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表題作Don't touch me

長谷川宗一,27歳,特殊な職業の好青年
園田連,27歳,オゾン消臭剤研究,潔癖症

その他の収録作品

  • Don't leave me

あらすじ

同僚の代理で無理やり参加させられた合コン。潔癖症気味の連は居心地のいい笑顔をみせる男・長谷川と出会う――リーマン・アンタッチャブル・ラブストーリー!

作品情報

作品名
Don't touch me
著者
一穂ミチ 
イラスト
高久尚子 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
ISBN
9784403522390
3.6

(94)

(23)

萌々

(34)

(23)

中立

(5)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
20
得点
325
評価数
94
平均
3.6 / 5
神率
24.5%

レビュー投稿数20

無題

特殊清掃の話です、こういうの苦手な人多いかもしれないですね。

あらゆる壁という壁に蛆のわいた死体が張り付いたような部屋も掃除するのでしょうか、線路で内臓丸出しになって引き摺られた物を綺麗にしたりもするのでしょうね。

ここには守備範囲の広い方が多いので案外こういうのもお好きなんじゃないかな。

ちなみにもう片方は潔癖症の方です、初めて相手の職業を知った時に後ずさりして「触るな!」と言い放ちます。

職業差別はよくありませんね、ちゃんと手をつないであげるべきだと思います。

まあ心の汚れた人には近づかれたくも無いですけどね。

1

超親友的な…

潔癖症の受と●●●●●の攻めが、、と書き出そうとしたら…、
長谷川(攻)の説明が、”特殊な職業の”という作品説明なので、これはネタバレなのか…!?ということで、彼の職業が作品の鑑賞ポイントとしてとても肝だと思うんですが、性格や仕事が対極の二人がふとしたきっかけで出会って親しくなって恋がはじまるという、、ノンケ同士、性格が真逆な二人というところから、”イエスノー”と”ふったらどしゃぶり”を足して割ったような作品、という印象でした。高久先生のイラストが最高の高。

すでに他のレビュアー様が指摘されている通り、確かに、ノンケ×ノンケでスルっと恋愛に移行しちゃうところが、あれれれ?な感もなきにしもあらずなのですが、、(むしろ、BL色眼鏡をかけてなければ、色恋のない大切な”親友”っていう関係のほうが適切かもしれない。)でも、だからこそ無垢な気持ちになれる、初めての”本当”の恋・大人の”イノセント”ラブなのかなと。

共通点がないからこそ適切な距離感がとれたり、お互いの流儀を尊重しあうところや、相手への執着や独占欲が芽生え、共有する時間を失うことが怖くなったり、同性だからこそ弱みを見せられたり、同性だからこそあからさまにできる感情があったり…二人の日常から垣間見えるこれらのことから、理想の恋人とは?を考えさせられるのでした。

書き下ろしは攻視点で、より複雑な気持ちが見えました。印象的だったのが、スケベの部分で受のネクタイを攻さんがほどくんですよ。”その瞬間のするりと蛇が脱力するような感じはひどく官能的だった。たとえば女の子の~”という表現。もっと端的だったら読後にカタルシスがあるのかもしれないですけど、逆に言えば具体的すぎてみんなが想像するものが一緒というスタイル、嫌いじゃないです。

0

キーワードは〝匂い〟?

潔癖症の園田と特殊清掃員の長谷川。
性格も仕事も正反対の二人が惹かれ合い、トラウマを克服していく姿を描いています。

極度の潔癖で口の悪い薗田が、汚れることも匂いがつくこともかえりみず、長谷川に触れる『Don't touch me』のラストは、とても印象的でした。
自分のアイデンティティに反しても長谷川と一緒にいたいと願う園田が愛おしく感じた。
気難しい園田を否定せずに受け入れる、長谷川の優しさと器の大きさを思い知らされました。

後半の『Don't leave me』
〝触らないで〟からの〝離れないで〟
園田の気持ちの変化がタイトルにあらわれてる……と思ったら、これ長谷川の気持ちでもあったんですね。
長谷川が嗅覚を失い、取り戻していく流れは唐突に感じてしまいました。
ただ、あんなに触れなかった猫の「カギ」を保護してきた園田の成長が胸熱だった。

全く合わなそうな二人が出会い、スレ違いながら引かれあっていく過程が痛々しくも胸を打ちます。
オールハッピーの手放し状態で終わる感じではありませんが、二人の未来に幸あれと願わずにはいられません。

1

ちょいツンの受けとちょい恋愛観ウェットな攻めの王道ラブストーリー

読み返したので記念に。

個人的には一穂さん、そんなに好きじゃないんです。どの作品を読んでも「一穂節」が効き過ぎていて、キャラクターの上手すぎる比喩表現とかに作者の影がちらつく感じがして集中できないというか(この唯一気になる点を除いてもやっぱり80点プレーヤーというか、品質保障付きのラブストーリーを提供してくださる一穂さん作品は、買っちゃうんですけどね!)

そんななか、一穂さん作品のなかでは『Don't touch me』はかなり好きな部類でした!『YesかNoか半分か』シリーズ以外ではいちばん好きかもしれない。『ステノグラフィカ』と並んで。

高久さんの挿絵が超ナイスアシストだったのも素晴らしかった点ですね。

****以下ネタバレあり****

どこがよかったのか。

潔癖性の蓮(受け)のキャラクターに好感を持てたのがよかったのかな!
合コンであった女の子のダメな部分をあげつらねたり、同僚の女性社員にも「イケメンだよね」とつっこまれて「はあそうですね」的な態度をとったり。
蓮は正直というか、自分に嘘がつけないタイプなんですよね。
世渡り上手の対極にいそうなヤツです。思ってもないことは言えない。

でもそんな蓮が、特殊清掃員の長谷川(攻め)には、最初から最後まで一貫して嫌われたくないと思ってるんですよね!
潔癖性の蓮が初めて長谷川の仕事について知ったとき、生理的に「触られたくない!」と思ってしまう。
でも、そんな態度をとってしまったことに、自分もショックを受けているんです。
なんで、長谷川さんには自分の悪い一面を知られたくないんだろう。
嫌われたくないんだろう‥‥

もうおわかりですよね笑

攻めの長谷川はイイオトコです。自立心が旺盛で、自分の仕事にも(食わせてくれる、生活させてくれる収入源として)一定の誇りを持っている。
受けの不用意な言動とかも広い心で許してくれる、攻めらしい攻めという感じ。

けど、カラッとしてる性格に見えて、
恋愛になると実はけっこう嫉妬とかしちゃう男だったー!
同性の恋人である蓮に対しても、当然のように独占欲とかモヤモヤといったウェットな恋愛観を発揮してくれます(対する蓮は、長谷川を誘って合コンとかいけるくらい妙なところサバサバだったりする)
でもそれが良いスパイスなんです。

料理を完成させたのは君だったんだね、長谷川君‥‥

以上。

1

タイトルの意味を知った時

潔癖症の連と特殊清掃を仕事にしている長谷川。この対局具合が素晴らしいです。
猫のカギが事故にあったシーンはこっちまで息がつまりましたが、この事故に関して己を責める連の事をおもうと辛かった~。。

後半の長谷川目線のお話もすごく良かった。
長谷川が匂いを感じなくなったり、お見合いをするという連に対して激昂して険悪ムードになってしまったり…
ハラハラなシーンが多かったです。
他の作品みたいに続編出ないかなぁ。

一穂さんの描く攻めが好きです。
意外とエロ少なめな印象でした!

0

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