彼は甘く冷たいキスをして ──ぼくのすべてを奪っていった

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表題作月の虜囚、黒衣の略奪者

サイード・シルヴァン
第1王子、27歳
尾崎薫
22歳

その他の収録作品

  • 月の虜囚、黒衣の略奪者
  • 楽園の略奪者
  • あとがき

あらすじ

外交官子息の薫はパーティーで曾祖父の故郷であるカリルザードの王子・サイードと恋に落ちた。だがそれは暗殺者に狙われる皇太子の身代わりとして、薫を囮に利用するためにサイードが仕掛けたいつわりの恋で──!?
(出版社より)

作品情報

作品名
月の虜囚、黒衣の略奪者
著者
篁釉以子 
イラスト
周防佑未 
媒体
小説
出版社
ムービック
レーベル
LUNA NOVELS
発売日
ISBN
9784896017618
3.3

(3)

(0)

萌々

(1)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
10
評価数
3
平均
3.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

結構、王道アラブ?

アラブですね。
結構王道アラブだったんじゃないでしょうか。
一瞬、最初、アレ?と思うくらいラブなのかと思ったんですが、それも戦略でした。
納得。

中東への旅行のためにビザ申請に訪れた薫はそこで漆黒のアラブ衣装を着た男に目を奪われる。
サイードという名を頼りに帰って調べてみると、彼はカリルザードの皇太子の第一王子で。
もう会うこともないと思いつつ想いを募らせていった薫はある場所で再会を果たすのだが…。

健気受ですね。
最初は夢見るような気分で。
けれど、それは偽りで。
騙されていたことを知って利用されて。
凌辱としか思えないような扱いを受け続けても尚、胸に残るのはサイードへの想いで。
少しも憎まずただひたすらに想うだけ。
死の危機からは逃げ出したいと思ったりもするけれど、憎しみでもいいから視線を合わせて欲しいと思ってみたり。
この薫の一途な想いがサイードをも揺り動かしたとも言えて。
利用するためだけに連れてきたはずだったのに、自分でもわからない衝動に突き動かされるような部分があったり。
けれど、最初からあえて憎まれるようにと辛く当っていることを考えれば惚れないための予防線とも取れて。
最初の夜は本当はどこかでただ自分がそうしたかっただけというのもあったんじゃないのかな、と思ってみたり。

「楽園の略奪者」
………。
もう、サイードのやりようには開いた口が塞がらないというか、呆気にとられるというか。
ここまで自分の財とか政治力とかを利用して薫との時間を作ろうとするあたりがアラブ系俺様クオリティーとでもいいましょうか。
何が何でも手に入れる主義とでもいいましょうか。
本当にすごいとしかいいようがありません。
それだけ、薫のことが好きってことではあるんですが。

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