2119 9 29

2119 9 29
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神90
  • 萌×28
  • 萌4
  • 中立2
  • しゅみじゃない3

75

レビュー数
19
得点
496
評価数
107
平均
4.7 / 5
神率
84.1%
著者
 
イラスト
 
媒体
BL小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
¥720(税抜)  ¥778(税込)
ISBN
9784778122355

あらすじ

人間に尽くす精巧なアンドロイド"ドール"との結婚という阿部 孝嗣の夢は、人を模したドールの製造が禁止された大学時代に潰えた。けれど三十八歳になった今も愛は変わらず、独身で童貞を貫いている。ある日、阿部は家業のレストランの常連客から、存在自体が罪となる美しい裏ドールを託される。彼の名は高嶺。無愛想で反抗的というドールにあるまじき彼の態度を不思議に思いながらも、憧れの存在との同居生活に阿部は胸をときめかせるが――。

表題作2119 9 29

阿部孝嗣,実家のレストランを手伝うシェフ
高嶺、常連客が阿部に託した裏ドール

その他の収録作品

  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数19

いい話すぎる·····

今までファンタジーはあまり好きじゃなくて読んでこなかったのですが、「ショートケーキの苺にはさわらないで」でファンタジーもいいなと思い購入しました。

人間とアンドロイドってそんな〜とはじめは思って舐めていましたが。めっちゃくちゃ泣きました。阿部ちん!なんていい子!!

阿部ちんの人の良さとこの歳で付き合うということに慣れてない初々しさ。最高でした。あと何歳になってもあの口調っていうのも阿部ちんぽいなと思いました。

途中から涙なしでは読めずボロボロ泣いていましたが、本当に最後の最後、「あぁこのタイトル!なるほど!!」となりながらめっちゃ泣きました。

凪良先生、私をどんだけ泣かせるんですか····。

2

こんなにも心をうたれるのは

心優しいアンドロイドオタク・阿部と、つらい経験のせいで感情を表さない男性型アンドロイド・高嶺が、困難を乗り越え結ばれ、限りある人生を選び、添い遂げるまでの恋物語。
少しずつお互いに惹かれていく二人のもどかしいやり取りにキュンとし、過去の高嶺の主人の縛りを越えて二人が結ばれる場面には胸が熱くなりました。阿部が高嶺に看取られる場面、高嶺が阿部を想いながら命尽きる場面では、涙をこらえきれませんでした。
こんなにも心を打たれるのは、登場人物たちの生き方が身近に感じられて、今の暮らしにも通じるエピソードがちりばめられているからではないかと思いました。

阿部は、まっすぐな性格で、思いやりにあふれています。
高嶺にも女性型アンドロイド・美優にも、人間と同じように接し、彼らの不遇に心を痛めていて。
社会がアンドロイドを道具扱いしても、彼らにも心があると信じて肯定し続けます。
そして、高嶺の何気ない振る舞いの中に隠されている悲しみを見逃さない繊細さも持ち合わせているのですから。
こんな男性がいたらいいな、と思わされます。

高嶺が阿部と一緒にレストランを切り盛りする描写も好きです。
二人が恋愛以外に仕事でもパートナーとして働くのが、対等な感じがして素敵です。
高嶺は性行為で奉仕するためのアンドロイドだけれど、そのことに悲しみを感じていて。
だから阿部と一緒においしい料理でお客さんを喜ばせることができて、すごく幸せだったに違いありません。
社会に居場所があるって、大事だと思います。

「なにがあってもとりあえず飯をくう」という阿部家の方針にも賛成です。
食はあらゆることに善に作用する、というのが両親の持論だそうで。
食べることが阿部と高嶺を良い方に導いて、強く結びつけましたしね。
味わい、噛み、飲み込むという動作が激することを抑えてくれる…。なるほど、実践したいと思います(笑)。

阿部のおばあさんの教え「自分が正しいって思い込みすぎちゃいかんのよ」も、耳に痛く、忘れないようにしたいです。阿部はこの言葉を大事に生きてきたのですね。きっとお父さんも。

南里とシンのエピソードは短いですが、自分の幸せの形について考えてみたくなりました。
自分なりの幸せを忘れなければ、もっと幸せを感じて生きられるかもしれませんね。

そして、人間の都合でアンドロイドを虐げる未来社会の設定が、弱者に冷たい今の世の中を暗喩している気がしてズキリとしました。

ほかにも名言、名エピソードがあり、たびたび頷きながら読んだのでした。

こうした一つ一つの描写がしっかりとこの物語を支えていて、読むたびに心を打たれてしまいます。

1

切なくて優しい

「ショートケーキの苺にはさわらないで」のスピンオフなの知らなくてこれだけ読んでしまいました。
元のお話もよまないと!
切なくて優しい物語。すごく素敵な愛情がつまってました。
後半から涙が止まりませんでした。
読後も思い返し、彼らの愛を反芻すると涙が溢れてしまいます。

人間として生を終える姿には本当に言葉にはできないほどです。
49日までの高嶺の行動と気持ちが本当に本当に切なくて。
涙無しでは読めません。今思い出すだけでも号泣です。
阿部ちんと高嶺の間に流れて溢れている愛情が本当に素敵でした。

あとは「ショートケーキの苺にはさわらないで」に出てたり、芝さんの物語書かれてるかわからないのですが、もしあれば読んでみたいです。なければ芝さんのマスターも気になりましたので、いつか書いて頂けたら嬉しいなー。

2

心の洗濯をしたい方は是非!!

前作『ショートケーキの苺にはさわらないで』でも大号泣しましたが、今作品でもやはり同じく大号泣でした。凪良先生の作品は、複線の張り方・回収の仕方が本当にお上手で、脇役に至るまで、キャラが魅力的でブレがなく、そして何より、文章が美しい!!
「あ~ここ泣かせようとしてるな~。あざといな~」と思いながらも(←失礼)まんまと大号泣しました(笑)。登場人物だけじゃなく、周りの人間やその物語の世界全てが幸せに思えてくる優しい世界観が大好きです。読み終わった後も思い出して泣けてくるし、何度読んでも泣いてしまうのだろうなと思います。
この作品は是非とも本文を読んで頂きたいので、あらすじについては言及しません!心の洗濯をしたい方にはお勧めの作品です!!

3

大号泣させていただきました

私はファンタジーがちょっと苦手で、
非現実的なものよりは現実的なBLが好みなのですが
人工知能が発達している昨今では
近未来にドールとなるとあながち夢物語ではないなぁと思ってしまいます。

実のところ、『ショートケーキの苺にはさわらないで』を読ませていただいた時は
勿論非常に素晴らしいお話ではありましたが
ラストがうまくいきすぎのような気がしてしまったのです(すみません!!)
その為今作がスピンオフとの事でしたので
多少及び腰だったのがとても悔やまれます……。

幸せの定義は人それぞれでしょうけど
二人の想いと結末が私の理想とも言えるものでした。
阿部ちんの高嶺を大切にしたい気持ちも誠実で、愛が深くて感無量です。
高嶺の徐々に変化していく様子もとても好ましかった!

芝が「そうくるの!?」という意外さで
思わず「え!?」と声をあげてしまいましたが
きっと彼にも色々あったんだろうなぁ。

とにかく愛の物語、もうあれこれ言えない程胸がいっぱいになりました。
こんなふうに誰かと愛し合えたなら
これ以上の幸せはないかもしれませんね。
ラストは言葉に出来ない感情がぶわっと押し寄せて
嗚咽をこらえきれませんでした。
今でも思い出し泣きしてしまいそうです。

草間さんのイラストがまた温かくて味があって最高の最高…!!!

4

愛しいラストに涙

前作のショートケーキの苺〜を読後、こちらを読む事をお勧めします!

阿部ちん、おじさんになっても超良い人。

容姿はぽっちゃりさんから、標準体型になり、BLの夢と希望を壊さずに、しかし、前作からの阿部ちんキャラはそのままで嬉しい限り!

個人的な嗜好として、あまりアンドロイド系は萌の対象ではないのですが…。
前作のショートケーキ〜が切なく素敵なお話だったので、こちらも購入しました。

結果、購入して良かったと思います。

ラストは、とても余韻の残る、切なくて愛しい終わり方です。本当に愛しい。

前作に続き、タイトルに込められた思いや意味が分かった時、震えました。

…ハンターハンターのキメラアント編ラスト、コムギとメルエム的な…。あ、違うかな。すみません。

いや、しかし、あんな感じの切なく愛しい終わり方です。


2

2017年の最高傑作

まさに、名作と呼ぶに相応しいお話でした。

とにかく、一度は読んでほしい。
一冊で綺麗に纏まっています。
が、5巻ぐらいの長編に引っ張ってもっと詳しく読みたかったくらい、世界観とキャラクターたち、そして物語が素晴らしく面白く固まっています。
切なく、苦しく、愛しいです。
アンドロイドに心は芽生えるのかという永遠のテーマがありますが、それを意識しつつも、その結果がメインではないんです。
その心が出来る過程と理由までをもゆっくり追っていってる。
その部分でBLでは他に類を見ないSF作品だと思います。
アンドロイドと、アンドロイド愛好家。
その周りを取り巻く環境、世界、そして人間のアンドロイドに対する扱い。
アンドロイドとは?生きるとは?とても深く突き刺さるストーリーでした。
読めて、良かった。
先生、ありがとうございます!!
前作のショートケーキ〜を読むとより深くストーリーを理解でき、考えさせられます。素晴らしかった前作さえもこの作品のプロローグかと思えるほど、傑作だと感じます。
イラストもより合っていました。

3

愛やら人生やら社会やら、色々凝縮されて詰まっている傑作

電子書籍で読了。挿絵有り。
草間さんのイラストがすばらしい!
関連作と対をなすような表紙絵の構図もそうですが、何と言ってもアベちんのアップがないこと(表紙イラストは目をつぶっていますしね)。これ「上手いよなー」と思いました。おかげさまで私は、ずーっとアベちんになりきって読み終えることが出来ましたよ。美しいだけではなく知的なイラストだと思います。

今までレビューされた皆さんが書いていらっしゃるように、私も泣きました。
でも、それ以上に色々と考えてしまったお話でもあります。「一言で言えるなら小説を書かなくても良い」と誰かが言っておりましたが、ならばこのお話は『まさしく小説でなければならないお話』なのだと思います。ちょっと長くなると思いますし、盛大にネタバレをいたしますが勘弁してください。

実際に作るかどうかは別にして『ドール』が現実で可能になるのはそう遠くない未来らしいです。家族に将棋ファンがおるのですが、プロ棋士を負かす将棋ソフトは新戦術を自ら考えられるから強いのだそう。そもそも現在のAI研究は脳科学と切っても切れない状況にあるらしく、私ごときの頭脳では本を読んでいても、作者の研究ジャンルが脳科学なのかAIなのか解りません。感情というものが脳に起因すると考えれば、機械と人間の境目はとてもぼんやりしたものになります。

もう一つ。DNA解析が進み(これもAIの能力が飛躍的に向上した結果らしいですが)予防医学が発展していますが、最近では病や老化に関わる遺伝子を操作して『健康で死なない体』にしちゃおうという研究も進んでいるらしいです。

以上二つの研究は加速度的に進んでいるそうで、ひょっとしたら、若いお姉様方がご存命中に『機械の人間』が闊歩し『余命を自己決定する』社会が現実的になっているかもしれません。

凪良さんはあとがきで「南里とシン編は賛否両論ぱっきり分かれた」と書いていらっしゃいました。私は『否』の側でした(レビュー評価でしたら『神』を付けると思いますけどね)。たとえ終生添い遂げたとしても、別れは必須のもの。だからこそ悲しく愛おしいのだと思う派なのです、私は。
でも、このお話を読み終えて、それぞれがそれぞれの形で良いのだなぁ、と思うようになりました。生き方や愛し方が様々でも、自分が辿ってきた軌跡に満足できれば充分なのだろうなぁ、と。

ああ、感動の余り饒舌に語ってしまいました。
でも、吐き出したくて……ごめんなさい。
まだお読みでない方は、前作とご一緒に是非。
きょーれつな純愛物語という側面だけでも楽しめますし、私のようにちょっと面倒くさいことも考えることが出来る大層魅力的な本です。

凪良さん、すげぇ……

3

これも瞼が腫れるやつだった…

今回のタイトルがまた、最後の最後で凄い意味を成してた。 前作の「ショートケーキ~」とは違う2人の選択でしたが、こちらの方が自然に感じます。 でも残された方はどうすればいいの?と思いながら読み進めていきましたが、こうなりましたか。 最後、美優ちゃんの眠い場面もなんとなく思い出され、最後は3人分の号泣になってしまいましたが、このタイトルの意味する通りドールであった2人を含めアベちんと三人で天国で幸せにしてたらいいな。 そして何気に芝さんでのスピン期待してます。

1

尊い

一気に読みました。
あの阿部ちんが。
『俺氏が…』『…であるよ』という言い回し。ああ、阿部ちんだ。
あのドールオタクの阿部ちんはちっとも変わらず、美ドールも裏ドールも表向き存在できなくなった日本で、家業を継ぎ、日々労働、色恋には無縁のDT…
そんな阿部ちんに託された裏ドールの「高嶺」。たかねの花っていう意味合いなんですかね…
自分は機械で、こころなんか無い、嬉しいも悲しいも無い、痛いもつらいも無い。そう言う高嶺。
でも、読めば読むほど阿部ちんと高嶺は人間同士のたどる心理状況をなぞっていく。
阿部ちんは、美しく、健気で、哀しい高嶺にどんどん恋い焦がれていくし、阿部ちんの優しさに触れるごとに自分の今までの経験が塗り替えられていく高嶺。
阿部ちんは他にマスターのいる高嶺に恋愛感情を露わにできない。
人間に優しくされた経験値の無い高嶺は、阿部ちんの温かすぎる愛情はわかりがたい。
このもどかしい恋は、最早「人とアンドロイド」の関係性とは言えない…
「ショートケーキ〜」の文字どおり近未来的な恋の成就と対照的に、阿部ちんと高嶺の「結末」は正に添い遂げる人間の理想。すなわち、片割れが亡くなった後、後片付けを終えてから後を追うように…という終わり方。
アンドロイドで何故それができたのか。
それが「九のつく年の〜」の成就なのか。
でも私は思う。2人は多分「天国」では会えない。機巧でできている高嶺は目を閉じて動かなくなるだけ。でも『満足している。幸せだった』と言えた高嶺はドール達の幸せになれるところに行けるのだと思う。阿部ちんもきっとそれを満足に思っていると思う。

2

この作品が収納されている本棚

PAGE TOP
  • 商品購入
  • レビューを見る
  • 評価レビューする
  • 関連作品
  • 攻受データ