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偶然の出逢いが二人の心を揺り動かす───「私は性懲りもなく、君を好きだと感じている」
自分の年齢が上がってきたことで良さが分かるようになってきた草間さかえさんの作品。
大人ならではの可愛さにぎゅんとくるというか。
大人ならではのダメさとか不器用さが逆にいいなと。
本作の2人は特に、ですね。
実はこの作品自体「可愛い」がキーワードになっていたりします。
草間さんはこの「可愛い」を「愛おしいとか しっくりくるとか 説明しづらい良さの総称」って作中で説明しているんですが、私が読みながら頭に浮かべていた単語は「愛着」でした。
大人になるにつれて、自分にとって収まりのいい物とか、逆に自分自身が収まりのいい場所とか、そういうもの(=しっくりくるもの)が何かを選ぶときの基準になってきているのを実感していて、そんな今の私の感覚にピタリとくる心地良さみたいなものに出会える1冊でした。
奥さんに離婚されて引っ越した片付かないままの新居で、篠田がずっと探しているのですよね。趣味で書き溜めていた小説の原稿と、それがうまく収まる箱を。
この感覚がなんだか自分の身にも覚えがあるなぁと思い始めたら本作の読み頃なのかもしれません。
「私は君の手にしっくりくるか?」
篠田のこのセリフが良いなぁとじんわりしました。
手に取ったらまずは2回、連続で読むのオススメです。
篠田の同僚(部下)達の篠田を見守る目線も良かったなぁ。
【電子】ひかりTVブック版:修正白抜き、カバー下なし、裏表紙なし
草間先生で一番好きな作品。おかげで禁断の同人誌に手を染めてしまった記念すべき一冊となりました。
結構好きなモダモダ系のお話で、受け攻めのカップリングがまずツボなんですよね。年下オトメ攻め×中年バツイチ受けってのがサイコーです。アレ…これってあんま好まれなさそうな感じかもですね。。属性ありきの読み方はあんまりしないので、読後分析してみると結果好きなパターンかも…くらいの感覚ですが。
お話は割とゆっくりなんですが、メインカプの魅力が物語中にむわわわ〜んと充溢していて、じっくりと読ませてくれます。篠田の部下達や元妻も地味に存在感を主張してるし、朝倉と関わりのある人たちの様子なんかも、市井の人々の生活の中で起こるドラマっぽい感覚を引き出してくれて、想像力を掻き立てられてしまうんです。
摑みどころがないところもあるけれど、職場では理想的な上司である篠田には大学時代に好意を寄せてくれていた男性がいたらしく…。朝倉とひょんな偶然で出会い、彼の中に眠る欲望が目を覚ましていきます。他方、朝倉も一見鷹揚で自由な人間のようですが、こと恋愛にかけてはウジっとした一面も。二人が思いを通わせるシーンにどうしてこんなにグッとくるんだろう。静かで穏やかな人間同士が各々隠し持つ抑制のフタを外した時のギャップかな?大人の男が思いを寄せる相手に感情的になって取り乱す姿に、そして相手を受け入れる包容力に、思わず萌えを覚えてしまいます。
コミックス完結で十分楽しめるのですが、更にその後の二人が描かれた同人作品に大変満足させていただきました。ただ、地雷の方が多い設定なので、敢えてコミックスに含めなかったのは先生のご配慮なのでしょうけれど、個人的には描いてくれてありがとうございますっ!!って気持ちで一杯です。
お話そのものが静かに静かに展開されるので、大きく心揺さぶられるような出来事は無いのですが、大人同士の恋ってこんな感じでいいんじゃないかと思うので、おまけで神評価。
離婚したばかりの男・篠田がうっかり入ってコーヒーを注文してしまった朝倉の店は、実は煙草屋兼骨董屋で・・・
そこは、思いのほか居心地が良くて・・・
朝倉が“女顔”なので、はじめはこの二人の関係がどう展開していくのか不思議だったのですが、なるほど、あとがき(カバー裏)にて作者が言っているように、うっとうしい系乙女攻×私生活での積極性に欠ける中年受で、納得しました。
さらに眼鏡×眼鏡ですから、メガネスキーにはたまりません。
とにかく私生活に自信のない篠田と、篠田に惚れちゃったゲイの朝倉がいい感じで凸凹コンビなのがなんだかうれしいのです。
ヘタレの篠田さんが、本当の気持ちに気付き、朝倉のところに行ったときの言葉「私は君の手にしっくりくるか?」がなぜかエロチックでした。
あとの3話は、両思いになった二人のその後のお話ですが、大人なバカップルのお話でもあります。
「端っこマニア」のお弁当といい、大きな荷物を持って温泉旅行に行くことといい、大変現実じみていてそこがおかしいし、そこが好きです。
さらに、温泉での浴衣(?)姿が非常によろしいのです。
着付け方といい、着崩れ方といい大変セクシーで結構です。
さらに、カバー裏「ゴローは犬」(ゴローは、二人が温泉地で拾ってきた犬です。)もオチがついて結構でした。プププ・・
草間さかえさんの描かれるストーリーは、激しさがある恋愛話ではなく、淡々としっとりと流れる雰囲気がたまりません!そこに醸しだす大人の空気感というか・・・オシャレ感が漂うvv 本当に骨董屋兼たばこ屋のコーヒー器の質感と香りが漂ってきそうなぐらい、草間さんの世界に入っちゃう感じ!!ほんと何度でも読んでしまう草間さかえさんのストーリーには感服ですvv しかし、草間さん年下ワンコ攻め多いな~vv
折本が届いたので再読(笑)
真面目で愛に不器用な篠田さんと乙女わんこな朝倉くん
ふたりが少しずつ近づいていって情を募らせていく様がステキです。
大きな事件とか起きなくて、普通に毎日暮らしていく中で
お互いに相手が大事に思えてくるのって本当に萌える。
草間さんて割と「どこで好きになったの?」ってのが多いので
この本に関しては一冊丸々同じひとたちなのがまた良かったです。
(いや、唐突展開も草間さんなら好きなんですが!笑)
何度読んでも同じように幸せな気分になれて
とっても大好きな大事な一冊。
自分にとってはこれは充分なまでに神!(笑)
折本もめっちゃかわいくて素敵でした。
読んでて大変幸せになれましたです。