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表題作落花流水

井上一也
チンピラ・23歳
成田夏生
公務員・27歳

その他の収録作品

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あらすじ

堕落な生活を送る井上一也は、ある日想いを寄せていた、成田夏生に再会する。夏生は五年前、軽蔑と嫌悪の眼差しをむけ、一也の前から突然、姿を消した男だった。夏生は借金を作った婚約者の妹が、風俗店で働かされそうになるのを身を挺して助けにきたのだ。そんな夏生に、どうすることも出来ない苛立ちを感じた一也は、借金のカタをつける代わりに、夏生に身体を要求する。期限つきの関係でいい。心まで望まない。夏生が欲しい──と。
(出版社より)

作品情報

作品名
落花流水
著者
凪良ゆう 
イラスト
石原理 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
ISBN
9784813012146
3.6

(56)

(14)

萌々

(18)

(16)

中立

(4)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
16
得点
194
評価数
56
平均
3.6 / 5
神率
25%

レビュー投稿数16

苦手なタイプのクズ受

ヴィッチもクズ受も基本的に大好物なんです‼︎
ただ、常識人ぶってる人間が様々な言い訳をして自分を正当化してるのはとても苦手でして…。

攻の一也は逆で、自分がどうしょうもない人間だと思ってるけど矜持を持ってるところが良かったです。

これ、年齢が逆ならまだ受け入れやすかった!
年下の子にそんなに甘えるなよ、いい大人がーっ。って受がどうしても好きになれなくて。

でも、ずっと大切に思ってたただ一人の家族でもある母に背を向けられて、自分を支えてたものが一気に崩れてしまった時に救いになった存在はそりゃ大きいよな。って、攻様が受様を思う気持ちはよくわからんですよ…

この2人、なんというかきれいに正反対なんですよね。
片や親に必要とされてないけど、それでも親を捨てきれずに親に送金をしては電話を待ってたり。
高校中退で、家も追い出されたような形で、楽な方に流されてアングラな仕事をしてるけど、矜持は失わない。
もう一方は、過剰に親から干渉を受けて正しく生きなければ。と、雁字搦め。大学卒業して、公務員で、結婚も決まってて…
自分がそうありたい。って姿を必死で作ろうと努力してるけど、他人のせいにして自分の欲望を叶えてる姿は浅ましいなぁ。と…
一度箍が外れると、それまで苦しかった分ハメ直すのは容易じゃないのも分かる。
でも、それを他人のせいにするのはやっぱ違うよなぁと思ったり。。


利己的に見えてしまう受様なんですが、でも攻様の利他的というか受様を思う気持ちや行動は、結果として間違ってはいるけどそれを選べれる気持ちの強さが良かったです。

どう終わるんだろ??って思ったけど凪良先生らしいラストでした。

でも結果的に婚約者も親も切り捨てた受様だけど、事件が起きなかったらどうしてたんだろな…とは思ったりしました。
そういう意味でも、やっぱり最後まで好きになれなかったー

0

どんよりした絶望の中で見える一筋の光だったんだろうね、と

電子書籍で読了。挿絵なし。あとがきなし。

「うわー、読んでない凪良さんの本がある。ラッキー」と、前知識なしで読みまして、今これを書く前に皆さんのレビューを読みましたら、みんな九条が気になっているのね。そうですか。私はこのお二人、良かったですけどねぇ(やっぱ、少数派なのかな、しょぼん)。

高校を中退し家を出てピンサロのスタッフをやっている一也が闇金で出会ったのは、高校時代に教育実習生だった夏生。今は役所に勤めている夏生が、そんな場所にいたのは、借金をして風俗に落とされそうな婚約者の妹を助ける為でした。自分とは違う『ちゃんとした世界』に住みながら、自分をを決してバカにしなかった夏生に、一也は思慕の念を抱いていました。美しいものを美しいままで守りたいと思った一也は闇金のオーナー、仁志田に目をかけられている事を利用してその場をとりなし、夏生には知らせず自分が肩代わりをしようと決意します。夏生に対しては、月々の返済金を少なくするよう話をつけてやる代わりに、婚約者と結婚するまでの間、自分に抱かれるよう要求するのですが……

金の工面のためにどんどんヤバイ橋を渡らなければいけなくなる、その描写が凄いんです。追い詰められて堕ちていくのが、なんて言うか、酸素がどんどん少なくなる感じ?本当に息苦しくなるんですよ。
それでも一也は夏生を捨てることが出来ないんです。
命綱なんでしょうね。
『こうであったら良いな』とか『こうしたい』と思い描いていた過去が自分にもあった事を確認するための。
一也にとってそれは何よりも大切な事だったんだろうと思うのです。

「自分の中には何もない」と思ってしまったから「何かの為に生きよう」とする人はいます。一也はその典型の様に思えるのです。そして、そういう風になっちゃう理由もわかる。このお話を『裏社会もの』として読むなら、確かにちょっと無理がある部分も少なくないと私も思います。でも、機能不全家族の話として読むと……泣けてくるんです。

一也が『美しいもの』と思っていた夏生も、物語の途中で『そういうものではない』事が明らかになります。
そしたら、共犯者になるしかないじゃないですか。

私にとってこれは、親に疎まれてしまった子どもが叛逆をするお話です。
ラスト近くでバタバタと大団円的に終わってしまった事で、それが薄まってしまった感は否めないですけれど。
でも、バッドエンドだったら『俺たちに明日はない』になっちゃうもんね(古くて申し訳ない)。

5

一途で健気な一也がいい!

スピンオフ、ありますよね?読後に探してしまいました。
脇キャラの九条さんの話、皆様同様にすごく気になってます。

この作品、裏社会ものということで、あらすじや帯から二人のハードな描写があるのかと思っていたのですが、一也の根が純で健気だったので、そんなこともなく。
ストーリーは正直、こうなるだろうなぁ・・・の想定内です。読んでいて驚くような展開はありません。
けれど、ぐいぐい引き込まれました。凪良さんの描写がとても素敵です。
雨の匂い、部屋を舞う埃や開けられないカーテン、真っ白なシャツやシャンプーの香り・・・誰の記憶にもあって思い描けるものが随所に散りばめられて心情が語られるので、読んでいて一也と同じように胸が苦しくなりました。
現状に抗わずに流されて生きていた一也と夏生が、幸せになるために踏み出す物語だと思います。

0

サイドストーリーが膨らむ膨らむ

お話としては、特に破綻なく綺麗に纏まっているんだけれども、何だろう、この中途半端感は。

既に沢山レビューがあがっているので詳しい内容は割愛しますが、この作品の主人公達は物事を進めれば進むほど、落とし穴に嵌まっていく感じです。
好きな人の為にっていう覚悟は認めますが、一也は行き当たりばったりだし、夏生は考えが甘過ぎるし、二人とも、もう突っ込みどころ満載。
そもそも、最初から弁護士か警察に相談してから乗り込めば、もう少し事態は好転したのでは・・

しかし、これがバカで幼稚だった二人の顛末。。だったら、正直BLとしては救いようがないけれど、これはこれで意外と現実味があるかも・・
なんて思っていた矢先、ここに登場するのが、九条という一人のヤクザです。

この男、ムダに存在感がありすぎるので、お話にスパイスを添える、なんて軽いものを飛び越えて、完全に主役二人を喰ってます。
しかも、この九条さん、単に主人公の一也が長年探し求めている恋人?に似ているからという理由だけで、何だかんだで一也に甘い甘い。
自分の手元に置きたいからと、一也にとって都合いい状況を作っていき、それによって一也も闇に堕ちたり、引き上げられたりと、立ち位置が非常に中途半端な感じに。

あぁ、もういっそのこと、ここまでクセがあるキャラを出してくるなら、むしろもっと突き抜けて、九条と一也の絡みを増やしても良かったんじゃないかしら。
それか、後半ちろっと出てくる、これまたクセがありそーな若い刑事さんと九条の攻防戦とか。
いえ、それをやってしまうと全く違う話になるのは重々承知ですが、それぐらい主役二人に惹き付けられる魅力がなく、逆に脇役の方に引き寄せられて、頭の中で勝手に幾つかのサイドストーリーが作れそうな勢いだったんです。

逆に言うと、本作品がこれから始まる九条の前段なら、ありなのかもしれません。が、その場合、やっぱり先に述べたように、もう少し一也と九条の絡みを・・。
何あれ、この一作だけで評価するなら、主人公達にスポットが当たりきらず、少し中途半端な感じでした。

1

だから読むと一気なんだよ〜〜;

流石の凪良作品。893ものと聞いて読んでみました。

前回、893繋がりで『お菓子の家』を読んだ時も感じたんですが、主人公キャラとの心境のシンクロ率が、半端無い。
もう、自分がグラグラするくらい中身の人になってしまう。
だから、先にある物語が知りたくて、一気読みしてしまいました。
ある意味、一つの人生を味合わせてもらったくらいの重さ。
荒んだ背景や、相手を慈しむ情景、他愛無い会話の端々に色を見せてくれてます。
丁寧な心情の描写は痛い程で、まるで自分がそう感じているように混同し、答えなんて出ないのに、やるせなさや不条理に、自分だったらどうする・・を何度、考えさせられたか。
クライマックスに差し掛かると、始めの二人のすれ違うような出会いが、ここまでの運命を辿るものに変わるのかと、出会いのシーンが映画のプロローグのように絵が頭の中に浮かびました。

前回もそうだったから、読む前に少し覚悟してはいたんですが、途中で読むのを止める事が出来ない程息苦しかった。
ラストは、脇役893の人情味にホッとし、自然と口元が弛んでしまいました。
一種、読み終えれた事に安堵。
そして、オマケの、気になる脇役893のSS。これご褒美です。色んな意味でv
このSSで、この物語のいくつのエピソードに救いがあったかw

ここまで引き込まれたら、文句無しの★5つ。
いい意味で心を掻き乱された作品。
ただ、私が期待していた893モノではなかったのが・・orz
893が(エッチな意味じゃなく)絡んでくるお話でした(笑)


5

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