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表題作きみのハートに効くサプリ

芹沢匠
カレー店店主、27歳
加島透
カリノ製薬研究開発部、31歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

サプリ商品の開発に悩む製薬会社の研究員・透は、移動販売車のカレーが気になり通い詰める。他人を心に踏み込ませまいとする自分が、店主との「また明日」という“約束”につい微笑んでしまうことに驚きながらも。だが偶然町中で件の店主・芹沢と会い、酔った透は悪癖のまま彼を押し倒し、無理に関係を持ってしまう。あげく過去のトラウマから泣き出したところを慰めてもらい……。
(出版社より)

作品情報

作品名
きみのハートに効くサプリ
著者
椹野道流 
イラスト
草間さかえ 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
シリーズ
きみのハートに効くサプリ
発売日
ISBN
9784829624760
3.3

(30)

(3)

萌々

(7)

(17)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
13
得点
97
評価数
30
平均
3.3 / 5
神率
10%

レビュー投稿数13

サプリメントのような1冊

カレー屋×サプリメントの研究員という珍しい設定の本作。
椹野先生の素敵な料理描写と実際の医療現場に身を置いていた経験からくる詳しい医薬品知識が相まって、一粒で二度美味しい作品に仕上がっています。BLとしても楽しめますし、スパイスの勉強にもなりました。

加島透はカリノ製薬に勤める会社員。サプリメントの研究開発を仕事とする彼に上司が与えた課題は「身体を中から温めるアイテム」でした。身体を温める…といえば生姜が思いつきますが、すでに他社が生姜関連商品でヒットを飛ばしているので生姜は使えません。なかなか良い成分が思いつきませんでしたが、何となくランチに購入した移動販売車のカレーをきっかけに、スパイスに興味を持ち始めます。加島はスパイスの勉強を兼ね、その移動販売車に通い詰めるようになりました。
加島が毎日カレー屋に通うようになって二週間後あまり。土曜日の夜、加島は街中で偶然件のカレー屋と出会います。店主の名前は芹沢匠。二人は夕食を一緒に摂って、お互いの仕事の話や料理の話で大盛り上がりします。ところが酔っぱらった加島は芹沢を押し倒し、無理やりに関係を持ってしまいました。

クールで他者を寄せ付けない印象の加島は実は襲い受けだったのです。けれど中身は真面目な人なので、罪を償おう、責任を取ろうと必死に行動を言葉を重ねて謝罪します。しかし芹沢は加島を罵倒するどころか、気遣いを見せ優しい言葉を懸けてくる。そして芹沢は加島の元から姿を消してしまいます。
ここから二人のすれ違いが生じるのですが、その理由がそれぞれがお互いのことを思っているがゆえというところが好感を持てました。二人ともとっても良い人なんですよね。また、攻め受けともに過去の恋愛で痛手を負っていて、特に加島は恋愛の失敗が原因で人と関わらないようにしているのですが、新しい恋がそんな心の傷を癒していくという流れが上手くまとまっていました。

物語は二人を中心に動き、第三者は加島の同僚・梅枝を除いてほぼ絡んできません。それだけ丁寧に二人の心理描写にページが割かれています。サプリやスパイスの知識も盛りだくさんで、読めばちょっと得した気分になれました。

1冊でコンパクトにまとまっていて、後腐れはない作品。
サプリメント感覚で1冊読んでみれば、読後は癒されること間違いなしです。

1

すごくカレーが食べたくなる、しっかりお仕事BL

カレー屋×研究員という、なかなかないカップリングの今作w

スパイスの研究のため、おいしいカレーを作るカレー屋芹沢の移動販売車に平日毎日通うサプリメント研究員の加島。
お仕事描写もしっかりあって、お仕事BL好きとしては楽しめました!
そして、芹沢の作るカレーがほんとおいしそう。
めっちゃカレーが食べたくなる小説ですw
あとがきでもおすすめされている【カレーに大根+豚肉】は次カレー作るときぜひとも試してみますw

以前の恋の痛手からちょっと頑なになってしまってる、普段マジメな加島さんですが酔うとまさかの手首縛って襲い受…!
その後の思いつめた上でのちょっとズレた言動がまたかわいく、芹沢の健気わんこっぷりにも微笑ましい気持ちになりました。

BLにはありがちですが、おせっかいな友人の梅枝が大活躍。個人的にはもうちょっと周囲のおせっかいは控えめなほうが好きかな。
椹野さん作品はこれが初読みだったのですが、視点が固定ではなく、
芹沢視点だったり加島視点だったり時には梅枝視点だったりする、いわゆる神視点?なので、やや混乱する場面もありましたが、すぐ慣れましたw

ともあれ、切なさもありつつ、ほんわか癒しの雰囲気漂う作品でした。

0

違うパターンも希望です・・・

椹野さんは、良くも悪くも『パターン』が決まった作品が多いと思っています。私の場合、その『パターン』が自分の好みに合っているかどうかで、かなり評価が分かれるんですよね。ものすごく好きで堪らないシリーズもありますし。

これは、正直『私の好みじゃないパターン』の作品でした。『年下攻』に『年上のめんどくさいツンツン受(オプションに眼鏡)』。

年下攻自体が苦手要素なのもありますが、何よりツンツンし過ぎな受がもともとの好みでもない上に、とりわけ椹野さんの『ツンツン受』がかなりダメなんです。

でも、これが今の椹野さんのお気に入りなんでしょうかねぇ。何か究めようとしてるのか?と思うくらい、最近のシリーズ(特に『メス花』から派生したというのか、K医科大に関わるプラチナ文庫とシャレード文庫のシリーズ)はどれも同じように感じます。
逆に、このパターン(類型)がお好きな方にはピッタリなんでしょうが。

ただ、その中ではこの作品はいい方です。キャラクターに意外性・独自性があるので。襲い受・・・ここまでハッキリした『襲い受』も珍しいんじゃ、と思いました。少なくとも、私は他に思い浮かびません。特に好みではないので、選んでは読みませんから。

あとがきで作家さんが『スパイスの勉強をした』ように書かれてましたが、確かに詳しかったです。正直、ちょっとしつこいくらいでした。『お仕事BL』でお仕事描写多過ぎ!ラブはどこ!?と思うのと同じような感じでしたね。

その分、やっぱりラブ関係が駆け足気味に感じました。淡々とした日常そのものは大好きなんですが、これは正直ちょっと物足りなかったです。

決して悪くはないんですが、それでも私はこのCPの続編は別にいらないかな。それならまだ梅枝×子猫ちゃんのスピンオフの方がいい、と思ってしまいました。本来、脇キャラクターのスピンオフはあまり興味ないんですけどね。

0

カレーを食べよう

真面目サラリーマン(受)と移動販売カレー屋さん(攻)のお話

仕事のためでもありますが、
毎日昼ごはんに、カレー屋さんに通いつめる受。
そんな2人が、偶然休日に会うことから、展開していきます。

真面目な受が、酔うとああなってしまうのが、なんともかわいい。
そして、恋愛に臆病な受を大切にしようとする攻もステキでした。

ただ、う~ん。
面白かったのは、面白かったのですが、
展開が速かったせいか、サラっとしてしまった感が否めません。

0

今までの料理が覆されるお話

まずはじめに、BLという概念を抜いて思った感想が一つだけ。
このお話を読んだあと、今まで作ってきた自分の料理(主にカレー)がどれだけずぼらだったかがわかって、一週間ほど頭の中を悩ませました。もうそれは本当に「オーガニック」やら「ナチュナル」やらにとらわれて感想を書き込めないほどでした(笑
それぐらい、バックグラウンドがしっかりと調べ上げられていて、まさに「専門家」が会話しているような…そんなお話でした。今までレトルトやらに頼ってきた身からすると、なんだかいたたまれない気持ちになったのも本当です^^; これからは健康に気をつけたいと思います。

本編のBLとしての感想は、前にレビューされた方々のように、ほのぼのとした和やかなお話という印象を受けました。

もう紹介されてると思いますが、このお話は、少しだけ頭が固いけれど人一倍傷つきやすく、酔っ払うと人を襲ってしまう(性的な意味で)透さん(受)と楽天家で包み込むような優しさとあどけなさを持ったカレー屋の芹沢くん(攻)のお話です。

展開としては大波乱があるわけでも、かといって平坦なわけでもなく、まるで氷が溶けていくような暖かなスピードで展開を広げていました。
その中でも個人的な見所としては、恋愛に恐怖を抱いて臆病になっている透さんがどんどん芹沢くんの手によって暖かな気持ちになったり、穏やかになっていく姿がとても可愛らしく描写されていたところがとても素敵だったと思います。

イラストの草間さかえさんの絵も素敵で、相変わらず頑ななメガネサラリーマンを素敵に描くなあときゅんきゅんしてしまいました。
本編の中で上質のモノを(無意識に)選んでいる透さんがちゃんと具現化されていて、小物でさえも手が混んでいて思わずニヤニヤしてしまいました。

最後に、このお話を読んだあとに、とても芹沢くんの作ったカレーが食べたくなってしまうので、カレーを用意しておくことをおすすめします(笑


0

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