弁護士は不埒に甘く

今後、大成が楽しみな作家さん

いいですねぇ～。
キャラも設定も不自然で一貫性に欠けるところもあり、同人誌くささが抜けないといえばそうなんですが、そこがかえってみずみずしさになっているというか（笑）
序盤の風景描写なんて、めっちゃくちゃ必死で、微笑ましい！流し読みを許さない何かがあります。

小さな弁護士事務所に入った櫻井朋と、無精ひげでだらしなさそうな風体の弁護士・成瀬。
フツーだったらこれで恋愛フラグ成立で、あとはそのままザザザーと流し読みなんですが、弁護士事務所のボス、木佐が預かっているという謎めいたしゃべらない子供・直や、男っぽい性格の女性事務員・榛野など、登場人物の魅力に魅入られます。
そして、周囲の人物から、徐々にメインキャラの秘密がめくられていく…シャーロック・ホームズばりの謎解きも面白い。
キャラの登場・退場が唐突すぎるきらいはあるものの、ページをめくる手がとまらない！
まぁ、それゆえ、メインの二人の魅力がぼやけている感はありますが、そこはみずかねりょう先生の素敵なイラストで見事、補完されていますから、心配には及ばず。
内容とイラストがこれほどうまく補完しあっている作品も珍しいと思います。

中盤から、やや苦し紛れな息切れ感はありますが、ところどころに散見される繊細な描写に今後がほんとうに楽しみ。
ラブラブシーン（エロ場じゃないですよ！あくまでラブラブと言いたい！ｗ）もせっせと手で進行していくあたり、初々しさがあって、大変好みですｗ