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責任とって大事にするから……俺のことも大事にしてね
「空色スピカ」から始まるシリーズの第三弾。作中の時系列では一番古い世代の二人が描かれていますが、前二作を知らなくても読める内容になっています。私は「流星シロップ」のみ既読の状態で読んだので、峰と衛守が思ったより登場していてちょっと嬉しかったです。
前作でしばしば「伝説の世代」と書かれていた弾正と堂本のお話なので、一体どんな強烈なキャラクターなんだろうとワクワクしながら読み始めました。が、結果的にはそれで過度にハードルを上げちゃったな…と思います。
弾正はかなり常識人で容姿も飛び抜けて目立つわけでもないし、そんな弾正がほだされることになる堂本も、思ったほど破天荒でも不思議ちゃんでも色男でもなく、なんだか二人とも普通のしっかりした高校生という印象が最後まで拭えませんでした。…いや、人間として破綻していないことはモチロン大事なことですが…。展開上、これと言った大事件も起きないので、強烈な何かがなくても同性と恋愛できるもの?と感じてしまいました。あとがきによれば堂本はもっと二面性のあるチョイ悪(?)な男にする計画もあったそうで、そう考えると少し腑に落ちましたが。
また、今作も小椋ムクさんのイラストで、高原にある学生寮という雰囲気にはピッタリだと思うのですが、堂本に限っては本文中の描写とイラストがいまいち整合せずモヤモヤしました。堂本というキャラクターが小椋さんの絵柄とあまりマッチしないんだろうな。
あとがきに続刊の展望が書かれていて頼もしく感じたものの、これ以上薄味になると読破するのがしんどいかもな~と思いました。
シリーズ3冊目は、フェロモン垂れ流し男(副会長)と硬派な優等生(生徒会長)。
時系列は、今回も遡って、前作の2世代前となります。
1年上の柏木×葵も魅力的なのに、逆にあまり魅力を感じなかった名前だけはちょろと出てきていた硬派な弾正か~とちょっと手に取るのをためらいましたが、これまで面白かったこのシリーズですから読まずにはいられませんでした。
次期生徒役員の白羽の矢が立ったのは、フェロモン番長と言われている堂本。
けれど、彼の出した引き受ける条件が会長には弾正を。
しかい当の弾正は噂程度しか知らない堂本になぜ名指しされるか身に覚えがない。
本人に確認すると「尻に惚れた」という。
何の冗談かからかいかと相手にもしなかったが、現生徒会長からのプレッシャーが厳しく近隣女子高から女子を集めてお近づきになることに躍起になっている生徒たちの熱意に絆され引き受けることに。
しかしこの弾正、口うるさく乱暴な扱いしかされない姉や妹のせいで女性には興味がなく、もし大和撫子のような女の子が居たらぜひお付き合いをしたいと夢を語るばかり。
そして堂本はといえば、数年前にゲイを自覚しその頃憧れの目で見ていた弾正への想いこそが恋だと知ってから密かに見つめ続けていたのですが、この機会に乗じてお近づきになりあわよくばお付き合い出来たら…と思っての指名だったわけです。
演劇と自己愛しかない現会長のイジワルとの戦いが第1部、そして引き継ぎ後の生徒会活動が第2部といったところ。
前半の、次期生徒会レジスタンス活動が面白くて応援したくなりました。
今回も、片思いのゲイとその気のない硬派な二人がどうやったら向き合えるのか、そこに行きつくまで長かったです。もうないのかと思うくらい残りページが少なくなったところで漸くです。
ひと気のない部屋でイベントの準備に疲れて居眠りして寝起きを襲われました。
襲われたのは弾正の方なんですけど、どっちでもOKな感じなので最後にフェロモン番長実は受けでしたというオチかとも思っていました。
なんだかんだで助けられたりしてそばにいるうちに絆されてしまった弾正、「もう好きにしろ」と躰を投げ出すあたり結構男前でした。
その時のイラストがいいです。
弾正は上も下もはだけて堂本が下に手を入れているの図。
キャラには萌えが足りなかったのですが、このイラストには萌えました。
本編より幾つか若い前作カップルらの姿が垣間見れたのはウキウキしました。
美形の峰と天使の楠ノ瀬、その頃からやっぱり天然で偉そうな衛守でした。
意外なことに3冊通して生徒会活動萌でした。
LOVEがメインじゃなくなってるみたいな展開なのにとても面白かったと言えるのが不思議です。
さすがは かわい有美子さん そして 小椋ムクさん なのでしょうか。
巻末の短編
「雨降りヒアデス」 は堂本視点で、ゲイを自覚した夏の日のこと。
実はお兄ちゃんもゲイだったらしい、でもきっと苦しんでいたんじゃないかなと想いをはせる弟の心情。
このお兄ちゃんの清泉学院時代とその後のお話が次回シリーズ4作目になるらしいのですが、4年近くたってまだ書かれていませんね。
いつか出たら読みたいです。
あ、そしたらまた時間遡るんですかね。
今更ですが、私としては時系列的に読みたい派。このシリーズは3,2,1と読んだ方がよかったような気がします。
再読時はそうしてみようと思います。
「純情バニラ」は、峰が生徒会長で楠ノ瀬達が見習いとして生徒会室に出入りしていたころのこと。
新聞部からの峰へのインタビューを頼まれた楠ノ瀬に素直にいろいろしゃべった後で衛守がメモを回収する話。
峰もうっかりさんだなーそれとも色ボケか?と思ったら確信的に語っていたらしい。
「誰かに言いたかったんだ。衛守が僕の物だって」ですって~かわいい。恋する乙女ですね。
空色スピカシリーズの三作目。
今までで一番古いといいますか、前作の衛守×峰の二学年上のお話。
だんだん上がって行っていますね。
柏木の学年は飛ばされてしまうのでしょうか、王道な感じなのに…
会長に指名される受けの弾正は姉二人、妹一人に囲まれて育ったせいか、ゲイではないけれど女子にまったく夢を抱いていません。
受け視点で書かれている時の心の声は、かなり口が悪いです。
良くも悪くも、ザ・男!って感じですね。
副会長の方が攻めの堂本。
学内で広く知られたフェロモン大王で、自覚のあるゲイ(兄もゲイ、ご両親卒倒?)
でも特定の仲間はいなかったり意外に目立たない、大人しい大型犬タイプです。
今回も先代の会長に指名されるという流れなのですが、その生徒会執行部のメインメンバーは演劇部に在籍する『織田軍団』と呼ばれる面々。
もちろん織田が会長です。
名前を聞いてわかるように変人集団で、一般ピーポー達は関わりになりたくないんですね。
なのに会長に指名された弾正はまさに寝耳に水。
理由を尋ねると、弾正が会長ならばやると堂本が言ったとかで…
シリーズ通して、行事ごとに女子を集めたいのは変わらないので、フェロモン大王が生徒会に入らないのは言語道断。
けっきょく弾正は引き受けざる得なくなるのですが、クラスでも寮でも一緒になったことのない堂本がなぜ自分を指名?となりますよね。
堂本は、まあ、以前から弾正が気になっていて、執行部に入れば一緒にいられるのではないかと頭の悪いわんこのような発想で口にしたらしい。
堂本わんこ表現は、かなり弾正の思考にも登場します。
今期の生徒会は弾正の性格上(女子に尻尾を振りたくない)、かなり硬派。
なのでイベントの表現も抑えめで、女子相手の行事シーンよりも学内の方が多く地味な作品だという印象が強いです。
弾正もけっきょくほだされという感じでくっついてしまうので、消化不良かなあ。
わたしの中では、なんだか攻め同士って感じが拭えませんでした。
このシリーズは受け攻めともにガタイがそれなりに良いというのが共通点ですが、中でも今回は性格含め、弾正は攻めでも大丈夫!って雰囲気で。
リバっぽいのは苦手なので、ちょっとそこが残念で三作の中では一番再読率が低いです。
でも、次作が待ち遠しい…いつ出るのかなあ。
お気に入りは主要カップルではなく、執行部メンバーの千葉と須賀崎(弟の方は前作等に出演)。
千葉のような体は小さいけど、清々しいほどに自分の欲望に忠実なタイプの脇キャラ大好き。
なぜかこのタイプは主役じゃないのね…男にケツはわたさねぇぜ!って感じだからでしょうか?
このシリーズ、それぞれカバーが秀逸なのですが、3作並べるとそれぞれのカップルの距離感がうまく表現されていると思いました。
「空色スピカ」「流星シロップ」に続く、私立英明大学付属清泉学院シリーズ?3作目。
伝説の弾正忍・生徒会長と堂本櫂・副会長。
何故、伝説なのかといいますと・・・
「空色スピカ」のふたりにとっては、交わらない学年。
楠ノ瀬くん・中等部1年-弾正、堂本・高等部1年の関係。
高科くんは、高等部から入学した外部生なので弾正・堂本とは会ったことがありません。
「流星シロップ」のふたりにとっては、中等部でも高等部でも1年生の時の3年生。
面識はあるけれど・・・1年生からみた3年生って、とても大人に見える。
下級生たちにとっては、噂先行(笑)雲の上の存在のような先輩、弾正・堂本。
はたして、そんな彼らの生徒会活動とは、いったいどういうものだったのでしょうか?
BLだけど生徒会活動に注目してしまう私立英明大学付属清泉学院シリーズ(大笑)
特にこの3作目は、一度、横道に逸れた清泉学院の生徒会活動を再び軌道に乗せた彼らの奮闘ぶりを応援したくなるそんな1冊に仕上がっています
さて本編ですが、例によって現生徒会長から次期生徒会長への「指名」から物語は始まります。始まるんですが・・・。
通称「織田軍団」←演劇部だそうです。
軍団を率いる清泉のトップスター、会長・織田雅也。副会長は久賀静香(男子です。演劇では女性の役を得意といているそうです)。
そして、その、取り巻き連中多数・・・この方達がどうも普通じゃない
他者を寄せ付けない圧倒的なオーラを放ち、他者もこの方達には近づきたくない・・・ということで、この織田くんの代の生徒会は、独裁というか、自分たちさえよければ他はどうでもいい。
生徒会を私物化していたようなのです。
読み終えた今思うと、これって「清泉の黒歴史?」
他の生徒、学院のその後のことなど何も考えていないような織田くんも一応、後任を選ぶ仕事はしたようです。
織田くんが後任に指名したのは「堂本櫂」何故か「フェロモン番長」と呼ばれるほど無駄に牡っぽいフェロモンを垂れ流している長身で容姿にも恵まれている、清泉学院には珍しいタイプの生徒です。
そして、その堂本くんが副会長を引き受ける代わりに会長に指名したのが「弾正忍」です。
弾正くんにとっては、青天の霹靂というか降って沸いた災難
そして、弾正くんにとって災難はそれだけではありませんでした。
堂本くん、ゲイだったのですね~弾正くんに惚れていました。
「尻に一目惚れ(ちょっと違うんですが・・・)」と面と向かって告白されてしまうわけです。
姉ふたり、妹ひとり、に挟まれた弾正くんは、若干女子嫌い。
硬派で賢いという感じですが、意外と世間知らずの天然キャラ?
何事にもまじめで一所懸命、でも、なんだかんだと堂本くんにつけいる隙を与えすぎです(笑)
小椋さんの挿絵が可愛いのと、堂本くんが弾正くんを落とすために可愛い「わんこ」のふりをしていたせいか、かわいさんが一所懸命文章で堂本→肉食系・牡っぽい・野性的を全面に打ち出していましたが、それが若干伝わりづらかったのが残念。
ふたりの関係は、ちゃ~んとお初まで書かれていますが、私、これは、なくても良かったな~と思いました。
(BLだからなくちゃダメなのかな?)
あと、他の2作に比べて入浴シーンが少ないような気がしました。せっかくの温泉なのに・・・(笑)
そして、中学生の楠ノ瀬くん、峰くん、衛守くんもちょこっと出演。可愛かったのね。あの子たち
私的には、ふたりのラブラブより、行事のたびに一所懸命な彼らがとても良かった。
自分は、次とのつなぎだと言いながらまじめに頑張る弾正くん、それを支える堂本くん、生徒会役員が良かったです。
弾正くんからつながる、柏木→峰→楠ノ瀬の流れをもたらしたのは、やはり「伝説の弾正」だったのだな~と思いました
本編「星屑シトロン」の他に・・・
「雨降りヒアデス」 堂本視点。
「純情バニラ」 楠ノ瀬・高科・峰・衛守
さて、このシリーズ、先の2作は、1年ごとにさかのぼってきましたが、ここで1年飛ばしました。
間に入っている、爆裂ターボ男、柏木・葵。あのふたりは、どんなだったのかな~?
でも、次は、堂本櫂のお兄さんの話になるようです。
堂本湊。
湊も清泉の生徒でした(さすがに中高一貫教育の学院なので兄弟多いですね。書きませんでしたが須賀崎兄(星屑シトロン)弟(流星シロップ)はふたりとも生徒会の役員で活躍していました)。
湊は、櫂よりもいい男だそうです。
気になりますが・・・湊の話は、学院の外の話になるみたいですね。
シリーズの続きが楽しみです。
シリーズももう三作目ですね。
あとがきを読むと、まだまだ続くようです。嬉しい。
さらに、ミドリさんと同じく柏木と葵が楽しみで、それを読むまでは死んでも死にきれない!と思ってるむつこです。
ただ、今作は前二作と比べると、若干面白さレベルがダウンしてしまってるかなァと思いました。
登場したのは前二作でも伝説扱いされてた生徒会長様だし、攻めがフェロモン系のヘタレワンコと聞いて期待してたんですが、肩透かし感がなきにしもあらず。
これぞ!といった事件やエピソードが少なすぎる気がしました。
彼らの前生徒会長がかなりイヤなやつなので、その攻防戦を中心に描いてくれたら良かったのになぁと。
あとヘタレワンコ攻めも、キャラが定まってない感じ。ワンコさが足りないし、ヘタレさも足りないし、フェロモンも足りないし…。攻めの見た目や雰囲気についてはしつこく形容されてはいるんですが、そういうことは「文章による説明」ではなく「それを示すエピソード」で伝えて欲しかったなと思いました。
面白かったのは面白かったんですが、期待しすぎたかなー、と。
あるいは、ずっと攻め視点で読んだほうが面白かったかも。「警戒されないようにヘタレを装ってた」みたいな説明もあったし、このあたりの微妙な心理的葛藤は、攻めの視点で読みたかったです。
んー、惜しいなァ。
つまらないならもっと読みたいとか思わないし。つまらないんじゃなくて、食い足りないんだよね。
ただ、登場する脇役たちにかなりウキウキさせられました。
前二作を読んでる人のみが楽しめる部分ですね。
噂のなかで語られる、あるいはチョイ役で出てくる、空色スピカ&流星シロップの登場人物たち。
みんなみんな愛しくてタマランです。
次作も楽しみです。