞々しい少年声が際立っていて、その清潔感が余計に薄気味悪さを引き立てています。
藤島の母親役の方が本当に不気味で、これじゃ息子じゃなくて娘でも逆らえないよ!
そんな中で出会った血の繋がらない弟の透との交流が、藤島の救いでもあり歪んだ愛情の象徴だったりして、切なく痛く、本当に悲しい。
何も知らない透が虐待されてしまうシーンも、耳を塞ぎたくなるほどの臨場感があり、藤島に見て見ぬふりをされた時の絶望感といったら、想像を絶するものがあります。
あんな怖い母ちゃんいたら、そりゃ庇えないわ……。
透の生い立ちも不憫ですが、藤島だって被害者というのが、この過去編で明らかになるんですが、ここはもう純粋に母親役の声優さんに拍手を送りたいです。
息苦しいなんてもんじゃなく、リピは怖すぎて出来そうにない。
前作で「記憶をなくして良かった」と言った透の言葉を、藤島はどんな気持ちで聞いたのだろう、とこの過去編を聴くと辛くてなりません。
とはいえ、三部作の中でもこのCDの後半が一番甘く幸せな展開になっているので、Disc2ばっかり聴いてる気がします。
なんと言っても羽多野さんの発する「好き」というセリフがあり得ないくらい切ない。
この「好き」が印象的すぎて、しつこくそこばっかリピしてしまいます。
野島さんも、透の記憶がもしも元通りになってしまったらという不安を抱えながらも、その気持ちを受け入れていく演技が切なくて、切なくて。
いつか来るかもしれないその日のために、覚悟しながら日々を過ごしていくシーンが、穏やかで幸せなはずなのに涙が出てきてたまりませんでした。
羽多野さんの真っ直ぐに想いを伝えてくる声が本当に愛しげなだけに、余計にせつないです。
啓志と透の啓志視点での過去編
原作の文章以上に音になると母親の異常さが際立って怖かったです。
子供に興味を持たない父親と家の血筋を残すことだけを考える母親の間に生まれた啓志は、成長と共に母親の言いなりになる覇気のない優等生に育つ。
この母親がとても厳しく異常な執着が怖かったです。
母子の関係を超えて性処理までしているし、ラブレターを渡した女生徒に酷い言葉を浴びせかけるなど驚きの連続です。
小さいころならともかく中高生になってもまだ母親の言いなりで現金も持たされず、進学先も結婚も母親が決め最終的には言いなりという異常な束縛と執着から逃れられない状態が気持ち悪かったです。
そして、父親が外に作って認知した小学5年の少年が引き取られて名乗ったシーンでそれが 透と知って本当に驚きました。
啓志が、小学生の義弟に欲情した挙句手を出しかけた出来事は衝撃的でした。
性的にも母親に抑圧されていた結果なのでしょうか。
それで信用を無くして嫌われても仕方ないと思います。
また、母親に虐待された弟を陰でかわいがってはいてもいざというときには母親怖さに見捨ててしまうのはあの母親の強烈さから言えば理解できなくはありませんが啓志が弱すぎて哀れでした。
このドラマを単体で聴くと、過去の柵を乗り越えて有望なパティシエとしての将来も見え幸せな先行きを予感させてのハッピーエンドなのですが、原作既読だと辛くなります。
二人にとって幸せであればあるほどその後のことを知って聴くと痛々しいです。
『赤い花』
透がどれだけ啓志のことを愛しているのかが溢れていますが、啓志のほうは手放しで愛せない不安や遠慮が感じられて甘い中にも苦さのあるストーリーでした。
