軍服のカリスマが贈る官能超大作ついに登場!

コミック

  • 愛の痕跡 ~野獣軍曹と愛玩軍医~

愛の痕跡 ~野獣軍曹と愛玩軍医~

ai no konseki

爱的痕迹 野兽军曹与爱玩军医

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作愛の痕跡 ~野獣軍曹と愛玩軍医~

木崎(軍曹)
三園優一(軍医)

同時収録作品霧隠れの恋~紅忍法帖~

霧丸(忍の里筆頭格忍者・師匠)
百舌(弟子)

その他の収録作品

  • 愛の痕跡~三園医院の小さな幸せ~
  • あとがき

あらすじ

「体の奥に刻まれたお前の熱情が忘れられない…」
「お前は今日から俺のモノだ」

南方戦線に軍医として派兵された三園は、野性的な軍曹・木崎と出会う。そんなある日、診療所が爆撃を受ける。何とか生き残った三園だったが、爆撃のショックとマラリアの高熱で朦朧としてしまい、何かを求めるように木崎に抱きつくのだった――。

忍者時代劇「霧隠れの恋」も収録して2大人気シリーズを一挙掲載!描き下ろしもあり!
(出版社より)

作品情報

作品名
愛の痕跡 ~野獣軍曹と愛玩軍医~
著者
水上シン 
媒体
漫画(コミック)
出版社
マガジン・マガジン
レーベル
ジュネットコミックス ピアスシリーズ
発売日
ISBN
9784904468470
3.9

(22)

(6)

萌々

(9)

(7)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
87
評価数
22
平均
3.9 / 5
神率
27.3%

レビュー投稿数8

粗暴な逞しさが素敵です

 ピアスから4冊目の軍服モノ。私はこのお話が大好きなんですが、あまり評価は高くないのかな。シリアスな『愛玩少年』や『虜囚麗人』と比べると耽美さは影を潜め、戦中と戦後が交互に進むストーリーは程良くリアルです。

 上官である軍医の三園を粗暴ながらもいつも助けてくれる木崎軍曹。私はこの木崎が大好きなんです。水上先生の描く攻めたちは上官とか立場が高い人物が多いのですが、この木崎は一介の軍曹で、学も家柄もない人です。そのため言葉づかいも乱暴なので、いつもの私の好み(軍服の敬語攻めが好物)からは外れるのですが、純粋で一途、そしてすばらしく逞しくて格好いいのです!!若い頃、結婚するなら【無人島に流されても生きていけるような逞しい人】が理想だったのですが、まさにそんな人なのです!
 生き残った二人が密林でサバイバルしながら逃げるのですが、逞しい木崎は本当に素敵で、軍医を助けるためには、彼を手放すことさえする一途さに泣けちゃいます(T_T)
 軍医の三園は慢性化したマラリアを患っていて、ぶり返すたびに高熱にうなされるのですが、その熱が戦時中に木崎から与えられた情熱と重なるという設定もとてもよかったです。慢性化したマラリアって根治するのは難しいのかな~。合併症とかで軍医が死なないようにーとか心配しちゃいます。

・『霧隠れの恋』
 こちらは忍者の師弟モノ。愛する兄弟子から敵を誘惑する術を学ぶ百舌。その敵は兄弟子の霧丸がかつて愛した相手で…。悪くはないのですが、軍服モノを読んだ後には霞んでしまいました。

・『愛の痕跡~三園医院の小さな幸せ~』
 描き下ろしはちょっぴりコミカルな木崎軍曹と軍医どのです。

 軍服モノだけなら神にしたいなー。だけど忍者モノが短くないから迷ってしまう。木崎軍曹の粗暴な逞しさと軍医どのの知的な丸眼鏡…やっぱり好きだー!神にしちゃえ!
 
 

5

緑の魔境・南方でランデブー

めずらしい、南方戦線物BLロマンです。悲惨な南方戦線での感動的なドラマです。
背景が背景だけに、生半可な男女の恋愛ものでは、けっして描く事ができないジャンルだと思います。戦場は男だけの世界です。それなら男性同士の恋物語で描いた方が、女性の読者は感情移入しやすいかと思います。
華奢で女性的な軍医と野性的な軍曹・・軍隊内の身分では軍医の三園の方が位が上なんですが・・・下克上のお話でもあります。

2

死と隣り合わせの状況で

表題作は野性味溢れる軍曹×心優しい軍医、同時収録作は忍者の師匠×弟子です。

水上シン先生の作品は初めて読みましたが、登場人物やストーリーがとても好みで、他作品もぜひ読みたいと思いました。どのキャラクターも純な部分が見えて、常に命の危機に晒されているにもかかわらず自分のこと以上に相手を想っている姿に、胸を打たれました。

タイトルに「愛玩軍医」とありますが、そこまで弄ばれている印象ではなく、むしろ軍曹のいじらしい恋心が炸裂しており、良い意味で裏切られました。

まず表題作は、戦争から帰還した軍医の三園が、戦時中のことを回想するところから始まります。マラリアの症状が慢性化してしまっている三園。忘れかけた頃に発症しては、過酷な環境で自分を支えてくれていた軍曹のことを思い出すのです。
マラリアの症状って知らなかったのですが、勉強になりました。

軍医として隊員たちに目いっぱいの思いやりをもって接していた三園は、わずかな自らの食料をも隊員たちに与えようとしますが、見かねた軍曹・木崎の介入により、泣き言をもらしていた隊員たちが本当はまだ走り回れるほど元気なことを知り、ショックを受けます。
そんな三園に木崎は1つしか持っていない木の実を渡して、ちゃんと自分で食えよと言って去っていきます。

もうこれだけで絶対好きになっちゃいますよね!?!?だって自分より大きな体で、たくさん食べないといけないはずの木崎が、自分のためにたった1つの食料をくれたんですよ。
この時に既に、三園は木崎に特別な感情を抱いていたはずです。
かくいう木崎ももちろん、三園がただ軍医だから助けてあげた訳ではないというのは十分に伝わってきます。前から気にしてあげていたのだなと。

その後爆撃を受け、2人だけ生き残ります。マラリアの症状で意識を失っている三園とたったの2人になり、木崎は募らせていた思いを三園の体にぶつけます。
木崎の話によれば三園は途中で意識を取り戻して、三園の方からも木崎を求めたようです。
ただそのことを三園は忘れてしまっており、木崎の話を聞いた三園が騒ぎ出すシーンは、作中数少ない、一息つける場面でした。

木崎のおかげで友軍の方へ向かうことも、食料を手に入れることもできている中で、三園はプライドを振り絞って木崎の求めを拒絶します。もう絶対好きになってるはずなのに〜!!!!素直になったらいいのにぃぃぃ!!!!
でもこのまま木崎を受け入れてしまったら、すべてを失ってしまうのではないかという不安があったのかなと思います。

ようやく巡り会えたはずの他の隊も壊滅状態で、軍医としての無力感に打ちのめされる三園にとって、木崎の命の輝きだけが心の支えになっていきます。
そして今度は拒絶しませんでした。しかしそれを木崎は「自分がいないと生きていけないから従っているだけだ」と思い込み、傷つきながらも三園を組み敷きます。ああ〜切ない。本心から手酷く扱っている訳ではないのがわかるから…。
普段は少しおぼこい三園をからかうような態度を取っている木崎ですが、心のうちには純情な一面を持っており、そこがすごく魅力的だなと思いました。

ついに食料が底をつき、すっかり痩せこけてしまった2人が身を寄せ合う様を見たときは、思わず涙がこぼれました。

戦争から3年が経っても、お互いを忘れられず、それでいて相手にとってはもう忘れたい過去かもしれないと、もう一度会う踏ん切りがつかなかった2人。3年越しの再会を果たして愛を交わすシーンは、感無量です。レビューを書くために読み返している今も泣けてきました(笑)。

木崎が三園に一目惚れだったことも判明し、最後はハッピーエンド。三園のマラリアは治らないかもしれないけど、木崎がいれば大丈夫、と思えました。

描き下ろしの巻き込まれ一等兵さんがすごくBL的にありがたい方でした。2人のためにありがとうございました。

同時収録作は、美貌の忍・霧丸に育てられた麗しの忍・百舌が、霧丸の師匠であり、かつて霧丸と恋仲にあった飛丸を暗殺することになり…というお話です。
こちらも登場人物の心の動きに共感できましたし、百舌の見せた覚悟、霧丸のことは自分が愛するんだ!という覚悟にグッと来ました。そして百舌自身は純情なのに、男たちの惑わされっぷりがすごかったです(笑)。
ちょっとあまりにも表題作について長々と書き過ぎたので、こちらはさらりと済ませてしまいましたが、こちらもとても良かったです。

両作品の攻はタイプは違えど、仕事ができるという点は共通しており、頼りがいがある人って素敵だなーと改めて思いました。

1

軍医殿!!戦時下での至上の愛!!息も詰まりそうな荒々しさと切ない激情。

なぜか今年から腐女子の仲間入りしました。BL初心者だというのにいきなりこちらの「愛の痕跡」にドはまりしておりました。しばらくかばんに入れて持ち歩くくらいにBLのバイブルになりました(重症)。2つの話が収録。戦時物と忍者物と戦時もののその後の読みきり。
私的には戦時もので萌え。
ジュネット・ピアスシリーズは結構絵といい帯といい、ハード系のものだと後で知りましたが、なぜはまってしまったのか・・・・。「軍服のカリスマ」水上シン先生に惚れたとしか言えません。
まずは表紙の絵、荒々しそうな軍曹にご無体されそうな艶かしい軍医殿。もうこれだけでなにかありそうですよね(妄)表紙をめくってすぐのページの絵は軍医殿に軍曹のライトサーベルがー!!という場面、ジュネットさん攻めますなあ(ニヤリ)。ライトサーベルはどなたかのレビューで書いておりましたのを拝借させていただきました。これ、実際にお店では買えなかったと思います(汗)。
後から知りましたが、帯も『犯るか犯られるか!?』欲望サバイバルってピアスさん・・・・。
(ネットで購入でも少し恥ずかしかった)
 戦後、とある町で町医者として働く医師、三園。穏やかに過ぎていく日常に突如襲われる高熱と悪寒。三園医師は戦時中に罹ったマラリアが完治しておらず、マラリアの発作に苦しめられ、朦朧とする意識の中で想い出すのはいつも「軍医殿」と言ってくる彼の声・・・。
 戦時下での軍医・三園は少ない物資、食糧不足の中救護にあたっています。
そこにいつもやってくる軍曹の木崎。粗暴で口も悪く、上官の三園にも態度が悪い。でも、困っているときは乱暴ながら助けてくれたりして・・・。
そうこうするうちに二人が所属する隊が赤十字の旗を目印に襲撃され、2人以外全滅。
本隊へ合流するためにふたりでジャングルの中をさまよい続ける中、マラリアで朦朧としている間に軍曹に襲われてしまいます。最初は無理やりだったものの、木崎の逞しさ、守られる安心感のようなものに次第に恋のような感情が芽生えはじめ・・・。
現在のほうでは、薬も飲めず高熱の中うなされている三園医師の前になぜか木崎のような気配があり。木崎?でもまさか。あいつはきっと俺のことを忘れてる・・・。
戦時中の思い出では、本隊も全滅し本当に2人だけ。食べ物もなく、日に日に弱っていき、生きる気力も失われ、三園は「木崎、一緒に死んでくれるか・・・?」と言ってしまいます。
ああ、切ない・・・。
けど、ここで木崎は「死ぬよりも俺はあんたと一緒に生きていきたいんだ・・・」と抱きしめて覚悟を決めます。近くにある敵軍のキャンプのところに三園を置いて立ち去り・・・。
その後敵軍のキャンプに捕虜として保護されたものの、軍医だったために他の人よりも優遇され、帰国。
その様子を帰国した木崎はずっと近くで見守っているという意外に健気な男、木崎。
銭湯帰りの浴衣姿の三園の艶っぽい感じがなんとも・・・。
触れられなくても近くで見てるだけでいい・・。どうせあんたにとっては忘れたい過去だろう、なんて思っていると「木崎?」となぜか自分の名前が出てきたことで我慢できなくなった木崎は三園の前にあらわれて再会になります。置き去りにされた三園は木崎を責めますが、お互い好きだからこそいきていてほしかった、早く会いににきてほしかったとお互いの想いをぶつけ合い、再び結ばれ・・・。
艶かしいシーンですが、最後に木崎が一目ぼれだったと白状。最初に会ったときからずっと好きだったと告白での終了。
番外編では、その後の三園医院の様子。不機嫌な嫉妬深い木崎にお仕置きされてしまうオチ付き。
忍者のほうは他の方のレビューで見ていただいて、長文失礼しました。

4

戦時中の生と性と死、そして忍びの惑い

大きく2作品収録。
ひとつは和モノ軍人BL。もう1作は「忍び」もの。
どちらも耽美的な魅力が漂う作者様の絵柄に大変マッチしています。

「愛の痕跡〜野獣軍曹と愛玩軍医〜」
軍人BLですが、設定は戦後間もない頃。
南方戦線で軍医の経験がある心優しい医師・三園が主人公。
三園は南方でマラリアにかかっており、時折ひどい発作に襲われる。
高熱に震えうなされる三園の脳裏に浮かぶのは、ジャングルを軍曹の木崎と逃げ惑う記憶…
…といった展開で、過去の過酷な戦場体験とその極限状態の中で木崎に犯された記憶に苛まれる三園の姿。
しかし、極限のジャングルで圧倒的な生命力・生活力を見せる木崎に本能的に惹かれる三園は、今でも木崎が忘れられない…
この物語では、元々ゲイとかそういう結びつきではありません。
戦場という極限での何か愛のようなもの、生と死のはざまでの究極の求め合い。
再会後は誤解なくわかりあえたのが本当に救いだと思う。

「霧隠れの恋〜紅忍法帖〜」
忍びBL。
忍びの掟を裏切った男を討ち取る…それを任命された若き忍びと謎めいた師。
とにかく造形が素晴らしくて、装束や長髪や、顔を覆う薄衣などがミステリアスでたまらない。
男は幻術使い…彼の隙は男を抱く時だけ。だから討ち取るためには彼好みの身体、彼好みの反応を会得しなければ…
その仕込みのエロティックなこと!そしてなんと酷なこと。
若き忍びとその師の未来は…多分死が待っていると思う。でもこの世界観好きです。

0

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP